花言葉

紫蘭(シラン)の花言葉の由来・意味・誕生花

「育てるのが難しい」といわれる蘭の中でも、非常に育てやすい性質を持つ紫蘭(シラン)。

凛とした美しい花、山野に自生するほどの生命力、相反する2つの魅力を持つ紫蘭に虜になる愛好者も多いようです。

紫蘭が持つ花言葉もまた「素敵な言葉」と「切ない言葉」、相反する2つの言葉に分かれていることを知っていますか?

紫蘭が持つ2種類の花言葉とその由来、紫蘭の種類や育て方など、紫蘭の魅力をたっぷりお届けします。

紫蘭の花言葉

まずは「素敵な言葉」と「切ない言葉」が並ぶ、紫蘭の花言葉を紹介します。

相反する紫蘭の花言葉

紫蘭の素敵な花言葉 美しい姿、楽しい語らい、変わらぬ愛
紫蘭の切ない花言葉 あなたを忘れない、薄れゆく愛、不吉な予感

紫蘭の素敵な花言葉には「美しい姿」「楽しい語らい」「変わらぬ愛」が、切ない花言葉には「あなたを忘れない」「薄れゆく愛」「不吉な予感」があります。

まずは素敵な花言葉の由来をみていきましょう。

  • 美しい姿…スッと伸びが茎と凛とした花。紫蘭の花の様子そのものが表現されています。
  • 楽しい語らい…群生した紫蘭が風に揺られる姿が、楽しくお喋りしているように見えることが由来です。

「変わらぬ愛」と、切ない花言葉は、あるギリシャ神話が由来となっているようです。詳しくは後述する「花言葉に関する逸話」で紹介します。

紫蘭は準絶滅危惧種

蘭と言えば繊細なイメージを持つ人も多いと思いますが、紫蘭は山野に自生するほど力強い生命力を持っています

しかし乱獲や自然環境の変化により自生数がどんどん減っており、現在では準絶滅危惧種に指定されるほどにまで減少しています。

自生している紫蘭を見かけても決して掘り起こしたりせず、優しく見守ってあげてくださいね。

オリジナルキャッチコピー

強さを隠し持つ凛とした美しさ 胸に秘めるは忘れられぬ恋 

類似の花言葉を持つ花はこちら

4月/4月17日/4月28日/5月/5月14日/5月17日/5月18日/5月31日/5月6日/6月/6月19日/6月22日/「切ない」意味の花言葉を持つ花/「別れ」を意味する花言葉を持つ花/「好き」という意味の花言葉を持つ花/「悲しい」意味の花言葉を持つ花/「愛」を意味する花言葉を持つ花/ガーデニングに使いたい花/ピンク色の花言葉/白い花の花言葉/野原で観察したい花/青い花の花言葉/

花言葉に関する逸話「ヒュアキントスの物語」

紫蘭の英語名は「Hyacinth orchid(ヒヤシンスオーキッド)」。悲しい花言葉は、ヒヤシンスに関するギリシャ神話が由来しています。

ヒュアキントスと赤いヒヤシンス

ギリシャ神話に登場する少年・ヒュアキントス。彼はとても美しい顔立ちをしており、男女問わず沢山の神に愛されていました。

ある日、ヒュアキントスと太陽神・アポロンが円盤投げをして遊んでいるところに西風を司る神・ゼピュロスが通りかかります。

2人の仲睦まじい姿に嫉妬したゼピュロスは、アポロンが円盤を投げた時に横風を吹かせて邪魔をしました。

方向性を失った円盤はヒュアキントスの頭に当たり倒れてします。急いで駆け寄ってきたアポロンの腕の中で、ヒュアキントスは命を落としてしまいました。

血が落ちた場所からは赤い花が咲き、その花にはヒュアキントスの名前をもじりヒヤシンスと名付けられました。

ヒヤシンスの花言葉は?

ヒヤシンスの花言葉は「悲しみ」「嫉妬」「ゲーム」そして「変わらぬ愛」。ヒヤシンスの花言葉もまた、このギリシャ神話が由来となっているようです。

ギリシャ神話では、神や人が植物に変化する話がたくさんあります。例えば月桂樹アネモネ水仙マリーゴールドなど…興味がある方はぜひ探してみてくださいね。

紫蘭は贈り物には不向き?切り花の性質

胡蝶蘭デンドロビュームシンビジウム…慶事に贈る蘭のギフトが高価格であるのに対し、手が届きやすい価格帯で売られていることが多い紫蘭。

しかし紫蘭の切り花は花持ちが悪く蕾も落ちやすいため、花束やアレンジには向いていません。

しかも慶事に使われる蘭と違い、紫蘭はギフト用の鉢花として売られることがほとんど無いようです。

紫蘭を贈る時には、苗を購入し、自宅で鉢に植え替え、ラッピングして贈る…という流れになることを覚えておきましょう。

紫蘭にはどんな品種がある?

