初夏から秋にかけ、あでやかなオレンジ色の花を咲かせるノウゼンカズラ。茎はツタ性で、壁やフェンスなどに這わせればグリーンカーテンや目隠しとして利用できるんですよ。
猛暑にも負けない元気なノウゼンカズラは、花言葉も華やかなものばかり。しかしその由来は、少し切ない物語が隠されていることを知っていますか?
ここではノウゼンカズラの花言葉と切ない由来、オレンジ色以外の花を咲かせる品種や育て方などを紹介していきます。
ノウゼンカズラ(凌霄花)の花言葉
それではさっそく、ノウゼンカズラの花言葉を紹介します。
ノウゼンカズラの花言葉
ノウゼンカズラの花言葉 | 栄光、名声、名誉、女性らしさ、華のある人生、豊富な愛情 |
ノウゼンカズラの花言葉は、「栄光」「名声」「名誉」「女性らしさ」「華のある人生」「豊富な愛情」です。
それぞれの由来は、後述する「花言葉に関する逸話」で解説するとして、まずはノウゼンカズラの特徴から紹介していきます。
ノウゼンカズラはどんな花?匂いはある?
落葉性のつる性植物・ノウゼンカズラは、初夏から秋にかけてラッパ型の色鮮やかな花を咲かせます。花に匂いは無いので、香りが強い花の傍に植えても大丈夫です。
生育が旺盛でとても育てやすく、園芸初心者にもおすすめできる一方で、育ち過ぎて増えすぎてしまうケースも。毎年の剪定が必須となりますが、それを含めても夏の庭木として高い人気を誇っています。
オリジナルキャッチコピー
誰よりも上へ!青空に鳴らすファンファーレ
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花言葉に関する逸話「祝福と愛の花」
ノウゼンカズラの花言葉は、花の姿が由来となった言葉と、ノウゼンカズラの生態が由来となった言葉に分かれています。それぞれの由来を見てみましょう。
ファンファーレ!ノウゼンカズラ・祝福の花言葉
ノウゼンカズラの花の形は、ラッパのような形をしています。ラッパといえばファンファーレであり、ファンファーレといえば祝福です。
花の形が由来となり、「栄光」「名声」「名誉」といったおめでたい花言葉が付けられました。
たくさんの人と繋がりたい ノウゼンカズラ・愛の花言葉
西洋に伝わる伝説の中に、ノウゼンカズラに関する話があることを知っていますか?
その昔、鮮やかな花を咲かせるノウゼンカズラの姿に恋心を抱いた松の木。勇気を出して告白したところ、返事はOK。ノウゼンカズラは松の木に絡みつき、2人は仲良く過ごしました。
しかし、ノウゼンカズラは恋多き乙女。自由自在にツタを伸ばし、松の木以外の木にも絡みつき花を咲かせます。松の木は毎日不安な日々を過ごし、すっかり憔悴してしまいました。
この伝説が由来となり、付けられた花言葉が「女性らしさ」「華のある人生」「豊富な愛情」です。
ちなみに、松の木の花言葉は「同情」「憐み」。どうやら、この伝説が関係しているようですね。
ノウゼンカズラの人気の品種・種類
ノウゼンカズラといえば橙色(オレンジ色)が一般的ですが、現在では品種改良が進み赤や黄色、ピンクなどの花色も販売されています。その中から、特に人気のある品種をピックアップしました。
アメリカ・ノウゼンカズラ
通常のノウゼンカズラよりも花は小さめですが、濃いオレンジ~赤花をたくさん咲かせるアメリカ・ノウゼンカズラ。半日陰でもよく育ちます。
マダムガレン
花色が紅~赤の華美な花を咲かせるマダムガレン。ノウゼンカズラとアメリカ・ノウゼンカズラの交配種で、初夏~秋にかけて次々と花を咲かせる多花性が強い品種です。
チューチン・タカラヅカ
花色は赤、中心部は黄色、2色のコントラストが美しいチューチン・タカラヅカ。マダムガレンの一種であり、兵庫県宝塚市で作出された品種です。
コンテッササラ
ピンクの花に紫色の筋が入るコンテッササラ。耐寒性と耐陰性に弱い傾向にありますが、これまでにないピンクのノウゼンカズラは見ごたえがありますよ。
元気になれる!オレンジ色・橙色の花と花言葉
ノウゼンカズラの花だけでなく、オレンジ色(橙色)の花を咲かせる植物は多数あります。人気の花と、その花言葉を紹介します。
花言葉は「予言」マリーゴールド
深みのあるオレンジ色の花を咲かせるマリーゴールド。花言葉は「予言」です。4月~12月にかけて次から次へと花を咲かせるので、長い期間開花を堪能できます。
