春の訪れを告げる花として、春一番に黄色や白、紫などのかわいい花を咲かせてくれるクロッカス。球根植物のため育てるのもとても簡単で、春の花壇を彩るのに一役かってくれます。
そんなクロッカスですが、「紫色の花言葉が怖い」といわれています。その理由はなぜなのでしょうか…気になりませんか?
贈り物にするときには、出来るだけ花言葉の意味を知った上で贈りたいものですよね。
そこで今回は、クロッカスの花言葉や怖いといわれる理由、花言葉にまつわる悲しいギリシャ神話などをご紹介します。
クロッカスの花の花言葉
それではさっそく、クロッカスの花全般と色別花言葉をご紹介します。
クロッカスの花全般、色別の花言葉
クロッカスの花全般の花言葉 | 青春の喜び、切望、あなたを待っています、切実、裏切らないで |
クロッカスの花の海外での花言葉 | 「youthful gladness(青春の喜び)「cheerfulness(上機嫌、元気)」 |
白いクロッカスの花言葉 | 青春の喜び、あなたを待っています |
黄色のクロッカスの花言葉 | 私を信じて |
紫色のクロッカスの花言葉 | 愛の懺悔、後悔、不幸な恋 |
クロッカスの花全般の花言葉は、青春の喜びや切望、切実、あなたを待っています、裏切らないでというように、ポジティブな言葉とネガティブな言葉が同居しています。
クロッカスの花は早春に咲き始めるため、ヨーロッパでは昔から「春の訪れを告げてくれる花」とされています。人々が春の訪れを待ちわびる気持ちが、切望や切実という花言葉に由来しています。
また、春が訪れた後の嬉しい気持ちを「青春の喜び」といった花言葉として表現しているともいわれています。
クロッカスといえば黄色のイメージがありますが、黄色のクロッカスの花言葉「私を信じて」紫色のクロッカスの花言葉「愛の懺悔」「後悔」「不幸な恋」という花言葉は、切なく悲しいギリシャ神話に由来しています。
オリジナルキャッチコピー
早春告げる喜びの裏に 涙にぬれる悲しき愛の物語
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紫のクロッカスの花言葉に関する怖い逸話「恋する2人の物語」
クロッカスの花言葉はよく「怖い」といわれますが、それは悲しくも切ないギリシャ神話に由来しているのです。二つの説があるのでそれぞれご紹介します。
クロッカスとスミラックスの愛の懺悔
むかしむかし…美少年クロッカスは、偶然出会った羊飼い娘であるスミラックスと恋に落ちました。二人は深く愛し合い結婚を約束する仲にまで、発展していきました。
そしてとうとう念願かなって結婚しようということになり、神に誓いを立てたところ、神々は二人の結婚を認めることはありませんでした。
せっかくここまで愛をあたため育み、縁を紡いできたものをぶち壊されたクロッカスは、絶望して自ら命を絶ってしまったのです。
このことを知ったスミラックスも悲しみに暮れ、クロッカスの後を追うように死を選びました。この様子を一部始終見ていた花の女神フローラは、二人を哀れに思い、クロッカスとスミラックスを美しい花の姿に変えてあげました。
その花とは紫のクロッカスと、白い小さな花サルトリイバラでした。このような切ないギリシャ神話から、紫のクロッカス「愛の懺悔」という花言葉が生まれたのです。
また、「裏切らないで」「あなたを待っています」という花言葉は、スミラックスからクロッカスに向けての言葉や気持ちともいわれています。
このお話は、美少年クロッカスはそのままに、相手の娘のスミラックスがリーズという少女に変えられている話もあります。
こちらの場合は、結婚を認めなかったのは母親であり、二人を花に変えたのは愛の女神アフロディーテだといわれています。そして、リーズは青いアサガオに変えられています。
クローカスとヘルメス神の不幸な恋
オリュンポス十二神の一人ヘルメス神には、クローカスという大変美しい少年の婚約者がいました。二人がそろそろ結婚式を迎えるというときに、起こった悲劇が「不幸な恋」という花言葉に由来しています。
ある日、ヘルメス神とクローカスは、雪山に遊びに行き楽しい一日を過ごしました。しかし、クローカスをソリに乗せて慌てて帰ろうとしていた時に、突然激しい風に見舞われ、こともあろうかクローカスは谷底に落ちてしまいました。
ヘルメス神は必死にクローカスを探しまわり、ようやく見つけたときには、クローカスは冷たい体になっていたのです。暫く諦めきれなかったヘルメス神は、時間をおいて再び谷を訪れました。
そうするとどうでしょう!クローカスが血を流して倒れていた場所に、きれいな花が咲いていたのです。悲しみに暮れるヘルメス神は、クローカスへの愛の証として、この花に「crocus(クロッカス)」という名前をつけました。
悲しい意味を持つ花言葉はこんなにある!
