庭木やシンボルツリーとして人気の月桂樹。葉は香辛料・ローリエ(ローレル)の原料になり、料理の香り漬けや風味付けに使われています。
そんな月桂樹には木・葉・花、それぞれに花言葉があり、木には名誉ある花言葉が、葉と花にはネガティブな花言葉がつけられていることを知っていますか?
ここでは月桂樹の木・葉・花、各々が持つ花言葉とその由来、育て方や管理方法などを紹介していきます。
月桂樹の花言葉
それではさっそく、月桂樹の木・葉・花、それぞれにつけられた花言葉を紹介します。
月桂樹の木・葉・花の花言葉
月桂樹の木の花言葉 | 栄光・勝利・名誉・栄誉 |
月桂樹の葉の花言葉 | 私は死ぬまで変わりません |
月桂樹の花の花言葉 | 裏切り・不信 |
月桂樹の木にはとても誇らしい花言葉がついているのに対し、葉と花には怖い印象を受ける花言葉が付けられています。
なぜ、このような花言葉になったのでしょうか?この由来については「花言葉に関する逸話」で詳しく解説するとして、まずは月桂樹の特徴を紹介します。
月桂樹は高木常緑樹
月桂樹は、年間を通して葉が茂ってる常緑樹です。クスノキ科に属しており、樹高10ⅿを超えるものも少なくありません。家庭で育てる時には、剪定を行い樹高を抑えましょう。
葉は香辛料・ローリエの原料に
月桂樹は、花よりも葉に利用価値がある樹木です。香辛料でお馴染みの「ローリエ」は月桂樹の葉を乾燥させて細かく砕いたものなんですよ。
月桂樹の花の時期と香り
月桂樹には雄木と雌木があり、雄木の花は雄しべがたくさん伸びて賑やかに咲き、雌木の花は雄しべが目立たず清楚な花が咲きます。
双方ともに開花時期は4月~5月になり、香りは強くなくほのかに香る程度です。
月桂樹に実はなるの?
月桂樹の花は雄木にも雌木にも咲きますが、月桂樹の実は雌木にしかなりません。
日本に植えられている月桂樹のほとんどは挿し木で増やされた雄木ですので、結実している月桂樹はなかなか見ることが出来ません。
オリジナルキャッチコピー
誇りと名誉、そして裏切り 誰にでもある表と裏
類似の花言葉を持つ花はこちら
10月/10月10日/12月/12月18日/12月9日/2月/2月28日/2月6日/4月/4月10日/5月/5月23日/「勝利」を意味する花言葉を持つ花/「裏切り」を意味する花言葉を持つ花/庭に植えたい木/結婚式やセレモニーで使いたい花/記念樹にしたい木/
花言葉に関する逸話「月桂樹にまつわる物語」
月桂樹の花言葉の由来は、ギリシャ神話とキリスト教の新約聖書に深く影響を受けているようです。それぞれの花言葉の由来となった物語を紹介していきます。
勝利と栄光のシンボル・月桂冠
ギリシャ神話の登場人物である太陽神・アポロン。アポロンは知・技・体を兼ね揃えた素晴らしい人物であり、そのアポロンの霊木とされていたのが月桂樹です。
アポロンを讃えて行われた祭儀「ピューティア大祭」の優勝者には月桂樹の冠・月桂冠が贈られる習わしがあり、これが由来となり「栄光」「勝利」「名誉」「栄誉」という花言葉が付けられたそうです。
アポロンとダフネの神話
同じくギリシャ神話に登場するキューピット・エロス。ある日エロスが弓矢で遊んでいたところ、弓の達人でもあったアポロンが「弓矢で遊んではいけない」と注意を促します。
それに気を悪くしたエロスは、2本の矢を放ちました。1本は恋に落ちる矢、もう1本は恋を拒む矢です。
恋に落ちる矢はアポロンに、そして拒む矢は近くにいた娘・ダフネに命中します。
たちまちアポロンはダフネに恋心を抱き、猛アプローチ。一方のダフネは激しく拒否し、アポロンから逃げ回りました。
ダフネは父親でもあり川の神でもあるペーネイオスの元に逃げ込み、自分を助けてくれるよう懇願します。
悲観したペーネイオスは、娘・ダフネを月桂樹の姿へと変えてしまいました。
アポロンは嘆き悲しみ、その月桂樹で冠を作り自分の頭に乗せました。そして「私の愛は変わらない」とダフネに誓うのでした。
「私は死ぬまで変わりません」という花言葉は、この神話が由来となっています。
黄色は裏切りの色?
