花言葉

トリカブトの花言葉の意味・由来・誕生花

毒のある花と聞かれて、トリカブトは最初に名前が浮かぶ花の中のひとつではないでしょうか。

日本三大有毒植物のひとつですが、他の二つには名前に毒が付くのに、トリカブトには名前に毒がつきません。それでも、「トリカブト=猛毒を持ち死に至る」ということは、広く知られています。

そんな知名度を誇りながら、トリカブトの花については、意外に知らない人が多いのでないでしょうか。実はトリカブトは、青い非常に美しい花が咲き、その形にちなんだ素敵な花言葉がつけられているのです。

この記事では、そんなトリカブトの花言葉や特徴について、またその由来や逸話などもご紹介します。

トリカブトの花言葉


それではさっそくトリカブトの花言葉を見ていきましょう。

トリカブトの代表的な花言葉は「騎士道」「栄光」「復讐」

トリカブトの花全般の花言葉 騎士道、人間嫌い、復讐、栄光、厭世家、美しい輝き、騎士の武者修行、あなたは私に死を与えた

トリカブトの花全般をあらわす言葉には、「騎士道」「人間嫌い」「復讐」などがあります。

トリカブトの花言葉・フランスとイギリスの違い

トリカブトの花全般をあらわす言葉は大きく分けると、「復讐」「あなたは私に死を与えた」などのネガティブな意味と、「騎士道」「栄光」などの明るい意に分かれます。

実はこれは、花言葉を付けられた国が違うのです。

「復讐」「あなたは私に死を与えた」フランスでの花言葉、「騎士道」「栄光」「騎士の武者修行」は、イギリスでの花言葉となります。

トリカブトの花のオリジナルキャッチコピー

咲く花の美しさと同じだけ、青い帽子に隠し持った毒。

類似の花言葉を持つ花はこちら

7月/7月19日/7月25日/「孤独」を意味する花言葉を持つ花/「死」という意味を含んだ花言葉を持つ花/「裏切り」を意味する花言葉を持つ花/青い花の花言葉/

トリカブトの花言葉に関する逸話


トリカブトの花言葉には、その形からつけられたものと、猛毒であることからつけられたものとがあります。

トリカブトの形からつけられた花言葉

トリカブトの花言葉「騎士道」「騎士の武者修行」などの由来は、トリカブトの花の形が、騎士の被る兜に似ているからだとされています。

「人間嫌い」という花言葉は、「修道士のフード」という意味の英名が由来です。実際には修道士は「人間嫌い」とは限りませんが、人とあまり接触を持たず、修行に励む姿を例えたとされています。

トリカブトが毒をもつことから、死を意味する花言葉

「復讐」「あなたは私に死を与えた」の由来は、猛毒を持つため、古来より復讐のために使われたことからつけられました。

また、トリカブトは生薬としても使われたため、その薬効を試すために被験者が命を落としたことにもちなむと言われます。

日本三大有毒植物「ドクゼリ」「ドクウツギ」の花言葉


トリカブトは「日本三大有毒植物」のひとつです。他のふたつは「ドクゼリ」「ドクウツギ」というあまり耳慣れない名前の植物。「ドクゼリ」「ドクウツギ」の特徴と花言葉を調べてみました。

「ドクゼリ」の花言葉

ドクゼリ(毒芹)は、セリ科ドクゼリ属の多年草です。セリとの違いは、葉や茎にセリ特有の良い香りがしない点と、ドクゼリには地下茎があることです。

花言葉・・・死も惜しまず、あなたは私を死なせる

「ドクウツギ」の花言葉

ドクウツギ(毒空木)は、ドクウツギ科ドクウツギ属の落葉低木。花の後になる赤い実はおいしそうですが、誤って食べてしまうと死に至ることもあります。

花言葉・・・謙虚

「栄光」など素敵な花言葉を持つトリカブトの育て方


昔から、キレイな花には毒があると言いますが、猛毒を持つトリカブトも花は美しく、園芸植物としても人気があります。トリカブトの育て方のポイントについてお伝えします。

開花の時期

トリカブトの開花時期は、8~10月です。

トリカブトの育て方

●植付け
時期・・・2~5月
半日陰になる場所を選び、鉢植えは5~6号鉢に1株、地植えは20cm間隔で植え付けましょう。

●土・肥料
水はけよい土を好みます。赤玉土7:腐葉土3を混ぜた土か、市販の山野草の培養土を用意。
元肥えとして、リン酸とカルシウムの多い緩効性の化成肥料を与えます。春になったら追肥しましょう。

●水やり
鉢植え・・・土の表面が乾いたら鉢底から流れるくらいとたっぷりと水やりします。
地植え・・・苗木のときや植付け直後以外は、ほとんど必要ありません

トリカブトを育てるポイントは?

・手袋などをして、できるだけ直接触れないように注意

・暑さ・直射日光が苦手なので、半日陰か明るい日陰で育てること

トリカブトの毒に関する注意点と症状


トリカブトは実は意外に身近な植物です。日本全土、特に本州中部以北の山中に自生し、野山を散歩していると、咲いているのをよく見かけます。

しかし、茎や葉にも猛毒を持つので、気軽に触ったり摘んだりしないように注意しましょう。

トリカブトの毒の種類と症状

トリカブトは、ほとんどの種類でその全草に「アコニチン」「メサコニチン」などのアルカロイドを含みます。植物の中ではもっとも強い毒を持ち、天然毒としては、フグ毒に次ぐと言われます。

食後10~20分以内に以下のような症状が出ます。
① 唇や舌のしびれ
② 手足のしびれ、腹痛、嘔吐、下痢
③ 不整脈、血圧低下
④ けいれん、呼吸不全

これらの症状を経て、死に至ることもあります。

美しいトリカブトの毒は、不美人を呼ぶ由来となった?

