和食には欠かせない存在である根菜、牛蒡(ごぼう)。家庭でもお馴染みの食材ですが、実はれっきとした花言葉を持っていることを知っていますか?
花言葉はおろか、花が咲くこと自体知らない人も多いかもしれません。
私たちがスーパーなどで目にしている牛蒡は、いわば根っこの部分です。根っこの上には茎があり、その茎の上にはとてもきれいな花が咲くんですよ。
今回は知っているようで知らない牛蒡の花と花言葉、あわせて花の咲かせ方などを紹介していきます。いつもと違う牛蒡の姿をお楽しみください!
牛蒡(ごぼう)の花言葉
まずは牛蒡の花言葉から紹介します。
ちょっと怖い?牛蒡の花言葉
牛蒡の花言葉 | いじめないで、私に触らないで、用心、しつこくせがむ、人格者 |
牛蒡の花言葉は、少し変わっています。「いじめないで」「私に触らないで」「用心」の花言葉は、まるで何かを怖がり、怯えているような感じしますよね。
一方で、こちらからアプローチを仕掛けるような「しつこくせがむ」という花言葉もあり、堂々とした風格を感じる「人格者」という立派な花言葉もあります。
なぜこのような花言葉がついているのか、その訳を少しずつ紹介していきますね。
まるでアザミ!意外にきれいな牛蒡の花
花言葉の意味を紹介する前に、まずは牛蒡の花を確認しておきましょう。普段見かける姿とは全く異なり、とてもきれいな花を咲かせていますね。
牛蒡の花を見て「アザミに似ている」と感じた方もいるでしょう。実は、牛蒡とアザミは同じキク科の植物なんです。そしてアザミの花言葉は「復讐」「触れないで」「独立」。
根菜である牛蒡と野に咲くアザミ、共通が無いように見えて実は同じ仲間だという事実はとても興味深いものです。
オリジナルキャッチコピー
綺麗だけど、触れるのはNG!汚れてるけど、食べるのはOK!天邪鬼でごめんなさい。
類似の花言葉を持つ花はこちら
12月/12月19日/3月/3月29日/「怖い」意味の花言葉を持つ花/ピンク色の花言葉/嫌いな人やライバルにこっそり贈りたい花/白い花の花言葉/
牛蒡の花言葉に関する逸話「相反する花言葉の意味」
前述したように、牛蒡は相反する花言葉を持っていますが、これにはどのような意味があるのでしょうか。
牛蒡の可哀想な花言葉「いじめないで」
まずは悲観的な花言葉の方から解説していきましょう。「いじめないで」「私に触らないで」「用心」は、牛蒡の花の容姿に関係しています。
牛蒡の花の周りにはトゲがあり、まるで自分の身を守っているように見えませんか?悲観的な花言葉は、ここから付いたといわれています。
牛蒡の不思議な花言葉「しつこくせがむ」
自分の身を守っているかのように思える花言葉に対し、「しつこくせがむ」という花言葉は相手にしつこく接しているような印象を受けます。これには、牛蒡の種の容姿が関係しているようです。
画像を見ていただくと分かるように、牛蒡の種はオナモミのようにギザギザした殻に覆われ、服につくとなかなか取り払えません。この習性が「しつこくせがむ」という花言葉になったのでしょう。
牛蒡の立派な花言葉「人格者」
最後は牛蒡の立派な花言葉「人格者」です。牛蒡の根は食用、漢方薬、お茶として利用でき、花は観賞用として楽しめます。色々な用途に用いられる牛蒡は、人間に例えると「人格者」ともいえますよね。
可哀想でもあり、しつこくもあり、立派でもある牛蒡の花言葉は、様々な場面で活躍する牛蒡の多様性が表しているものなのです。
他にもある!野菜の面白い花言葉
牛蒡の他にも、野菜には面白い花言葉を持っているものがいくつもあります。代表するものを紹介していきましょう。
ピーマンの花言葉は「海の恵み」
野菜であるはずのピーマンですが、なぜか花言葉は「海の恵み」。これには諸説ありますが、海に面する土壌(畑)がピーマンを育てるのに適しているから、ピーマンを世界に広めたのは航海中のコロンブスだったからというのが由来のようです。
レタスの花言葉は「牛乳」?
