マーガレットのような丸い黄色の花芯に、細く華奢な花びらを広げるハルジオンの花。
春になると道路沿いや公園でよく見かける草花ですが、実は美しい花言葉がついているのをご存知でしたか?
この記事ではハルジオンの花言葉や、気軽な楽しみ方なども併せてご紹介していきます。
ハルジオンの花言葉
ではさっそく、ハルジオンの花言葉について見ていきましょう。
花言葉
ハルジオン全般 | 追想の愛 |
ハルジオンの花全般をあらわす花言葉には「追想の愛」があります。ピンクや白の繊細な花びらをもつ、ハルジオンの花に似合う花言葉ですね。
調べたところ、花言葉はこの一つだけになりますが、ハルジオンに似た「シオン」という花もあるので関連性が気になるところです。
ハルジオンは驚くような別名も持っているので、その由来や花言葉との関係も知りたくなります。
ハルジオンの花のオリジナルキャッチコピー
美しい思い出をこの胸に 未来を信じて夢を見る
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ハルジオンの花言葉に関する逸話
糸のような細い花びらを風になびかせるハルジオンの花ですが、「追想の愛」という悲しげな表現があるのには理由があります。
ハルジオンには特徴があり、つぼみの状態では「うなだれたような形」でつぼみが下を向いています。
それは、楽しかった頃の恋愛を思い出し、まるでため息をついているかのような姿です。「追想の愛」の花言葉は、このことが由来になっているといわれています。
さて、ハルジオンの花言葉の中には「追想」の言葉が入っていますが、これはハルジオンに似た「シオン」の花にも関係がありそうです。
名前の由来に関係のある「紫苑(シオン)」には、「追憶」という花言葉があります。
「紫苑」は、今昔物語集の中で「亡くなった父を忘れまい」と“思い草(=この花を見た人は、心に思ったことを忘れないといわれる花)”として物語の中に登場します。
もしかすると春に咲くハルジオンは、「過去を思い出す」という意味で、秋に咲く「紫苑」との共通点を持っているのかもしれません。
悲しげな花言葉をもつハルジオンですが、つぼみの後は、太陽に向かって小さな花を懸命に咲かせます。
「過去を乗り越え、見上げた時にはきっと幸せが訪れている」
そんなポジティブな意味を花の姿から見出すことができたなら、「花言葉」というものをより深く楽しむことができるかもしれません。
ハルジオンとヒメジョオンとの見分け方
ハルジオンによく似た花で「ヒメジョオン(姫女苑)」という花があります。こちらはハルジオンと同じ、ムカシヨモギ属の植物になります。
この2つの花はよく似ているので、どちらなのかよく分からないという方のために、見分け方を簡単にご説明しましょう。
●ハルジオン
つぼみの状態であると、つぼみがこうべを垂れるように下を向いているのが特徴。花びらは「糸のように細く」ふさふさとした印象。
葉の付き方は、茎を抱くようについているのが特徴。ヒメジョオンと比較すると、葉っぱの周りのギザギザとした部分が多い。
開花時期は4~6月。春から梅雨にかけて咲く。
●ヒメジョオン
つぼみの状態は、ハルジオンと違い上を向いている。花びらは、ハルジオンよりも幅があり、細めではあるが「比較すると」花びらに張りがあるのが相違点。
葉の付き方は、ハルジオンと違い、茎を抱くようにはついていないところが異なる点。
開花時期は5~8月。初夏から秋にかけて咲く。
ハルジオンは、本来は「ハルシオン」という名前であったのが、見た目も「ヒメジョオン」と似ているため名が「ハルジオン」になった、という説もあるほどです。
確かに名前まで似ていますが、先述のようにそれぞれに特徴があるので、見かけたときは違いを観察してみるのも楽しそうです。
花の別名には驚くような名前のものがある
子どもの頃、ハルジオンの花を見て「春に咲く小さなマーガレットのような花」と思った人もきっといるのではないでしょうか。
このほかに春先に咲くオオイヌノフグリなど、野に咲く花や、普段何気なく見ている風景の中から季節を知ることもありますよね。
このように古くから親しまれてきた草花ですが、種類によっては意外な「別名」がついていることもあります。では、どのようなものあるのでしょうか。
驚きの別名「貧乏草(ビンボウグサ)」
ハルジオンは、一部の地域において「貧乏草」とも呼ばれ、その名前の由来について諸説があります。
一つは「手入れが行き届いていない“貧乏な”家の庭に咲く」、もう一つは「摘んで持ち帰ると“貧乏になる”」というものです。
花言葉としては「貧乏草」に関するものはないようですが、歴史をたどってみるとさまざまな背景が見えてきます。