このように美しい花を咲かせるトリカブトですが、一説では、その毒が「不美人」の事を指す言葉の由来になったと言われています。

トリカブトの猛毒の根は漢方薬にも用いられ、漢方では、塊根の母根を「烏頭(うず)」、子根を「附子(ぶし)」と呼びます。

「ぶし」という言葉は、トリカブトの毒で苦しみもがく醜い姿を指すようになり、それが転じて「ブス」という言葉になったという説があるのです。

トリカブトとヨモギ、ニリンソウとの見分け方

花が咲いていれば、間違えることの少ないトリカブトですが、花のない時期は、他の食用の植物と間違えやすく、近年でも誤食事故が起きています。トリカブトと他の植物の見分け方のポイントをご紹介します。

●ヨモギ(蓬)
葉がよく似ていますが、ヨモギの葉の裏には白い綿毛がビッシリ生えています。揉むとヨモギ特有の芳香がします。トリカブトには綿毛や香りはなく、葉にツヤがあるため区別がつきやすいとされます。
開花期・・・8~10月
キク科ヨモギ属
花言葉・・・冗談、からかい、平和

●ニリンソウ(二輪草)
ヨモギより区別するのが困難です。ニリンソウの中にトリカブトが混在することもあるので、ひと株ひと株、ニリンソウの白い花を確かめて収穫するのが確実です。
開花期・・・4~6月
キンポウゲ科イチリンソウ属
花言葉・・・予断、友情、協力

他にもこんなにある!美しい毒花たちと花言葉


身近な花の中にも、トリカブトほどではなくても、毒を持つものが意外とたくさんあるのです。そんな美しく危険な花たちをご紹介します。

可憐なスズラン・リンドウ・アネモネの花言葉

●スズラン(鈴蘭)
北海道の花として知られ、白いベルのような花と芳香で人気です。フランスでは、花嫁に贈る花。全草が有毒で、特に花や根に多くの毒を持ち、スズランを活けた水を飲むだけでも危険です。
開花期・・・4~5月
キジカクシ科スズラン属
花言葉・・・春の喜び、再び幸せが訪れる、純粋

●リンドウ(竜胆)
秋の野山で青紫の美しい花を咲かせます。生薬・リュウタンの原料。ペットが誤飲すると中毒を起こすので注意。
開花期・・・
リンドウ科リンドウ属
花言葉・・・正義、貞節、誠実

●アネモネ(牡丹一華)
春に咲く赤や紫の花はとても華やか。茎を折ると出る汁は有毒で、触れると皮膚炎を起こすことがあります。
開花期・・・
キンポウゲ科イチリンソウ属
花言葉・・・儚い希望、薄れゆく希望、儚い恋

「冬のトリカブト」と呼ばれるキバナセツブンソウの花言葉

●キバナセツブンソウ(黄花節分草)
黄色いカップ型の美しい花が咲きます。全草が有毒。スウェーデン語名「Vintergäck」は「冬のトリカブト」の意。
開花期・・・2~3月
キンポウゲ科セツブンソウ属
花言葉・・・光輝、ほほえみ、人間嫌い

毒がありそうでない?クロユリ・アザミの花言葉

●クロユリ(黒百合)
高山地帯で神秘的な黒い花をうつむくように咲かせ、悪臭がありますが、毒はありません。大流行した「黒百合の歌」という曲に「黒百合は毒の花」という歌詞があることと、ユリの仲間には毒を持つものもあるため、誤解されているようです。
開花期・・・6~8月
ユリ科 バイモ属
花言葉・・・呪い、狂おしい恋、恋の魔術

●アザミ(薊)
葉には尖ったトゲが多いのですが、アザミの仲間には毒はありません。アザミの仲間のモリアザミがヤマゴボウという名の漬物として販売されており、まったく別種のヤマゴボウ科のヤマゴボウには毒を持つものが多いため、混同されていると思われます。
開花期・・・夏~秋
キク科アザミ属
花言葉・・・独立、報復、触れないで

トリカブトの特徴や英語名・花の名の由来


トリカブトの花の基本情報です。

基本情報

目・科・属 キンポウゲ目・キンポウゲ科・トリカブト属
学名 Aconitum
和名 鳥兜・兜菊・花鳥兜
英名 monkshood、Helmet flower
開花の季節 8月から10月
原産地 北半球温帯から寒帯

参考:Wikipedia トリカブト より

誕生花と名前の由来

トリカブトの花が誕生花として当てられている日付はこちらになります。

7月19日、7月25日の誕生花

トリカブトの花の名前の由来

  • 「鳥兜」とは、日本古来の舞楽(雅楽)の際に着る常装束のうち、頭にかぶる装飾品のこと。鳳凰の頭部をイメージしたものとされ、トリカブトの花の形がこの「鳥兜」に似ていることから名付けられました。
  • 英名は「ヘルメットフラワー」と「monkshood」(修道士のフード)でどちらもその形が由来です。

以上が、トリカブトの花の名前の由来です。