春の季節に、輝くような美しい黄金色の花を咲かせる山吹(ヤマブキ)。「山吹色」という色名は、山吹の花の色が語源になっているんですよ。
暑さにも寒さにも強く、丈夫で育てやすいという特長を持ち、昔から庭木として愛されている山吹は、花言葉も縁起が良くとても魅力的。ぜひお庭に植えてみてはいかがですか?
山吹の花言葉とその由来、育て方や品種などを紹介します。
山吹の花言葉
ではさっそく、山吹の花言葉を紹介しましょう。
縁起が良い!山吹の花言葉
山吹の花言葉 | 崇高、気品、金運、旺盛、待ちかねる |
山吹の花言葉は「崇高」「気品」「金運」「旺盛」「待ちかねる」です。それぞれの由来は、次のようになります。
山吹の花言葉①「崇高・気品・金運」
明るい黄金色の花色を持つ山吹。花色から気高さや富、小判やお金が連想されることが由来となり「崇高」「気品」「金運」という花言葉が付けられました。
山吹の花言葉②「旺盛」
山吹の成長は非常に早く、次から次に新しい枝を出しながらどんどんと成長していきます。花言葉「旺盛」は、生命力に溢れている山吹の様子が表されています。
山吹の花言葉③「待ちかねる」
ほぼ同時期に咲く桜は花が終わってから葉が出てきますが、山吹は葉が出揃わないと花が咲きません。なかなか花を咲かせない様子が由来となり「待ちかねる」という花言葉が付けられました。
オリジナルキャッチコピー
山を染める黄金色 種は無くとも心は錦
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3月/3月28日/3月29日/3月4日/4月/4月25日/4月30日/4月7日/4月9日/5月/5月16日/5月28日/5月4日/オレンジの花の花言葉/ガーデニングに使いたい花/友人の日頃のプレゼントに贈りたい花/庭に植えたい木/記念樹にしたい木/誕生日のお祝いにピッタリな花/
花言葉に関する逸話「貧しさを表す山吹」
「崇高」「気品」「金運」という縁起の良い花言葉を持つ山吹ですが、実は逆の意味を表す古歌が存在するんですよ。
八重咲の山吹が意味すること
これは室町時代の武将・太田道灌がまだ若かった頃の話です。
ある日、山に出掛けた道灌は突然の雨に遭遇します。道灌は雨除けの箕(みの)を借りようと近くの小屋を訪れました。
「箕を貸して欲しい」
小屋にいた女性にそう告げると、女性は申し訳なさそうに八重咲きの山吹を盆に入れ、道灌に差し出しました。
意味が分からず、また箕を貸してもらえなかったことに怒った道灌はさっさと小屋を後にします。
帰宅した道灌が家臣にその話をすると、家臣は「八重咲の山吹には実が実らないんですよ」と言い、ある古歌を教えました。
「七重八重花は咲けども 山吹の実のひとつだになきぞ悲しき」
この古歌が意味するのは、豪華な花を咲かせる七重や八重の山吹も「実がならない」という悲しさを抱えているということ。
家臣は「きっとその女性は“箕”と“実”をかけて「お貸しする箕がない悲しさ(貧困)」を伝えたかったのでしょう」と道灌に告げたのでした。
自分の勉強不足を恥じた道灌は熱心に和歌を学ぶようになり、その後は立派な歌人へと成長しました。
山吹の種類にはどんなものがある?