ハルジオンは観賞用として1920年頃に渡来し、1960年代以降には関東を中心に拡がったとされています。
まず1965年頃に、田畑を耕すための「耕耘機(こううんき)」が普及し、1967年からは除草剤の使用が始まります。
しかし、その除草剤は葉だけを枯らし根は枯らさない、という特性を持ったものでした。
ハルジオンは株ごと抜いてしまわないと、駆除してもまたそこから生えてしまう強靭な生命力と繁殖力を持っています。のちには、変異した除草剤耐性型が出現したほどです。
こういった経緯があり、全国に広まっていったとされています。
このことから「持ち帰ると貧乏になる」というのは、「持ち帰り繁殖すれば駆除の手間(費用)がかかる」という意味として捉えることもできます。
もしかすると、この別名は“駆除に苦戦していた先人の教え”から来ているのかもしれませんね。
野花のナズナ、別名は「ぺんぺん草」
「春の七草」としても知られる植物の1つ、ナズナにも別名があります。もしかすると、子どもの頃に音を鳴らして遊んだ人もいるのではないでしょうか。
たとえとしても使われる、「ぺんぺん草が生える(=建物が取り壊されて空き地となり、荒れ果てた様子)」の”ぺんぺん草”は、ナズナのことを表します。
「ぺんぺん」とは三味線を弾く音で、ナズナの実が三味線の“ばち”にも似ていることから「ぺんぺん草」といわれています。
別名がついた理由を考えてみよう
花の別名の中には、“後世に伝えたいメッセージ”が含まれているものや、ネガティブなイメージがあっても、別名自体にはそのような意味がないものもあります。
別名にネガティブなイメージがある場合は、その背景と合わせ、別名がついた理由をじっくりと考えてみるのも面白いかもしれませんね。
ハルジオンを贈り物にしたい時はこんな方法で
ハルジオンについて、歴史や別名の由来などをくわしく見てきましたが、やはり贈り物にするのは気が引けるという方もいるのではないでしょうか。
そんな時は、ハルジオンに似た花を贈るのも一つの方法です。では、花言葉と一緒にご紹介しますので、プレゼントする時の参考にしてみてくださいね。
マーガレットの花言葉:「真実の愛」
可愛らしい見た目と、純白の花びらが清楚な印象。恋人やパートナーなど大切な人に。ウェディングにもいいですね。
花言葉は、他に「恋占い」「信頼」「心に秘めた愛」があります。
カモミールの花言葉:「あなたを癒す」
「逆境に耐える」という花言葉もありますが、気軽なプレゼントならこの花言葉で。頑張っているお友達へのさりげないプレゼントに。
花言葉は、この他に「逆境で生まれる力」「仲直り」「友情」「清楚」があります。
シオンの花言葉:「追憶」
転勤や引っ越しなどで、離れてしまう方に。「君を忘れない」という花言葉もあるシオンは、贈った人の心に素敵な思い出として残るでしょう。花言葉も似ていますね。
花言葉は、この他に「追想」「遠方にある人を思う」があります。
コスモスの花言葉:「美しさ」
白のコスモスなら花言葉は「優美」。ハルジオンをより美しく優雅な雰囲気にしたような花姿のコスモスは、仲の良いお友達やご家族への贈り物にも。
花言葉は、この他に「謙虚」「調和」「平和」「美しさ」があります。
ハルジオンの花の保管方法
では、ハルジオンを家で楽しむときのポイントを見ていきましょう。
ハルジオンの保管方法
ハルジオンは、以下の方法で水揚げをしてから花瓶に飾っておくと、長く楽しめますよ。
水切り
- 茎を水につけ、切り口から3~5センチの部分を水の中で斜めに大きくカット。
- しばらくそのままつけておく。
おうちアレンジメントの方法
野に咲く草花は、花器などに飾ることで、また違った印象で楽しむことができます。
ハルジオンの場合、「孔雀草」のように全体で華やかな印象になるよう、数本集めて飾ると素敵な印象で飾ることが出来ますよ。
生け花にしたい時は、小さめの花器や家にある器を使ってもいいかもしれません。100円ショップにも素敵な器があるので、手軽な生け花としても楽しめそうです。
ハルジオンの特徴や花の名の由来
ハルジオンの花の基本情報です。
基本情報(英語名)
目・科・属 | キク目・キク科・ムカシヨモギ属 |
和名・洋名 | 春紫苑(ハルジオン)・Philadelphia fleabane |
開花時期 | 4~6月 |
原産地 | 北アメリカ |
参考:Wikipedia ハルジオン より
誕生花となっている日付と名前の由来
ハルジオンの花が、誕生花としてあてられている日付はこちらになります。
4月14日、12月12日
名前の由来
「ハルジオン」を秋に咲く同じキク科の「紫苑」に見立て、“春に咲く「紫苑」の花”としたことから「春紫苑(ハルジオン)」の名がついたといわれています。