黄色やオレンジの花色が、明るくポジティブな印象を与えるキンセンカ。春先になると賑やかに花壇を彩り、私たちを暖かく楽しい気分にさせてくれます。
そんなキンセンカですが、前向きなイメージとは裏腹に、実はネガティブな花言葉がついていることをご存じですか?
その花言葉の由来には、悲しくも切ないギリシャ神話が関係しているんです。
今回は、キンセンカの花言葉をお伝えすると共に、プレゼントとして贈るときの注意点や育て方などをご紹介します。
キンセンカの花の花言葉
それではキンセンカの花言葉を見ていきましょう。
キンセンカの花言葉は悲しくて切ない!
キンセンカの花言葉 | 失望、絶望、寂しさ、別れの悲しみ、悲嘆、忍ぶ恋、変わらぬ愛、誠実、初恋 |
こうしてみると、キンセンカはプレゼントの花としてはふさわしくないなと思ってしまいますよね。なぜこのような花言葉が生まれたのでしょうか。
また、寂しくて切ない花言葉とは真逆の、変わらぬ愛、忍ぶ恋、誠実、初恋などというポジティブな花言葉もあります。
ただし、これらのポジティブな花言葉は、贈る人が限定されますので注意が必要です。詳しくは、キンセンカにまつわる逸話のところでお話ししますので、このまま読み進めてくださいね。
ちなみに、キンセンカの花色は黄色やオレンジがありますが、色別花言葉は特に見つかりませんでした。
まずは、キンセンカのネガティブな花言葉の由来についてお話しします。
失望・絶望・寂しさ
キンセンカに、このようなネガティブな花言葉がつけられているのには、その花色に関係があります。それは、ヨーロッパでは「黄色」は不吉な色とされているからなんですね。
その理由は、ローマ皇帝によるキリスト教迫害の歴史が関わっているんです。キリスト教では、ローマ皇帝や裏切り者のユダヤ人が着ていた衣服の色が、黄色だったんです。
迫害されたキリスト教信者の気持ちを思うと、確かに失望や絶望、寂しさという気持ちがこみ上げてきますよね。
オリジナルキャッチコピー
幸運の黄色のはずの花色は 深い悲しみに満ちた切なき色
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花言葉に関する逸話「嫉妬に狂った妖精のギリシャ神話」
キンセンカのポジティブな花言葉「忍ぶ恋」「変わらぬ愛」「誠実」「初恋」と、「別れの悲しみ」「悲嘆」といったネガティブな花言葉の一部は、これからご紹介するギリシャ神話が由来となっています。
むかしむかし、太陽神アポロンに恋をしていた水の精クリティは、なんとか彼を振り向かせようと必死になっていました。
しかし、アポロンには心を決めた恋人、レウトコエ王女という女性がいたのです。
これを知ったクリティは嫉妬と怒りに狂ってしまい、こともあろうか二人の関係を、王女の父親に密告してしまったのです!
その事実を知った王女の父親は、実の娘であるレウトコエ王女を生き埋めにしてしまいました…。
嫉妬に狂っていたクリティは我に返り、自分がしてしまったひどい行いをとても恥じました。その後、9日間にわたり空を通り過ぎてゆくアポロ神(=太陽)をじっと眺めていました。
そのうちクリティの姿は、黄色の美しいキンセンカに姿を変えてしまったとのこと。
このギリシャ神話からもわかるように、クリティの切ない恋物語が花言葉となって残っているというわけなんですね。
キンセンカに似た花「マリーゴールド」との違いは?
黄色やオレンジの花を咲かせるキンセンカと似たような花に、マリーゴールドがあります。2つの花は同じ種類なのでしょうか?見ていくことにしましょう。
キンセンカは英語でポットマリーゴールドと呼ばれる
マリーゴールドとキンセンカは、花の色も形もよく似ています。しかし、2つの花はまったく別の花です。
キンセンカの別名は「ポットマリーゴールド」となっているので、一見同じ花のようですが、実は、キンセンカはハーブでマリーゴールドはハーブではありません。
マリーゴールドはあくまで観賞用の花なんですね。
キンセンカとマリーゴールドは科・属が違う
また同じキク科ですが、属が違います。キンセンカが「キク科キンセンカ属」なのに対して、マリーゴールドは「キク科コウオウソウ属(マンジュギク科)」です。
マリーゴールドの花言葉は?
