水に濡れると花びらが透明になる神秘的な花、サンカヨウ。
本州中部以北の山などに生息しているサンカヨウは、春から初夏にかけて花径2cm程度の白くて可愛らしい花を咲かせます。
雨などの水に濡れた時にだけガラス細工のような透明な花に変化し、その美しい姿に多くの人が魅了されているんですよ。
ここではサンカヨウの花言葉や育て方、サンカヨウの特徴などについて紹介していきます。神秘の花・サンカヨウの魅力をたくさん味わってくださいね。
サンカヨウの花言葉
それでは早速、サンカヨウの花言葉を紹介します。
雨に濡れると透明になる花・サンカヨウの花言葉
サンカヨウの花言葉 | 清楚な人、親愛の情、幸せ、自由奔放 |
サンカヨウの花言葉は「清楚な人」「親愛の情」「幸せ」「自由奔放」です。
「清楚な人」「親愛の情」の花言葉の由来
サンカヨウの花は、6枚の白い花びらと黄色い雄しべ、黄緑色の雌しべから成りたっています。
いたってシンプルな花ですが、その姿は「清楚」であり、「親しみ」を感じますよね。「清楚な人」「親愛の情」という花言葉は、花の容姿や様子が由来となっているようです。
「幸せ」の花言葉の由来
サンカヨウの一番の特長である「透明になる」という生態ですが、残念ながら雨の日はいつでも透明になる訳ではありません。
条件が揃わないと透明にはなりませんので、その姿を見られた時は「ラッキー(幸せ)」だといえます。これが「幸せ」という花言葉の由来のようです。
「自由奔放」の花言葉の由来
サンカヨウの花は透明になったりならなかったり、乾いたら白色に戻ったりします。このような様子に「自由奔放」という花言葉がつけられたのかもしれません。
神秘的な花、サンカヨウ。どのような条件が揃えば透明になるのか、またどこに行けば見ることができるのでしょうか。
オリジナルキャッチコピー
水の雫に姿を溶かし 山紫水明の彩りを映し出す
類似の花言葉を持つ花はこちら
6月/6月21日/「幸せ」を意味する花言葉を持つ花/「愛」を意味する花言葉を持つ花/「自由」を意味する花言葉を持つ花/ガーデニングに使いたい花/白い花の花言葉/野原で観察したい花/
花言葉に関する逸話「自由な花?サンカヨウの不思議」
水に濡れると花びらが透き通り、まるでガラス細工の花のように繊細な姿に変わるサンカヨウ。なぜこのような現象がおきるのでしょう?
サンカヨウが透明になる条件とは?
サンカヨウが透明になる条件は「ゆっくりと水に濡れ続けること」です。霧吹きやホースでサッと水を掛けても透明にはなりません。
サンカヨウの葉っぱは透明になる?実は?
サンカヨウが透明になるのは花びらだけで、葉っぱは透明にはなりません。
また、サンカヨウは夏の終わりに紫色の食べられる実を付けるのですが、これも透明にはなりません。
透明になる理由や原因は?
サンカヨウが透明になる理由や原因には様々な説があるようです。「光を吸収・散乱しなくなるから」という説が濃厚のようですが、はっきりとは分かっていません。
清楚で自由な花・サンカヨウ
長時間水に濡れたときにだけ、花びらが透明になるサンカヨウ。必ずしも透明になるとは限らないところが自由奔放ともいえますし、神秘的とも取れます。
普段生活しているうえでは、あまり見かけることがありません。山や植物園、山野草を育てている自然園などに出掛けたときには、ぜひ探してみてくださいね。
神秘的な花・サンカヨウはどこで見られる?
