花言葉

ショウブ(花菖蒲と菖蒲)の花言葉の意味・由来・誕生花

梅雨に紫や白やピンクなどの美しい花を咲かせるハナショウブ。アヤメやカキツバタと花が似ているように、ハナショウブはアヤメの仲間です。

また、ショウブと言えば、端午の節句に「菖蒲湯」として用いられますが、菖蒲湯に利用するショウブと花の美しいハナショウブは全くの別種だとご存じでしたか?。

この記事では、そんなショウブの花言葉や特徴、またその由来や逸話などもご紹介します。

ショウブ(花菖蒲と菖蒲)の花言葉


それではさっそくショウブの花言葉を見ていきましょう。ショウブには花の美しいハナショウブと菖蒲湯に利用するショウブがありますが、それぞれ別の花言葉がつけられています。

ハナショウブの代表的な花言葉は「優しさ」「伝言」

ハナショウブの花全般の花言葉 優しい心、あなたを信じる、優しさ、心意気、優雅、伝言、信頼、忍耐、諦め、情熱

ハナショウブの花全般をあらわす言葉には、「優しい心」「伝言」などがあります。

ショウブの代表的な花言葉は「適合」「勇気」

ショウブの花全般の花言葉 適合、勇気、嬉しい知らせ

ショウブの花全般をあらわす言葉には、「適合」「勇気」などがあります。

ハナショウブ(花菖蒲)の花言葉は怖い?

ショウブの花言葉について、怖い花言葉や不吉な花言葉があるという話がありますが、調べたところ、ハナショウブにもショウブにも特に怖い花言葉はありませんでした。

唯一、別種で黄色い花を咲かせる「キショウブ」には「復讐」という意味があります。贈り物にするにはためらうような、怖い花言葉ですね。

ハナショウブの花のオリジナルキャッチコピー

梅雨空の下に江戸の紫、雨にかすんで艶やかに。

類似の花言葉を持つ花はこちら

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ハナショウブの花言葉に関する逸話


ハナショウブの花言葉の由来や逸話は、花言葉ごとにいくつかあります。

「伝言」アヤメの仲間全般につけられた花言葉で、学名のIrisがギリシャ神話の虹の女神であることに由来。イリスが神々の使者であることから、「伝言」という花言葉の元となりました。

「優しい心」「優雅」という花言葉は、ハナショウブの姿にちなみます。「優しい心」は、優しい色合いの花びらが、奥ゆかしく垂れ下がるように咲くことに由来。「優雅」は、凛と伸びた茎の先端に咲く優美で美しい花の姿から来ています。

「心意気」「情熱」に通じるこんな逸話もあります。

鵺退治をしたことで名高い平安時代の武将、源頼政は、鳥羽院から褒美に「菖蒲御前」という美女を賜ります。もともと菖蒲御前は鳥羽院の女房で、頼政が一目ぼれして、手紙を送り続けていた女性でした。

鳥羽院は、菖蒲御前と他の2人の女性に同じ着物を着せ、頼政に、この中から本物の菖蒲御前を選ぶように言います。困った頼政は和歌を詠みます。

「五月雨に 沼の石垣水こえて いずれかあやめ 引きぞわずらふ」
意訳:私の想いが水のようにあふれてしまい、どれがアヤメ(菖蒲)なのか引き抜くのをためらって病になりそうです。

鳥羽院はこの歌に感激されて、頼政は菖蒲御前を妻にすることができました。また、この逸話は「いずれ菖蒲か杜若」ということわざの元となったとされます。

ハナショウブと菖蒲湯に入れるショウブの違い


葉姿が似ている「ハナショウブ」と「ショウブ」。実は両者はハナショウブがアヤメ科、ショウブがショウブ科に属する、全くの別種なのです。

江戸時代に盛んに栽培された園芸品種ハナショウブの歴史

アヤメの仲間のうち、ハナショウブは歴史が新しく、野生のノハナショウブを交配させて盛んに園芸品種が作られるようになったのは江戸時代です。

今も葛飾区には「堀切菖蒲園」と言う駅名が残るように、江戸中期に花菖蒲園が開かれて名所となりました。歌川広重をはじめとする多くの絵師によって、浮世絵にも描かれています。

●ハナショウブの特徴(詳細は最終項に記載)
目・科・属:キジカクシゲ目・アヤメ科・アヤメ属
学名:Iris ensata
花の特徴:三枚の内花被片と垂れ下がる三枚の外花被片が特徴。外花被片の中央部に黄色い斑紋が入る

ショウブの特徴と菖蒲湯の歴史

ショウブ科に属する水辺植物。中央部の高い扁平な葉が特徴。花は穂状で目立たず、学名の「Acorus」は「美しくない」という意味。

刀のような葉と爽やかな香りが邪気を払うとされ、奈良時代に、端午の節句にお風呂に入れる習慣が始まりました。武士の時代には「勝負」に通じるため、魔除けとして軒先に吊るす事や「菖蒲湯」が定着。古くから漢方薬にも利用されます。

●ショウブの特徴
開花期:5月~7月
目・科・属:ショウブ目・ショウブ科・ショウブ属
学名:Acorus calamus
花の特徴:穂状の花序に細かい花を一面につける
別名:ニオイショウブ(匂菖蒲)、カオリショウブ(香菖蒲)、ハショウブ(葉菖蒲)、ハクショウ(白菖)