「紫色の蘭」と書いて紫蘭なのですが、実は紫色以外の色もあるんですよ。紫蘭の種類を紹介します。

白花紫蘭(シロバナシラン)

白花紫蘭は、読んで字のごとく白い花が咲く紫蘭です。純白の花と緑の葉のコントラストが美しく、高級感に溢れています。

黄花紫蘭(キバナシラン)

透明感のある淡い黄色の花びらを持つ黄花紫蘭。リップ(唇弁)に入った赤の模様がアクセントになります。黄花小白笈(キバナショウハッキュウ)とも呼ばれています。

アマナ蘭

白~薄ピンクの花びら、赤と黄のリップ、アマナ蘭乙女チックな可愛らしさが魅力です。通常の紫蘭よりも花が小さく、茎も細い傾向にあります。

口紅紫蘭(クチベニシラン)

花びらは白~薄い紫、先端部にほんのり赤の模様が入っているのは口紅紫蘭です。口紅を付けたように見えることからこのような名前が付けられました。

野山で見かける四季の花と花言葉

野山には四季折々いろんな花が咲いています。良く見かけるあの花にはどのような花言葉が付いているのか、一緒に見てみましょう。

花言葉は「慎み」春の花・ツツジ

赤やピンク、白やオレンジなど様々なカラーで山野を彩るツツジ。庭木や盆栽、生け花などに使われることも多く、日本人にとって馴染み深い花木のひとつと言えるでしょう。花言葉は「慎み」です。

花言葉は「恨み」夏の花・弟切草(オトギリソウ)

鮮やかな黄色の花を元気いっぱいに咲かせる弟切草。秘薬の原料とされて使用されており、その秘密をバラした弟が兄に切られてしまった…という俗伝から「恨み」という花言葉が付けられました。

花言葉は「悲しんでいるあなたを愛する」秋の花・竜胆(リンドウ)

空を見上げるように咲く青紫の花、竜胆。花言葉「悲しんでいるあなたを愛する」は、群生しない性質を持つことが由来になっています。

花言葉は「自己愛」冬の花・水仙(スイセン)

秋から冬にかけ、野原や河川敷に咲き始める水仙。白や黄色の花が多いのですが、オレンジやピンクの園芸品種もあるんですよ。花言葉は「自己愛」です。

紫蘭の苗を植える前に留意したいこと

紫蘭の花を育てる前に、次のようなことに留意しましょう。

紫蘭の苗が出回る時期

紫蘭の苗が出回る時期は、2月~4月です。茎がしっかりと、葉が生き生きとしているものを選ぶようにしましょう。

鉢植え・庭植え、どちらで育てる?

紫蘭は鉢植え・庭植え(地植え)、どちらでも育てられます。それぞれの準備品は次のようになりますので、苗を購入する時に一緒に揃えてみてはいかがですか?

【鉢植えで育てる時の準備品】

  • 株よりも一回り大きな鉢
  • 鉢底に敷くネット、軽石
  • 蘭の培養土
  • 緩効性肥料

【庭植え(地植え)で育てる時の準備品】

  • 腐葉土
  • 緩効性肥料

紫蘭の育て方・水やり・越冬方法

紫蘭の苗の植え付け方・水やり・越冬方法など、基本的な育て方を説明します。

紫蘭の植え付け時期・植え方

紫蘭の苗の植え付けは4月~5月、もしくは9月~10月に行います。鉢植えの場合は緩効性肥料を、庭植えの場合は緩効性肥料と腐葉土を土に混ぜ込み、植え付けましょう。

紫蘭の水やり

紫蘭は水を好みますが、ある程度の乾燥には耐えられる植物です。鉢植えの場合は、土表面が乾いたらたっぷりと与えるようにします。鉢底に溜まった水は破棄しましょう。

庭植えの場合、雨の水だけでも大丈夫です。雨が少ない時期や猛暑期など乾燥が心配な時には水やりを行うようにしましょう。

紫蘭の越冬方法

耐暑性が強く、夏の暑さには耐えられる紫蘭ですが、耐寒性は若干弱い傾向があります。根が凍ると枯れてしまう恐れがあるので注意しましょう。

鉢植えで育てる場合は軒下など霜が当たらない場所へ移動させるか、屋内で管理します。庭植えの場合は、株の上に藁(ワラ)や腐葉土でマルチングして霜対策を取りましょう。

紫蘭の特徴・名前の由来・誕生花

最後は、紫蘭の基本情報です。英語名や誕生花、名前の由来なども紹介していきます。

紫蘭の基本情報・英語名

目・科・属 キジカクシ目・ラン科・シラン属
和名・英語名 紫蘭(シラン)・Urn Orchid、Hyacinth Orchid
開花時期 4月~5月
原産地 日本・台湾・中国

参照:Wikipedia シランより

紫蘭はいつの誕生花?

紫蘭が誕生花に当てられている日にちは、4月17日、4月28日、5月6日、5月14日、5月17日、5月18日、5月31日、6月19日、6月22日です。

紫蘭の名前の由来は?

紫蘭の名前は「紫色の花を咲かせる蘭」が由来です。白や黄色、ピンクなどの花を咲かせる紫蘭には品種名を付けることで通常の紫蘭との区別化を図っています。