レタスの花言葉は「冷たい人」「冷淡」ですが、日本では「牛乳」という花言葉も認識されています。
レタスはラテン語で「lactucis(白い液体)」といい、これはレタスの切り口に白い液体が滲むことが語源です。どうやらここに「牛乳」と呼ばれる由来があるようですね。
キャベツの花言葉は「利益」
変わった花言葉が付けられたレタスに対し、キャベツの花言葉は「利益」。何重にも葉が重なり、その姿が宝物を包んでいるように見ることから付けられたそうです。同じ形状であるレタスとは全く違う花言葉ですね。
オクラの花言葉は「恋によって実が細る」
夏野菜の代表格でもあるオクラ、花言葉は「恋によって実が細る」「恋の病」です。オクラの花は半日~1日しか持たず、花が落ちると身がどんどん細くなっていくことが花言葉の由来だそうですよ。
この他にも、変わった花言葉を持った野菜はいくつもあります。
- アスパラガスの花言葉…絶える恋
- レンコンの花言葉…遠くに去った愛
- カリフラワーの花言葉…お祭り騒ぎ
興味がある方は、他の野菜も調べてみてくださいね。
牛蒡の花を贈り物に選ぶのはNG?花の利用法は?
とてもきれいな花を咲かせる牛蒡ですが、あまり流通はしていません。それは牛蒡は根が主流であること、花言葉が良い意味を持っていないこと、花自体にトゲがあることが挙げられます。
牛蒡の花のトゲは痛くはないのですが、見た目的にあまり美しくはありませんよね。贈り物にするのは、あまり良いイメージがないようです。
牛蒡の花は自宅で花瓶に挿して、また生け花にして楽しむ方が良さそうです。
牛蒡の花を育てよう!基本の育て方と注意事項
市場に出回ることがない珍しい牛蒡の花、ぜひ自宅で育ててみましょう!
種蒔き期・植え付け前の準備
牛蒡の種撒きは、3月下旬~8月(寒冷地の場合は4月下旬~7月)に行います。園芸店で種を購入したら、1日程度水に浸しておきましょう。こうすることで発芽しやすくなります。
植え付け前の下準備で1番大事なことは、畑を深く耕しておくこと。だいたい1mほどの深さまで耕しておくと根が伸びやすくなりますよ。種蒔きの1週間前に完熟たい肥や苦土石灰を混ぜておくと、より良い環境を作れますよ。
牛蒡は酸性土壌を嫌います。しかし日本の土壌は酸性雨の影響を受けていますので、種を植える前に苦土石灰(くどせっかい)を混ぜ、土壌を中性~アルカリ性に戻しておきましょう。
種撒き・水やり・間引きのポイント
土壌を準備したら、種を蒔いていきます。幅50cm~、高さ10cmの~畝(うね)を作り、その上に筋蒔きします。種を蒔いたら、上から薄く土をかけておきましょう。発芽するまでは小まめに水やりを行って下さい。
芽が出たら2~3cm間隔で間引き、さらに本葉が出たら、10cm間隔に間引いてください。
牛蒡の収穫の目安
牛蒡を収穫する目安は、種を蒔いてから約5カ月前後。茎の太さが2cm程度に育ったら収穫しても良い時期になります。
とはいえ、ここで引き抜いてしまうと花が咲きません。花を見たい場合は、収穫をせずにグッと我慢。種まきから1年~2年すると、アザミに似た紫色の花が咲きます。枯れるまで待つと、種を収穫することも可能ですよ。
牛蒡の特徴・名前の由来
では最後に、牛蒡の基本情報を紹介していきます。
基本情報
目・科・属 | キク目・キク科・ごぼう属 |
和名・洋名 | 牛蒡(ごぼう)・edible burdock |
開花時期 | 6月~7月 |
原産 | ユーラシア大陸 |
牛蒡の誕生花
牛蒡の花が誕生花として当てられているのは、3月29日と12月19日です。3月29日の誕生花にはタンポポやスモモなどが、12月19日の誕生花にはスノーフレークやカスミソウなどもあるんですよ。
牛蒡の名前の由来
牛蒡の漢字は「牛」と「蒡(ぼう・ほう)」に分けられます。
- 「牛」は、呉語で「グ・ゴ」と読む
- 「蒡」は、ゴボウに似た草全般の呼び名
- 中国では、大きく育つ植物に「牛」をつける慣習がある
これが由来となり「牛蒡」になったそうです。