冬から春にかけ、色とりどりの花を咲かせるヒナギク(雛菊)。デージーという名前でもお馴染みですね。長い期間次から次へと花を咲かせるヒナギクは、花壇に欠かせない植物といっても過言ではありません。
また、ヒナギクは色によって異なる花言葉が付けられており、どれも希望に満ちた素敵な花言葉ばかり。しかし世間では「ヒナギクの花言葉は怖い」という声もあるようです。一体なぜなのでしょうか。
ここではヒナギクの花言葉と、怖いと言われている由来、おすすめの品種や育て方などを紹介していきます。
ヒナギク(雛菊・デイジー)の花言葉
まずは、ヒナギクの花言葉を見ていきましょう。
色別!ヒナギクの花言葉
ヒナギク全体の花言葉 | 希望、美人、純潔、平和、あなたと同じ気持ちです |
白いヒナギクの花言葉 | 無邪気 |
赤いヒナギクの花言葉 | 無意識 |
ピンクのヒナギクの花言葉 | 希望 |
青い(紫)ヒナギクの花言葉 | 幸福・恵まれている |
黄色のヒナギクの花言葉 | ありのまま |
ヒナギクの全体の花言葉は「平和」「希望」「美人」「純潔」、また花色によって素敵な花言葉が付けられています。多くの花言葉が、飾り気のないありのままの花の姿が由来になっています。
一見したところ「怖い」意味を持つ花言葉はないようですが、気になるのは「あなたと同じ気持ちです」という花言葉。
これにはヒナギクにまつわるある物語が関係しているようです。詳しくは後述する「花言葉に関する逸話」で紹介しますね。
ヒナギクはどんな花?
ヒナギクは12月から5月にかけて咲く多年草の植物ですが、残念ながら日本の夏を越す耐性が無いため1年草扱いされています。原産は地中海沿岸で、イタリアでは国花に指定されているんですよ。
花びらは細長く、草丈は15cm~20cmほど。花径は2cm~8cmと様々です。カラーバリエーションはとても豊富で、白や赤やピンク、青(紫)や黄色、オレンジ、複色などがあります。
咲き方のバリエーションも一重咲きや八重咲き、ポンポン咲きなどがあり、花径・カラー・咲き方の組み合わせ次第で、様々なタイプのヒナギクが楽しめます。
西洋や韓国のヒナギクの花言葉は?
花言葉は各国によって異なることがあります。西洋でのヒナギクの花言葉は「Beauty(美しい)」「Innocence(純潔)」。これは日本とほとんど変わりませんね。
韓国でのヒナギクの花言葉は「心に秘めた愛」。西洋ではマーガレットの花言葉がこれに該当しています。
オリジナルキャッチコピー
「ありのままの姿が1番」と 優しく微笑む純粋無垢な花
類似の花言葉を持つ花はこちら
1月/1月12日/1月27日/1月4日/1月9日/2月/2月15日/3月/3月10日/3月12日/3月17日/3月4日/3月5日/3月6日/5月/5月27日/5月29日/9月/9月10日/「希望」を意味する花言葉を持つ花/「平和」を意味する花言葉を持つ花/オレンジの花の花言葉/ガーデニングに使いたい花/ピンクの花の花言葉/創作などのキャラクターに使いやすい花/友人の日頃のプレゼントに贈りたい花/恋人やパートナーに贈りたい花/母の日に贈りたい花/白い花の花言葉/結婚式やセレモニーで使いたい花/誕生日のお祝いにピッタリな花/赤い花の花言葉/野原で観察したい花/青い花の花言葉/
花言葉に関する逸話「悲しい?怖い?ヒナギクの物語」
ヒナギクの花言葉「あなたと同じ気持ちです」。この由来となったといわれる2つの物語を紹介します。
ヒナギクの歌
昔、カレドニアという国のモルヴェンという地域に、夫を戦争で亡くした女性がいました。悲しくて涙が止まらない女性に、近所の少女が歌をプレゼントします。
その歌の題名が「ヒナギクの歌」。死を悼み、悲しみを共有しようとする少女に、幾分か婦人の心は救われたかもしれません。
「あなたと同じ気持ちです」は、悲しみを共有しようとした優しい少女の話が由来となっているようです。
妖精・ベリデスと果樹神・ベルタムナス
森の妖精・ベリデスが1人でダンスを楽しんでいたところ、果樹神・ベルタムナスが通りかかります。
ベリデスの美しさに心を奪われたベルタムナスは、ベリデスを捕まえることにしました。いきなり知らない男性に追いかけられ、恐怖心にかられたベリデスは逃げ惑います。
執拗に追いかけるベルタムナスから逃げたいと、ベリデスは神に願いました。神はベリデスの気持ちを受け入れ、可愛らしい花(デージー)に姿を変えてあげました。
怖いのは、このベルタムナスという男性。被害者はベリデスだけではなく、ベルタムナスに気に入られて追いかけられ、追い詰められて花に姿を変えた女性はたくさんいるとのこと。
「あなたと同じ気持ちです」は、ベリデスと同じように花に姿を変えられた女性たちの心を表したものかもしれません。
花言葉を添えて花束に!ヒナギク(デイジー)の種類
花色、花の大きさ、咲き方など、種類が豊富なヒナギク。自分好みのヒナギクを見つけるのが1番ですが、迷った時には人気の品種から選ぶ方法もおすすめですよ。
花言葉「希望」 大輪咲き・チロリアンデイジー
ヒナギクの中でも知名度が高いチロリアンデイジー。花径・5cmの大輪咲きなので花束にもピッタリ。全体の花言葉「希望」を添えて、新しい門出を迎える人にプレゼントしてあげましょう。
花言葉「無邪気」コンパクトな花・イングリッシュデイジー
花径2cmほどの白くてコンパクトな花を咲かせるイングリッシュデイジー。花言葉は「無邪気」です。見る人の心を癒す可愛らしい花ですので、家庭や職場、学校など人が集まる場所に飾ってみてはいかがですか?
