果物の代表格ともいえる、りんご(林檎)。適度な酸味と甘く爽やかな風味が楽しめるりんごは、老若男女問わず、多くの人に愛されています。
さて、そんな愛すべきりんごには果実・木・花、それぞれ花言葉がついており、その花言葉が少し複雑であることを知っていますか?
ここでは、りんごの果実・木・花、それぞれにつけられた花言葉とその由来、家庭で育てるのにおすすめの品種と育て方などを紹介していきます。
りんご(林檎)の花言葉
まずは、りんごにつけられたそれぞれの花言葉を見ていきましょう。
りんごの花・実・木の花言葉
りんごの果実の花言葉 | 誘惑、後悔 |
りんごの木の花言葉 | 名誉 |
りんごの花の花言葉 | 優先、好み、選択、選ばれた恋 |
それぞれの花言葉には、きちんとした由来があるんですよ。
りんごの果実の花言葉
りんごの果実の花言葉、「誘惑」「後悔」。この由来は、旧約時代の創世記に書かれている「アダムとイブ」の物語です。
蛇にそそのかされて禁断の果実(りんご)を口にしてしまい、楽園「エデンの園」を追い出されてしまったアダムとイブ。
2人が「誘惑」されて、「後悔」したことが花言葉につながりました。
りんごの木の花言葉
りんごの木には「名誉」という花言葉がついています。これはギリシャ神話の「パリスの審判」に出てくる黄金のりんごが由来となっています。
後述する「花言葉に関する逸話」で詳しく紹介します。
りんごの花の花言葉
りんごの花につけられた花言葉は、「優先」「好み」「選択」「選ばれた恋」です。「優先」は、メインの果実よりも優先的に花が咲くことが由来となっています。
「好み」「選択」「選ばれた恋」は、木の花言葉と同じくギリシャ神話「パリスの審判」に由来が隠されていますので、後述「花言葉に関する逸話」をご覧ください。
オリジナルキャッチコピー
「禁断の果実」は時を経て 「誰からも愛される果実」へと進化を遂げた
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10月/10月29日/10月30日/4月/4月8日/5月/5月11日/5月2日/5月7日/9月/9月29日/「好き」という意味の花言葉を持つ花/「恋」を意味する花言葉を持つ花/ピンク色の花言葉/庭に植えたい木/恋人やパートナーに贈りたい花/母の日に贈りたい花/父の日に贈りたい花/白い花の花言葉/記念樹にしたい木/
りんごの花言葉に関する逸話「パリスの審判」
りんごの木の花言葉「名誉」と、りんごの花の花言葉「好み」「選択」「選ばれた恋」は、ギリシャ神話「パリスの審判」が由来となっています。
この神話を簡単にお話ししましょう。
パリスの審判 1.結婚式
今日は、英雄・ペーレウス海と海の女神・テティスの結婚式。全ての神々が2人の晴れの場に招待される中、1人だけ結婚式に呼ばれなかった神がいました。
その神とは、争いの女神・エリスです。怒ったエリスは結婚式に乗り込み、黄金の果実を投げ入れます。
その黄金のりんごには「一番美しい女神へ」というメッセージが書いてありました。
パリスの審判 2.黄金の果実を巡って
その黄金の果実を欲した女神は3人。大神の妃・ヘーラー、知恵の女神・アテーナー、愛と美の女神・アプロディーテです。
大神・ゼウスは誰にりんごを渡すのか、その選択を羊飼いのパリスに託します。
黄金のりんごが欲しい3人は、それぞれパリスを買収する策を立てました。
パリスの審判 3.パリスの決断
3人の女神は、それぞれパリスに言い寄ります。
- ヘーラー「りんごを渡してくれるのならば、あなたに全ての富と権力を渡すわ」
- アテーナー「全ての事柄に勝利する権力を捧げます」
- アプロディーテ「絶世の美女と結婚させてあげる」
パリスが選んだのは、アプロディーテでした。アプロディーテは黄金のりんごを、パリスは絶世の美女・ヘレナを手に入れました。
りんごの木・花の花言葉の由来
この神話に出てくる黄金のりんごが、名誉の木に実っていたことから「名誉」という花言葉がつきました。
そしてパリスに託された審判が「選択」、その選択からアプロディーテの賄賂を選んだことがの「好み」という花言葉になりました。
そしてパリスとヘレナの2人が「選ばれた恋」の花言葉につながるのですが、実はヘレナは既婚者。
ヘレナの夫であるスパルタ神・メネラウスはカンカンに怒り、2人がいるトロイアの地に乗り込みます。これを事件がきっかけとなり、かの有名なトロイア戦争が起こったそうです。
りんごの木を記念樹に!家庭菜園におすすめの品種
りんごの木を家の記念樹にしませんか?家庭菜園で育てやすいおすすめの品種を紹介します。
姫林檎(ヒメリンゴ)・アルプス乙女
鉢植えでも育てられる姫林檎(ヒメリンゴ)の一種・アルプス乙女。手の平に乗るくらいの小さなりんごですが、甘みが強く、また自家結実性があり1本でも結実しやすい品種です。
津軽(つがる)
酸味が少なく甘みが強いりんご・津軽(つがる)。果実はスーパーなどでも取り扱われており、日本人にとって馴染みの深い品種です。
自家結実性が弱いため、他の品種のりんご(ジョナゴールド、陸奥以外)を植えるか、花木・ハナカイドウを近くに植えることをおすすめします。
ぐんま名月
「あかぎ」「ふじ」の交配種であるぐんま名月。病気に強く、果実が結実しやすいので、初心者にも挑戦しやすい品種です。
自家結実性が弱いので、他の品種のりんご(ふじ、津軽など)を植えるか、花木・ハナカイドウを近くに植えることをおすすめします。
りんごの他にもある!果物の花言葉
りんごの他にも、花言葉を持っている果物がたくさんあるんですよ。
梨の花言葉は「愛情」
夏から秋にかけて水気の強い果実を実らせる梨。4月~5月に、りんごの花と良く似た白い小さな花を咲かせます。
花言葉は「愛情」「慰め」「癒し」です。
桃の花言葉は「チャーミング」
ピンクで丸いフォルムが可愛らしい桃。花言葉は「チャーミング」です。見た目そのままの花言葉ですね。
開花時期は3月~4月。梅の花に似たピンク色の花を咲かせます。
檸檬(レモン)の花言葉は「情熱」
甘酸っぱく爽やかな果実が人気の檸檬(レモン)。5月~6月に柑橘系特有の花びらが細長い白い花を咲かせます。
花言葉は「情熱」「誠実な愛」「心からの思慕」です。
姫林檎(ひめりんご)の花言葉は?