紫のクロッカスの花言葉と同じように、悲しくネガティブな花言葉がつけられている花はいろいろあります。その中からいくつかセレクトしてご紹介しますね。
アネモネの花言葉は死別を意味する
アネモネの花言葉の中でも「見捨てられる」「見放される」「恋の苦しみ」「はかない恋」は、悲しい花言葉といえますね。この背景にはアネモネにまつわる悲しいギリシャ神話が関係しています。
愛の女神アフロディーテが恋したアドニスという美少年が、イノシシに殺されてしまった話から、アネモネの花言葉は死別を意味するといわれています。
チューリップの白と黄色の意外な花言葉
チューリップの色としてよく見られる赤やピンクは、恋にまつわるポジティブな花言葉がつけられています。しかし、白には「失われた愛」黄色には「望みのない恋」といった悲しい花言葉がつけられています。
ラベンダーの花言葉に隠された「疑惑」
ラベンダーのネガティブな花言葉には「疑惑」や「不信感」といった言葉があります。これはラベンダーの香りが異常に強いことから、「なぜこのような香りがするのか?」といった疑惑から生まれたとされています。
フリージアの花言葉の裏には嫉妬が関連している
紫のフリージアの花言葉は「憧れ」なのですが、これは見方によって嫉妬とも受け取れると思いませんか?紫のフリージアはあまり見かけることはありませんが、贈るときは意味を考えて贈る必要がありそうです。
サフランの花言葉英語の意味が怖い
サフランは英語の花言葉として「歓喜」「過度をつつしめ」「濫用するな」があります。これはサフランをスパイスとして過度に使用すると「人を酔わせる」と信じられていたことから由来されています。
ヒヤシンスの花言葉はネガティブなものが多い
ヒヤシンスの花言葉は、悲しいギリシャ神話が関係していて、全体にネガティブな花言葉が多いです。青いヒヤシンスは「変わらぬ愛」紫のヒヤシンスが「悲哀」黄色のヒヤシンスが「嫉妬」となっています。
クロッカスを水栽培でおしゃれに贈ろう!
クロッカスは球根植物なので、一度植えると毎年かわいい花を咲かせて楽しませてくれます。普通に土に植えてもいいのですが、実はクロッカスは水栽培が出来ます。
そこでここでは、水栽培の育て方とおしゃれな贈り方をご紹介します。
クロッカスの水栽培のやり方
- 9~11月頃に春咲きのクロッカスの球根が出回るので、購入したら2ヶ月以上冷蔵庫に入れる。(低い温度を体感しないと、花をつけない性質があるため)
- 水栽培用の容器にクロッカスの球根を置く。このとき球根が水に触れると腐りやすいので注意が必要。
- 根が出るまでは暗い場所で管理をし、発根したら明るい窓辺などにおいて芽が出るのを待つ。
水栽培のクロッカスをおしゃれに贈る方法
上記の方法で育てたクロッカスは春先になるとかわいい花を咲かせてくれるので、ひと手間かけて贈るのが素敵です。
- 色とりどりのクロッカスを、おしゃれなカゴにまとめて入れてリボンをつけて贈る
- 黄色や白のクロッカスをかわいくラッピングして、花言葉を添えて贈る
ひとつでも見栄えのする水栽培のクロッカスですが、ひと工夫しておしゃれに贈るとさらに喜ばれるでしょう。
春の訪れが待ち遠しい!クロッカスの育て方
クロッカスは土に植える方法でも簡単に花を咲かせるので、ガーデニング初心者さんでも育てやすい花です。育て方のポイントをご紹介しますね。
- 用土は市販の培養土か、赤玉土7:腐葉土3で配合する
- 球根の植え付けは4~5cmの間隔で、深さ3~4cm位の所に植える
- 水やりは土の表面が乾いているときだけ与え、湿っているときに与えると根腐れするので注意
- クロッカスの花が終わり葉が枯れるまでの間、カリ成分の多い肥料を追肥する
- 6月頃球根を堀り上げるまで、葉をつけたままにしておくことで、球根を太らせる
クロッカスの特徴や花の名前の意味・由来
それでは最後にクロッカスの基本情報と花の名前の意味・由来をご紹介します。
クロッカスの基本情報・漢字表記
目・科・属 | キジカクシ目・アヤメ科・クロッカス属 |
和名・洋名 | 春サフラン(春泪夫藍)、花サフラン(花泪夫藍)、Crocus |
開花時期 | 2~3月 |
原産地 | 地中海沿岸 |
クロッカスが誕生花となっているのはいつ?
クロッカスが誕生花として当てられている日にちは、1月3日、1月4日、1月5日、1月21日、1月26日、1月31日、2月6日、2月10日、2月14日、2月24日、3月9日、4月7日です。
クロッカスの名前の由来とは?
クロッカスの学名は「crocus」となっており、これはギリシャ語の「krokos=(糸)」という語源から由来しています。クロッカスのめしべが長い糸のような形をしていることから、この名前がつけられました。
その他、先述したヘルメス神と美少年クローカスの悲しくも切ないギリシャ神話も由来しています。亡くなってしまったクローカスの名前が、クロッカスという花の名前に由来しています。