花言葉は「幸福」 爽やかな青・ブルーデイジー
爽やかな青~紫色の花色と、黄色の花芯のコントラストが美しいブルーデイジー。花言葉は「幸福」です。幸せになって欲しい人の誕生日や母の日の贈り物におすすめです。
ブルーデイジーは、ヒナギク属ではなくルリヒナギク(フェリシア)属です。ツマジロヒナギクも「ヒナギク」とついていますが、ライア属です。
この他にも、ユリオプスデイジー(ユリオプス属)、リビングストンデイジー(ドロテアンズス属)などもヒナギク属ではありませんが、同じキク科の仲間になります。
ヒナギク(デイジー)・ガーベラ・マーガレットの違いは?
ヒナギクと似ている花といえば、ガーベラとマーガレット。見分けがつかない方も多いのではないでしょうか。それぞれの花の特徴と花言葉、ヒナギクとの違いは次のようになります。
花言葉は「常に前進」ガーベラ
- キク目・キク科・ガーベラ属
- 開花時期:4月~10月
ヒナギクと同じく、カラーバリエーションが豊富で観賞期間が長いガーベラ。花言葉は「常に前進」「希望」です。ヒナギクの開花時期が終わった頃に咲き出し、花びらが太いのが特徴です。
花言葉は「恋占い」マーガレット
- キク目・キク科・マーガレット属
- 開花時期:3月~5月
白の印象が強いのですが、品種によってピンクや黄色の花を咲かせるマーガレット。花言葉は「恋占い」です。ヒナギクよりも葉の数が多く、草丈も大きめ。花びらが楕円形に近い形をしています。
ヒナギク(デイジー)の育て方・水やり・管理方法
それではヒナギクの育て方に移りましょう。上手に育てれば、長い期間開花が楽しめますよ。
植え方
種から育てることもできますが、より確実に育てるためには苗を植え付ける方法がおすすめです。植え付け適期は、9月下旬~11月上旬まで。気温が下がる前には、植え付けを終わらせましょう。
【鉢・プランターで育てる方法】
草花専用の培養土を使用します。日中は日当たりが良く北風が避けられる場所で、夕方~翌朝は霜が避けられる場所で管理しましょう。
【庭植えで育てる方法】
腐葉土を混ぜ込んでから植え付けます。場所は日当たりが良く北風と霜が当たらないところがベストですが、難しい場合は腐葉土や藁などで株元をマルチングしてください。
鉢植え・プランター、庭植え共に、元肥として緩効性肥料を与えると株が育ちやすくなります。
水やり
鉢植え・プランターの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。開花期間中は多めに与えることを意識しましょう。
庭植えの場合、植え付けてから2~3週間ほどは毎日与えてください。根付いたあとは、降雨だけで大丈夫です。
開花期間の管理・肥料など
開花期間中は1週間~2週間に1度、液肥を与えると花付きが良くなります。花が終わったら花茎の付け根から切り落としましょう。
もともとヒナギクは多年草なのですが、日本の気候では夏越しは不可能に近いため一年草扱いされています。翌年も花を咲かせたい場合は、新しい苗を購入することをおすすめします。
ヒナギク(デイジー)の特徴・名前の由来・誕生花
最後は、ヒナギクの基本情報です。英語名や誕生花、名前の由来なども紹介します。
基本情報・英語名
目・科・属 | キク目・キク科・ヒナギク属 |
和名・英語名 | ヒナギク、雛菊・Daisy(デージー、デイジー) |
別名 | チョウメイギク(長命菊)、エンメイギク(延命菊) |
開花時期 | 12月~5月 |
花色 | 白、赤、ピンク、青、紫、黄、オレンジ、複色など |
原産国 | 地中海沿岸(ヨーロッパ) |
ヒナギクはいつの誕生花?
ヒナギクが誕生花に当てられている日にちは、1月9日、1月12日、1月27日、2月15日、3月4日、3月5日、3月6日、3月10日、3月12日、3月17日、5月27日、5月29日、9月10日です。
また、赤いヒナギクは3月17日、白いヒナギクは1月4日、紫のヒナギクは1月27日の誕生花に当てられています。
名前の由来・別名は?
ヒナギクは「菊のような小さな(ヒナ・雛)花」が由来となり、ヒナギク(雛菊)と名付けられました。
デージーの名前は「Day’s eyes(デイズ・アイ)」が語源。日光を感じると花を開き、日が沈むと花を閉じる性質が由来となっています。
また、別名の「長命菊」「延命菊」は、冬から春にかけて長い期間花が楽しめることが由来です。