花言葉は「誠実」クンシラン(君子蘭)
ユリに似た上品な花・クンシラン。花言葉は「誠実」、開花時期は3月~5月です。花色は明るいオレンジ色で、花後には赤い果実を実らせます。
花言葉は「偽り」ホオズキ(鬼灯)
風船のように膨らんだ萼(ガク)と、その中にある丸い実。どちらも鮮やかなオレンジ色の印象が強いホオズキ(鬼灯)。花言葉は「偽り」、萼の観賞期間は7月~9月です。
花言葉は「心の平静」ナガミヒナゲシ
道の傍らやアスファルトの隙間など、雑草に紛れて咲くナガミヒナゲシ。花言葉は「心の平静」、開花時期は4月~5月です。繁殖力が強過ぎるため、駆除を勧める自治体もあるようです。
ノウゼンカズラを育てる前に知っておきたいこと
品種にもよりますが、ほとんどのノウゼンカズラは庭植えで育てます。鉢植えで育てたい場合は、小型の品種(チューチン・タカラヅカなど)を選びましょう。
また、ノウゼンカズラは生育が旺盛で、庭植えにするとどんどん伸びてしまいます。年に1度は剪定を行い、増えすぎないように気を付けましょう。
ノウゼンカズラの毒性について
ノウゼンカズラの密(汁)が目に入ると失明する…という噂を耳にしたことがありませんか?これは全くの誤りであり、ノウゼンカズラの密に毒性はありません。
ちなみに、ノウゼンカズラと似たラッパ型の花を咲かせるエンジェルトランペットは有毒植物です。アルカロイドという毒性のある成分が含まれていますので、口に含まないようにしてくださいね。
ノウゼンカズラの育て方・水やり・剪定
ノウゼンカズラの基本的な育て方を紹介します。水やりや剪定方法なども紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
ノウゼンカズラの苗の植え付け・植え方
ノウゼンカズラの植え付け期は、3月中旬~4月中旬。適した場所は、次のようになります。
- 日当たりが良い(日光が足りないと、蕾が落ちてしまいます)
- 水はけが良い
- ツタが絡む樹木やフェンスがある
ツタは明るい方向に伸びる傾向があります。太陽の軌道(日中の日当たり)を考えて配置してください。植え付ける前に腐葉土を混ぜ込み、植えた後は水をたっぷりと与えましょう。
ノウゼンカズラの水やり・肥料
苗を植え付けたあと、2週間程度は毎日水を与えましょう。根づいた後は雨の水だけで育つようになります。肥料は4月~5月に緩効性肥料を、翌年2月に寒肥を与えてください。
ノウゼンカズラの剪定方法
ノウゼンカズラの剪定は、花が終わった10月~2月に行います。花が咲いた枝の枝元から20cmほど上の部分をバッサリと切り落としましょう。
こうすることで増えすぎを防ぐだけでなく、翌年の花付きも良くなります。
ここで紹介したのは、一般的なノウゼンカズラの育て方です。品種によっては育て方が異なることもありますので、詳細は苗のラベルに記載された情報を参考にしてください。
ノウゼンカズラの特徴・名前の由来・誕生花
最後は、ノウゼンカズラの基本情報です。英語名や誕生花、名前の由来などを紹介します。
ノウゼンカズラの基本情報・英語名
目・科・属 | シソ目・ノウゼンカズラ科・ノウゼンカズラ属 |
和名・英語名 | ノウゼンカズラ、凌霄花・Trumpet vine、Trumpet flower |
開花時期 | 7月~9月 |
花色 | オレンジ、赤、ピンク、黄 |
原産国 | 中国、北米 |
ノウゼンカズラはいつの誕生花?
ノウゼンカズラが誕生花に当てられている日にちは、7月14日、7月15日、7月20日、8月6日、8月11日、8月14日、8月19日、8月31日です。
ノウゼンカズラの名前の由来は?
ノウゼンカズラの名前の語源は、漢名(中国語)の凌霄(ノウセウ・ノセウ)。ノウセウが訛ってノウゼンとなり、ツタを表す語・カズラが付けられて「ノウゼンカズラ」と呼ばれるようになりました。
ちなみに、“凌”の意味は「他を抜いてトップに出ること」、そして“霄”は「大空」。大空に向かって(他の花よりも)高く抜き出るという生態が名前の由来になっているようです。
また、英語名Trumpet vine(トランペットのツタ)、Trumpet flower(トランペットの花)は、ノウゼンカズラの花の形がトランペットに似ていることが由来です。