山吹の種類は少なく、一般的に流通しているものは主に3種類です。
- 一重咲き…一般的な山吹です。
- 八重咲き…八重咲の花が咲きます。実(種)がみのりません。
- 斑入り…葉に斑が入っています。花が無い時期は葉の観賞が楽しめます。
花言葉も一緒に!山吹の楽しみ方
輝くような色彩を放つ山吹の花。自宅の庭だけで楽しむのはもったいないですね。切り花や生け花にしてお家の中でも楽しみましょう。
切り花や生け花を長持ちさせる方法
山吹に限らず、花を切り花や生け花で楽しむ場合は「水切り」をすると、花が長持ちしますうよ。
【水切りの方法】
- バケツや洗面器などに水を張り、茎の切り口を浸します。
- 水の中で茎を3cmほど切り落とします。茎の中の導管を潰さないよう、なるべくスパッと切り落としましょう。
- 素早く花瓶や花器に移しましょう。
山吹に似ている花と花言葉
山吹に似た花を咲かせる植物を集めてみました。それぞれの特徴や花言葉、開花時期などを紹介していきます。
花言葉は「細心の注意」白山吹(シロヤマブキ)
樹形や花の形・葉の様子が山吹にそっくりな白山吹(シロヤマブキ)。文字通り、白い花を咲かせます。花言葉は「細心の注意」、開花時期は山吹と一緒で4月~5月になります。
花言葉は「すがすがしい明るさ」山吹草(ヤマブキソウ)
丸い4枚の花びらを重なり合わせながら咲く山吹草(ヤマブキソウ)。花言葉は「すがすがしい明るさ」、開花時期は4月~6月です。
花言葉は「叶えられた希望」レンギョウ
細長い花びらと、枝を埋め尽くすほどの花数が魅力のレンギョウ。花言葉は「叶えられた希望」です。開花期は3月~4月になります。
花言葉は「きらめき」ヒペリカム・ヒドコート
長い雄しべが特徴的なヒペリカム・ヒドコート(別名:大輪キンシバイ)。花言葉は「きらめき」です。6月~8月に開花し、花が終わった後には赤く可愛らしい実をつけます。
山吹を植える前に注意したいこと
山吹は耐寒性・耐暑性ともに強く、手をかけなくても新しい枝を出しながらどんどんと成長していきます。
低木なので樹高は1.5mほどで止まってしまいますが、株はどんどん大きくなり、横幅が2ⅿを超えるものもあるようです。
コンパクトに仕立てたい時には、花が終わったあとに剪定を行ってください。
山吹の育て方・水やり・管理方法
それでは山吹の育て方です。植え方、水やりや管理の方法を解説していきます。
山吹の植え付け・植え方
山吹の苗木の植え付けは、落葉期(2月下旬~3月、もしくは10月~11月中旬)に行います。植え付けに適している場所は、次のようなところになります。
- 水はけが良く、乾燥し過ぎない土壌
- 西日が当たらない日当たりが良い場所~半日陰
- 強風が当たらない場所
- 付近に植物が植わっていない場所(横に大きく成長するため)
あらかじめ腐葉土などを混ぜ込んで土を柔らかくしてから植え付けましょう。植え付けたあとは、水をしっかり与えてください。
山吹は日陰でも育ちますが、花付きが悪くなってしまいます。花をたくさん咲かせたいときには、なるべく日が当たる場所へ植栽しましょう。
山吹の水やり
植え付けてから3週間ほどは、毎日水を与えましょう。根付いた後は雨水だけで育ちますが、日照りが続くようなときは水を与えてください。
管理・剪定
山吹は成長するにつれ、株元から新しい枝を次々に出します。枝の寿命は3~4年になりますので、寿命が過ぎた枝は根元部分を15cmほど残して切り落としましょう。
剪定は、花が終わった5月下旬辺りが適しています。この時期を過ぎると翌年の花芽が付き始めますので、注意してください。
山吹の特徴・名前の由来・誕生花
最後に、山吹の基本情報、誕生花、名前の由来を紹介します。
山吹の基本情報・別名・英語名
目・科・属 | バラ目・バラ科・ヤマブキ属 |
和名 | 山吹(ヤマブキ) |
別名 | 面影草(オモカゲグサ)鏡草(オモカゲグサ) |
英語名 | Japanese Kerria |
開花期 | 4月~5月 |
原産地 | 日本、中国 |
山吹はいつの誕生花?
山吹が誕生花に当てられている日にちは、3月4日、3月28日、3月29日、4月7日、4月9日、4月25日、4月30日、5月4日、5月16日、5月28日です。
山吹の名前の由来は?
山吹の和名、別名、英語名、それぞれの名前の由来は次のようになります。
【和名:山吹】
「山吹」の名前の由来には、3つの説があります。
- 風で枝を揺らしながら山に咲いている姿から→「山振り」が由来
- 春に黄色の花を咲かせ、山を彩る姿から→「山春黄」が由来
- 蕗(フキ)の花の色に似た花を咲かせるから→「山蕗」が由来
【別名:面影草、鏡草】
「面影草」と「鏡草」は、思い合いながらも別離することになった男女が、お互いの姿を映した鏡を土に埋めたところ山吹が生えてきた…という物語が由来になっています。
【英語名:Japanese Keeria】
「Japanese Keeria(ジャパニーズ ケリア)」は、山吹の種を発見したスコットランドの植物採集家:William Kerr(ウィリアム・カー)にちなんで名付けられました。