よく似ているアヤメの仲間の特徴と花言葉


ハナショウブによく似た花を咲かせ、多くの種類を持つアヤメの仲間の特徴と花言葉を集めてみました。

アヤメ、カキツバタの特徴と花言葉

●アヤメ
開花期:5月
花の特徴:外花被片の中央部に網目斑紋が入る。
花言葉:優雅な心、嬉しい知らせ、神秘的な人

●カキツバタ
開花期:5~6月
花の特徴:外花被片の中央部に白い斑紋が入る。
花言葉:幸運は必ず来る、贈り物、音信

ヒオウギアヤメ、イチハツ、シャガの特徴と花言葉

●ヒオウギアヤメ
古く宮中で貴族に使われた檜扇(ヒノキの薄板を重ねて作られた扇)に葉の様子が似ていることが和名の由来。同じアヤメ属のヒオウギ(檜扇)とは全くの別種なので注意。

開花期:7月~8月
花の特徴:外花被片の中央部に黄色と紫の網目斑紋が入る。
原生地:中部地方以北の高山の湿地、アラスカ以西の北太平洋地域
花言葉:物思い、セレナーデ

●イチハツ
火事を防ぐと言われ、茅葺屋根の上に植える風習がありました。アヤメの仲間で一番最初に咲くことから「一初」の名があります。

開花期:5月
花の特徴:外花被片の中央部に白い鶏冠状の突起がある。
原生地:中国(帰化植物)
花言葉:使者、知恵、火の用心

●シャガ
日本各地の湿った森林でよく見かけるシャガ。日陰でも美しい花を咲かせ、大きな群落を作ります。

開花期:4月~5月
花の特徴:外花被片の中央部に濃い紫と黄色の模様が入る。
原生地:中国(帰化植物)
花言葉:反抗、決心、清らかな愛

ハナショウブの種類・育て方


耐寒性・耐暑性が高く、湿った土地から一般の花壇まで幅広く育てられるハナショウブは、初心者にも優しい育てやすい花です。

開花の時期

ハナショウブの開花時期は、6月です。

ハナショウブ(花菖蒲)の種類

●江戸系
日本の栽培品種の基礎となった品種。八重咲き、玉咲き、奇数花など、品種数が豊富。菖蒲園での鑑賞向けに、花びらが水平に広がる平咲きが多いのが特徴です。

●伊勢系
伊勢松阪で室内鑑賞向きに作られた品種。ちりめんのような深く垂れた花びらが特徴。「イセショウブ」の名で三重県指定天然記念物指定

●肥後系
熊本県で室内鑑賞向きに栽培された品種。大型で豪華な花が特徴。「満月会」によって門外不出が維持管理されています。

●長井古種
山形県長井市で発見された品種。原種に近い味わいがあるのが特徴。ほっそりとスマートでありながら、野性味があり、花色も豊富で人気を集めています。

ハナショウブの育て方

●植付け
時期・・・苗の植え付けは、真夏か真冬以外が適期。
陽のよく当たる、極端に乾燥しない場所に植えます。

●土・肥料
土・肥料
一般の草花向け培養土を使うと簡単です。
植え付ける時は料は少なめに、十分に根づいてから与えます。秋の涼しくなった頃の追肥は大切で、この時期に充分株を太らせると、翌年も良い花が咲きます。

●水やり
乾燥すると良い花が咲かないため、蕾の時期と開花中は充分な水やりをします。
鉢植え・・・水をためた容器に鉢を入れて、水がなくならないように気を付けます。

ハナショウブを育てるポイントは?

日当りの良いやや湿った場所に植えること!

秋には必ず肥料を与えましょう。

・連作障害を起こすので、2~3年に1回は植え変えること。

冬咲きや黄花など変わり種の菖蒲の仲間


菖蒲の仲間は、初夏に紫や白の花を咲かせるものがほとんどですが、中には秋冬に咲くものや、黄花を咲かせるものがあります。

冬に咲くカンザキアヤメの花言葉

その名の通り寒い時期に咲く背丈の低いアヤメです。乾燥に強く、育てやすいことから人気が高まっています。

●カンザキアヤメの特徴・花言葉
開花期:11月~3月
原生地:地中海沿岸、西アジア
花言葉:信じる者の幸福、良い便り、思慮深い

黄色い花を咲かせるキショウブの花言葉

明治期に日本に渡来し各地の湿地で野生化した帰化植物。環境省「要注意外来生物」指定。

●キショウブの特徴・花言葉
開花期:5月~6月
原生地:西アジアからヨーロッパ
花言葉:復讐、友情、信じる者の幸福

花菖蒲の特徴や別名・英語名・花の名の由来


ハナショウブの花の基本情報です。

基本情報

目・科・属 キジカクシゲ目・アヤメ科・アヤメ属
学名 Iris ensata
和名 花菖蒲
別名 玉蝉花
英名 Japanese water iris
開花の季節 6月
原産地 中国、朝鮮半島、日本(ノハナショウブ)

参考:Wikipedia ハナショウブ より

誕生花と名前の由来

ハナショウブの花が誕生花として当てられている日付はこちらになります。

5月5日、5月10日、5月31日、6月8日の誕生花

ハナショウブ(花菖蒲)の花の名前の由来

  • ショウブ科のショウブと似た葉を持ち、花が美しいことからハナショウブと呼ばれるようになりました。
  • ショウブ科のショウブは中国名「白菖」ですが、生薬を「菖蒲根」ということから、間違えて「菖蒲=しょうぶ」と名付けてしまったといわれます。

以上が、ハナショウブの花の名前の由来です。