春を告げる花のひとつ、蓮華(レンゲ)。野原や畑、水田のあぜ道などに紅色の彩りを添える蓮華は、春の風物詩として古くから日本人に親しまれています。
蓮華が咲き誇る風景が人々の心に癒しを与えるよう、蓮華の花言葉もまた心を和ませてくれる言葉が揃っているんですよ。
一方で、蓮華には怖い伝説も残っています。蓮華の伝説を知ると、蓮華に対するイメージがガラリ変わるかもしれません。
ここでは蓮華の癒しの花言葉と由来、蓮華の育て方、そして蓮華にまつわる怖い伝説など、知られざる蓮華の世界をお届けします。
蓮華(レンゲ)の花言葉
それではさっそく、蓮華の花言葉を紹介します。
癒しの言葉がたくさん!蓮華の花言葉と由来
蓮華の花言葉 | 心が和らぐ、私の苦しみを和らげる、あなたは私の苦痛を和らげる、私の幸福、あなたと一緒なら苦痛が和らぐ、感化 |
このように、蓮華の花言葉は心を癒してくれるものばかり。これは、蓮華が薬草として使用されていたことが関係しているようです。
薬草として使われていた蓮華
蓮華の花や茎、根には薬効成分が含まれており、以前は薬草(民間薬)として重宝されていました。
蓮華の花言葉「心が和らぐ」「私の苦しみを和らげる」「あなたは私の苦痛を和らげる」「私の幸福」「あなたと一緒なら苦痛が和らぐ」「感化」、これは病の苦しみが和らいだ人々の気持ちが表現されているのです。
オリジナルキャッチコピー
心を癒す懐かしき景色 春の訪れとともに今よみがえる
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花言葉に関する逸話「ギリシャ神話に登場する蓮華」
蓮華の花言葉のひとつ、「感化」。感化とは「人の心を変える」「行いを改めさせる」などといった意味があります。
蓮華にまつわる怖い伝説(ギリシャ神話)にも「感化」という言葉がピッタリ。さっそく見ていきましょう。
蓮華になった精霊と少女・ドリュオペ
祭壇に飾る花を探しに出かけたドリュオペ。春の野に咲く沢山の花の中から、ドリュオペが選んだのは蓮華の花でした。
ドリュオペが蓮華の花を摘んだところ、折った茎から血が滴り落ちてくるではありませんか。なんとその蓮華は、精霊が姿を変えたものだったのです。
精霊はドリュオペに話します。「全ての花は、精霊が姿を変えたもの。勝手に摘まないで」。
ドリュオペはそこから動けなくなり、蓮華の花になってしまいました。
なんとも気の毒なこの話は、花言葉「感化」に通じるものがありますね。
蓮華のほかにも!蓮にまつわる花と花言葉
蓮華という名前は、蓮華の花が蓮の花に似ていることが語源となっています。蓮華の他にも「蓮」にまつわる花がありますので、花言葉と一緒に紹介しましょう。
花言葉は「信仰」睡蓮(スイレン)
蓮に似た花を咲かせ、朝に開花し夕方には眠る(睡る)習性があることから睡蓮という名前が付けられました。花言葉は「信仰」。睡蓮を太陽に見立て、崇めていた古代エジプトの文化が花言葉の由来です。
花言葉は「自然への愛」木蓮(モクレン)
「木に咲く蓮の花」という意味合いで名付けられた木蓮(モクレン)。空に向かって花を広げ、自然を楽しんでいるように見える姿から「自然への愛」という花言葉が付けられています。
花言葉は「見事な美しさ」蓮華木(レンゲボク・ユリノキ)
ユリノキの別名・蓮華木(レンゲボク)。こちらも花が蓮に似ていることが由来になっています。花言葉「見事な美しさ」は、花の美しさが表現されたものです。
花言葉は「愛情」紅蓮華(グレンゲ)
紅蓮華(グレンゲ)は蓮華ではなく、赤や紅色の花を咲かせる蓮の花のことを指します。ヒンズー教では女神・ラクシュミーと夫・ヴィシュヌの花とされており、愛に満ちた夫婦であったことから「愛情」という花言葉が付けられています。
春に咲く花と花言葉
蓮華と同じように、春になると野原や花壇などで見かけることが多い花とその花言葉を紹介します。
花言葉は「思いやり」チューリップ
誰もが知っている春の花・チューリップ。童謡でもお馴染みのチューリップは春に欠かせない花のひとつです。花言葉は「思いやり」。3人の男性に愛された少女の物語が由来になっています。
花言葉は「幸運」シロツメクサ(白詰草)