家庭でも育てやすい品種として紹介した姫林檎(ひめりんご)。花言葉はりんごと同じで「優先」「好み」「選択」「選ばれた恋」などになります。
りんごの苗を購入する前に留意したいこと
りんごを自宅で育てたい、そう思う人は多いでしょう。しかし、りんごを育てるには様々な条件が必要になることを留意しておきましょう。
暖かい地方には不向き
りんごの栽培は、年間の平均温度が6~14度の冷涼な地域が適しています。それ以上になると栽培が難しくなります。
庭に植えるか、鉢で育てるか
りんごの木は地植え栽培がおすすめですが、ヒメリンゴなどの品種は鉢で育てることも可能です。
りんごは2本以上植えるのがおすすめ
ヒメリンゴなどの一部品種を除き、りんごは自家結実性が弱く、違う品種のりんごの苗(もしくは花木・ハナカイドウ)を近くに植えないと実がならないことがあります。
りんごの育て方・管理方法
家庭でも気軽にりんごの栽培を楽しみたい、そんな方におすすめしたいのが小さなりんご・ヒメリンゴの一種である「アルプス乙女」。
「アルプス乙女」を鉢で育てる方法を解説していきます。
「アルプス乙女」の購入時期
「アルプス乙女」の苗の購入は、10月~12月がおすすめです。根巻き(素掘り)苗は、鉢に植え替えて育てましょう。
鉢の大きさは7号以上、用土は果樹用培養土を使用してください。
「アルプス乙女」の管理方法
日当たりと風通しが良い場所で育てますが、夏場は直射日光を避けた半日陰に移動させましょう。
水やりは、春から夏にかけては1日1~2回、猛暑の季節は2回~3回、冬場は3日に1回程度と、季節に応じた水やりを心掛けてください。
花が咲く時期の水やりは、花に水が掛からないよう気を付けましょう。水が掛かると花粉が流れてしまい、授粉出来なくなる可能性があるので要注意です。
花が咲いたら、綿棒などで人工授粉してあげましょう。実がなりやすくなります。
「アルプス乙女」の収穫時期
「アルプス乙女」の収穫は10月中旬~下旬。生のままで、またお菓子やジュース、ジャム、果実酒にするなど、様々な方法で楽しんでください。
りんごの特徴・名前の由来・誕生花
最後にりんごの基本情報と名前の由来、誕生花を紹介します。
りんごの基本情報
目・科・属 | バラ目・バラ科・リンゴ属 |
和名・英語名 | りんご、林檎、Apple |
開花時期 | 4月~5月 |
原産地 | 北部コーカサス地方、カザフスタン南部、キルギスタン、タジキスタン |
参照:Wikipedia リンゴより
りんごの花、英語では?
りんごの花の英語名は、Apple Flower。そのまま直訳となります。
りんごの花の特徴は?開花する季節はいつ?
りんごの花は、桜の花ととても良く似ています。花色は白色~ピンク色で、開花時期は4月~5月です。
りんごの名産地である青森県弘前市では、毎年5月上旬に「弘前りんご花まつり」が開催され、多くの人で賑わうんですよ。
りんごの花はいつの誕生花?
りんごの花が誕生花としてあてられている日にちは、4月8日、5月2日、5月7日、5月11日、9月29日、10月29日、10月30日です。
りんごの名前の由来
りんごの名前の由来には諸説ありますが、次の2つが有力視されています。
- りんごを求めて林に禽(意味:鳥)が集まっていた様子から「林檎(リンゴン)」と呼ばれており、現在の林檎(リンゴ)に転じた説
- 中国語でりんごは苹果(ピングォ)といい、これが日本に伝わるときに「リンゴ」となった説