イエス・キリストの弟子であったユダ。ユダは金銭欲に勝てず、敵対勢力にキリストを売ってしまいます。
キリストを裏切ったユダは裏切りの代名詞となり、ユダが黄色い服を着ていたことから、黄色=裏切りの色とされ、黄色の花にはネガティブな花言葉が多く付けられました。
月桂樹にも黄色の花を咲かせるものがあることから「裏切り」「不信」という花言葉がつけられています。
月桂樹の他にも、ネガティブな花言葉をつけられた黄色の花はたくさんあります。
- 黄色のバラ…嫉妬、愛情の薄らぎ
- 黄色のカーネーション…軽蔑
- 黄色の百合…偽り
- ひまわり…偽りの富
- マリーゴールド…絶望
※ネガティブでは無い花言葉を持っているものもあります。
月桂樹の葉・ローリエの利用方法
とても良い香りを持つ月桂樹の葉は、香辛料・ローリエの原料として料理に幅広く使用されています。
ここでは香辛料・ローリエの作り方と使用例、料理以外の使い方について紹介します。
香辛料・ローリエの作り方と利用方法
作り方は、とても簡単です。
- 月桂樹の葉を良く洗い、熱湯にサッとくぐらせる。
- ザルや干し野菜用ネットに重ならないように並べる。
- カリカリになるまで乾燥させると出来上がり。
乾燥させた月桂樹の葉・ローリエは、様々な調理に利用できます。
- カレーやポトフ、ブーケガルニなど煮込み料理の香り付けに
- 肉の臭み取りに
- 炒め物などの風味付けに
- 乾燥させて砕き、香辛料(ローリエ)に
季節を感じるリース作りに
料理以外の利用方法として、もっともポピュラーなのがリース作りです。
- 月桂樹の細い枝を長めに切断する
- 市販のリース台座に差し込んでいく
- 月桂樹と一緒に旬の花材を足していく
花材を変えることにより、季節に応じた素敵なリースが作成できます。
お風呂に入れて入浴剤に
月桂樹の葉は、入浴剤としても利用できます。葉をいくつかに分断し、布製の袋(もしくはお茶パックなど)に入れてお風呂に浮かべると、ほのかに香る月桂樹風呂が楽しめますよ。
月桂樹の他にも!人気の庭木と花言葉
月桂樹の他にも庭木として、またシンボルツリーとして選ばれている常緑樹はたくさんあります。おすすめの常緑庭木と花言葉を紹介しましょう。
花言葉は「平和」オリーブ
楕円形の優しい印象の葉が人気のオリーブ。花言葉は「平和」です。実は食用になり、ピクルスや塩漬けなどに利用できます。
花言葉は「偉大」シマトネリコ
涼し気な小さな葉が人気のシマトネリコ。花言葉は「偉大」です。耐寒性に弱いため、寒冷地では鉢植えで育てましょう。
花言葉は「用心深さ」ヒイラギ
トゲトゲした葉を持ち、魔除けや邪気払いの効果があるといわれているヒイラギ。花言葉は「用心深さ」です。冬に赤い実をつけます。
月桂樹の苗を購入する時に注意したいこと
月桂樹は苗から育てるのが一般的です。購入時には、次のようなことに気を付けてください。
月桂樹の苗の購入時期
月桂樹は、庭植えでも鉢植えでも育てられます。庭に植える場合は、植え付け期(4月か9月)に合わせて購入すると良いですね。
寒冷地は鉢植えがおすすめ
月桂樹はある程度の耐寒性は持っていますが、原産は地中海沿岸です。冬場の気温が-8℃を下回るような地域では、鉢植えで育てた方が良いでしょう。
月桂樹は大きく育ちやすい
月桂樹は、とても大きく育ちやすい木です。特に庭植えで育てる場合、剪定をしないと樹高が10ⅿを超えてしまうこともあります。
大きく育てたくない時には剪定を行い、樹形を整えてください。鉢植えの場合は、根詰まりをおこさないよう大きめの鉢で育てましょう。
月桂樹の育て方・水やり・管理方法
それでは、月桂樹の育て方を紹介します。
月桂樹の植え付け
月桂樹の植え付けは4月、もしくは9月~10月が適しています。日当たりと水はけが良い場所に腐葉土やたい肥などの有機肥料を混ぜ込んでから植え付けましょう。
苗木のうちは、強風などで倒れないよう支柱を立てることをおすすめします。
月桂樹の水やり
庭植えの場合、植え付けてから2週間ほどは毎日水やりを行います。しっかりと根が張った後は、水やりは不要です。
鉢植えの場合、土の表面が乾いたらたっぷりと与えてください。
月桂樹の管理
月桂樹の剪定は、春~秋(3月~11月)がおすすめです。
鉢植えで育てる場合は、2年~3年に1度、一回り大きな鉢に植え替えて根詰まりを防ぎましょう。植え替えに適した時期は、3月~4月です。
月桂樹の花が咲かないのはなぜ?
月桂樹の花が咲かない原因は、日光不足や花芽の成長不良などがあげられます。中には「数10年間育てて、やっと咲いた」というケースもあるようです。
月桂樹の特徴・名前の由来・誕生花
最後に、月桂樹の基本情報です。英語名や誕生花、名前の由来も紹介します。
月桂樹の基本情報・英語名
目・科・属 | クスノキ目・クスノキ科・ゲッケイジュ属 |
和名・英語名 | 月桂樹・Laurel、Bay Laurel |
開花期 | 4月~5月 |
原産地 | ヨーロッパ地方、地中海沿岸 |
月桂樹に別名はある?
月桂樹には、「月桂樹」「Laurel(ローレル)」以外にも、いくつかの別名があります。
- ローリエ(Laurier)…フランス語で月桂樹のこと。もしくは月桂樹の葉を乾燥させて細かく砕いた香辛料のこと。
- ベイツリー(Bay tree)…英語名「Bay Laurel」の異名
月桂樹はいつの誕生花?
月桂樹が誕生花として当てられている日にちは、2月6日、2月28日、4月10日、5月23日、10月10日、12月9日、12月18日です。
月桂樹の名前の由来は?
月桂樹の名前の由来は、中国の伝説の植物「月の桂(かつら)」から来ています。
明治時代にヨーロッパから日本に月桂樹が輸入されたとき、月桂樹が桂に似ていたことから「月の桂の木=月桂樹」と名付けられました。