春の草原に白やピンクの花を咲かせるシロツメクサ(白詰草)。花言葉は「幸運」です。シロツメクサの別名はクローバー。まれに現れる4枚葉は「幸運を呼ぶ四つ葉のクローバー」としても有名です。
花言葉は「元気いっぱい」菜の花
キャベツや白菜、ナタネやブロッコリーなど、アブラナ属の仲間に咲く花を総称し「菜の花」と呼びます。花言葉は「元気いっぱい」。鮮やかな黄色の花をたくさん咲かせることにちなんでいます。
花言葉は「別離」たんぽぽ(蒲公英)
春になると野原や公園などに花を開くたんぽぽ(蒲公英)。開花後に息吹くふわふわした綿毛が風に飛ばされ、遠くに飛んでいく様子から「別離」という花言葉が付けられています。
花言葉は「恋占い」マーガレット
チューリップと同様、花に詳しくない人でも知っている花・マーガレット。白やピンク、オレンジや黄色など花色が豊富で、春花壇に絶大な人気を誇っています。花言葉は「恋占い」です。
蓮華(レンゲ)の育て方・水やり・管理方法
蓮華を育てる時に重要なのは、「乾燥」と「連作障害」に気を付けることです。この2つに注意し、可愛い癒しの花を咲かせましょう。
蓮華の種をまく時期・まき方
蓮華の種まきは、9月下旬から11月の上旬までに行います。鉢植え、プランター、庭植え、それぞれの育て方は次のようになります。
【鉢・プランターでの育て方】
- 草花専用培養土、または花・野菜用の培養土を使用します。
- レンゲ専用の根粒菌を混ぜ込みます。
- 種をまいて軽く覆土し、水を与え、日当たりが良い場所で管理しましょう。
【庭植えでの育て方】
- 日当たり・保水力がある場所に腐葉土・レンゲ専用の根粒菌を混ぜ込みます。
- 種をまいて軽く覆土し、水を与えてください。
根粒菌は、園芸店やホームセンター、農協などで購入できます。無くても蓮華は育ちますが、根粒菌を使用した方が発芽の可能性が高くなります。
土の乾燥に注意!蓮華の水やり
鉢やプランターで育てる場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えるようにします。庭植えの場合、晴天が続き雨量が少ない場合は水を与えてください。
蓮華は乾燥を嫌う傾向にありますので、土が乾燥しないよう充分配慮してあげてください。
蓮華の連作障害について
連作障害とは、同じ場所で同じ植物を育てることにより土の栄養バランスが崩れ、植物の生育に悪い影響を与えることを指します。
蓮華が属するマメ科の仲間も、連作障害がある懸念される植物です。同じ土、同じ場所で育てると生育不良を起こす可能性があります。
翌年以降の対策として、
- 鉢やプランターで育てる場合は、新しい土を使用する。
- 庭植えで育てる場合は、昨年とは違う場所に植え付ける。または連作障害を軽減・緩和させる薬剤(園芸店で購入可能)を使用する。
このような方法があります。
蓮華(レンゲ)の特徴・名前の由来・誕生花
最後は、蓮華の基本情報です。蓮華の別名や英語名、誕生花や名前の由来なども紹介していきます。
蓮華(レンゲ)の基本情報・別名・英語名
目・科・属 | マメ目・マメ科・ゲンゲ属 |
和名・別名 | 蓮華、蓮華草、レンゲ・紫雲英(ゲンゲ) |
英語名 | Chinese milk vetch(中国のミルク草) |
開花時期 | 3月~4月 |
原産国 | 中国 |
蓮華はいつの誕生花?
蓮華が誕生花に当てられている日にちは、3月1日、3月3日、3月7日、3月12日、3月20日、3月22日、4月8日、4月13日、4月18日、7月3日、8月22日、8月31日です。
蓮華や紫雲英・英語名の名前の由来は?
「蓮華」という名前は、蓮華の花が蓮(ハス)に似ていることが由来です。
また、畑一面に咲き誇る蓮華の風景が、まるで紫色の雲のように見えることから「紫雲英(ゲンゲ)」とも呼ばれています。(「英」は中国語で“花”という意味があります。)
英語名「Chinese milk vetch」は、蓮華を食べて育ったヤギが沢山の乳を出すことにちなんでいます。
実は、蓮華の正式名称は「ゲンゲ」です。蓮の花に似ていることから「蓮華(レンゲ)」という別名が付けられたのですが、今ではこちらの方が浸透し正式名称になりつつあります。