サンカヨウはどこで見ることができるのでしょうか?サンカヨウが自生している日本各地の有名スポットをピックアップしてみました。
なお、開花時期は気象状況によって変動しますので充分ご注意ください。
サンカヨウが見られる場所1.大山(鳥取県)
鳥取県にある名山、大山(だいせん)。サンカヨウは大山の山系である烏ヶ山や鳥越峠などで見ることができます。おすすめの時期は5月中旬です。
サンカヨウが見られる場所2.六甲高山植物園(兵庫県)
兵庫県神戸市・六甲山の山上にある六甲高山植物園では、4月中旬あたりからサンカヨウが咲き始めます。
サンカヨウが見られる場所3.籾糠山(愛知県)
愛知県・籾糠山(もみぬかやま)の登山道や天生湿原で見ることができます。時期は6月上旬~中旬です。
サンカヨウが見られる場所4.栂池自然園(長野県)
長野県にある高層湿原・栂池(つがいけ)自然園、または栂池の森は、6月~7月に開花することが多いようです。
サンカヨウが見られる場所5.泉ヶ岳(宮城県)
宮城県仙台市の自然公園船形連峰のひとつである泉ヶ岳。サンカヨウが見られるのは、5月~6月になります。
サンカヨウが見られる場所6.尾瀬(栃木県・福島県・新潟県・群馬県)
栃木県・福島県・新潟県・群馬県にまたがる尾瀬国立公園。6月上旬~中旬の間、湿原ではなく森林帯の中で見ることが出来るようです。
花言葉を添えてサンカヨウを贈ろう
神秘的な花を咲かせ、とても素敵な花言葉を持つサンカヨウ。しかし、あまりメジャーな花ではないため、店舗によっては取り扱っていないところもあるようです。
サンカヨウは花屋で購入できる?
サンカヨウの花は長持ちしないため、花束やフラワーアレンジメントには不向きです。贈り物にする場合は、サンカヨウの鉢植えがベストだといえます。
ポット苗で売られていることが多いので、ギフトにする場合は素焼き鉢などに植え替えてから渡すようにしましょう。
ただし、地域によってはサンカヨウが育たないところもあります。詳しくは次章「サンカヨウを購入する時に注意したいこと」を参考にしてください。
サンカヨウを購入する時に注意したいこと
サンカヨウは、涼しい地域に自生している花です。本州中部以西の暖かい地域では育ちにくい傾向にあるので注意しましょう。
また、サンカヨウの種は入手が困難です。自宅で育てる場合は、苗の購入をおすすめします。
サンカヨウの育て方・水やり・肥料
サンカヨウの植え付け時期、水やり方法、肥料について説明します。
サンカヨウの苗を植える時期
サンカヨウを苗の植え付けは、4月~9月に行いましょう。
鉢植えで育てる場合は、苗が入っていたポットよりも一回り大きなサイズの鉢に植え替えます。
庭植えする場合は、直射日光を避けた通気性の良い場所がおすすめです。木の根元や、日光が届きにくい軒下などがよいでしょう。
サンカヨウの水やり
鉢植えの場合は、春と秋は1日に1回、夏場は1日に2回程度、冬場は少なめに(土の表面が乾いたら)与えるようにしましょう。
地植えで育てる場合は、根が張るまではしっかりと与えてください。根付いたあとは雨の水だけで大丈夫ですが、日照りが続いたら水やりを行うようにしましょう。
サンカヨウの肥料
鉢植え・地植え、どちらの場合も、寒さが和らいできた3月頃に緩効性肥料を与えてください。
サンカヨウの開花・収穫
気候にもよりますが、サンカヨウは5月~7月に開花します。花が終わったあと(初夏~夏)には、紫色の甘い実が収穫できます。
サンカヨウの特徴・名前の由来・誕生花
最後に、サンカヨウの特徴や漢字表記、誕生花や名前の由来を紹介します。
サンカヨウの基本情報・漢字
目・科・属 | キンポウゲ目・メギ科・サンカヨウ属 |
和名、漢字、英語名 | サンカヨウ、三荷葉、umbrella leaf |
開花期 | 5月~7月 |
原産地 | 日本、サハリン州 |
サンカヨウはいつの誕生花?
サンカヨウが誕生花として当てられている日にちは、6月21日です。
サンカヨウの他にも、ツキミソウやマツヨイグサ、アスチルベなどが6月21日の誕生花に当てられています。
サンカヨウの名前の由来
サンカヨウを漢字で書くと「山荷葉」。荷要にはハスの葉という意味があり、サンカヨウの葉がハスに似ていることから「山の荷葉=サンカヨウ」という名前になったそうです。