嫉妬、絶望、悲しみ、変わらぬ愛、
黄色:可憐な愛情、健康 オレンジ:予言、真心
こうしてみてみるとマリーゴールドの花言葉も、キンセンカとよく似ていますよね。
キンセンカは食用にできる!?
先にお話ししたように、キンセンカの別名はポットマリーゴールドで、「ポット」というのは食用という意味です。
キンセンカの鮮やかな黄色やオレンジは、エディブルフラワー(食用花)としても利用できるんですよ。ハーブティーはもちろん、サラダやスープのトッピングとしても使えます。
キンセンカの花はプレゼントには向かない?
ネガティブな花言葉の多いキンセンカですが、中にはポジティブな花言葉もあります。こちらの方を選択して、プレゼントとして贈るのもアリですが、その場合次の点に注意しましょう。
贈る相手は気のおける身近な人の方にする
キンセンカの「別れの悲しみ」や「寂しい」という花言葉は、引っ越し祝いとして贈ることもできるでしょう。しかし、キンセンカには「絶望」や「失望」という花言葉もあります。
このことからも贈る相手は限定して、親しい人に「しっかり意味を伝えて」贈るようにしましょう。
切り花やアレンジメントよりはハーブとして贈る
キンセンカの花を贈るときに、切り花やアレンジメントはやっぱりネガティブな花言葉を思うと少し気が引けますよね。
そんな時は、キンセンカのハーブとしての特性を利用してプレゼントするのはいかがでしょうか?
キンセンカのきれいな色合いを活かして、ポプリやハーブティーにして贈ったり、オイルに漬けて贈ったりしても素敵ですよ。
キンセンカの育て方!種まきや苗植えの方法
明るく華やかな花色が素敵なキンセンカは、見ているだけで心が晴れやかになりそうですよね。ここからはお庭や鉢植えなどで、上手にキンセンカを育てる方法をご紹介します。
キンセンカがきれいに咲く季節は?
キンセンカの中でも「フユシラズ」という種類は、冬の寒さや霜にも負けず長期間花を咲かせるので、基本的にキンセンカの開花時期は12月~5月とされています。
しかし一般的なキンセンカは、主に3月~5月が花の最盛期で夏になると枯れてしまいます。
キンセンカの種まき
キンセンカは種から育てることも出来ますが、少し上級者向きなので出来れば苗を買って植えた方が簡単です。ここでは、種まきをする場合のコツについてお話しします。
キンセンカの発芽温度は15~20度前後なので、種まきは秋の彼岸頃の9月下旬に行います。育苗箱にピートモスやバーミキュライトなどの土を入れるか、ポットに直まきします。
その後は軽く土をかぶせて発芽を待ちます。発芽率は低いので気長に待ちましょう。
キンセンカを育てる用土
キンセンカは水はけと水持ちの両方を備えた用土が適しています。市販の培養土でも十分育ちますが、自分で配合する場合は赤玉土小粒6:腐葉土3:苦土石灰1の割合がいいでしょう。
キンセンカの苗植え
種まきして双葉が出たら、徒長しないようにしっかり日に当てることが大切です。ポット苗の場合は、本葉が出た後に間引いて1本にします。
キンセンカを植えるタイミングは、1~3月が適しています。市販のポット苗は10月頃から売られていることが多いですが、できるだけ1月になるまで待ちましょう。
キンセンカの水やりと頻度
庭植えの場合は、基本的に降水だけで十分育ちますが、鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷり与えるようにしましょう。
逆に水をやりすぎてしまうと根腐れの原因にもなるので、与えすぎにも気をつける必要があります。夏場は1日1回を目安に水やりしてください。
キンセンカの肥料や与える頻度
キンセンカを植え付ける前には堆肥か、緩効性化成肥料を混ぜ込みます。また、花が咲き出したら1週間に1度液体肥料を与えるようにしてください。
キンセンカは窒素分の多い肥料だと、徒長して茎がひょろひょろになってしまいます。
必ず窒素分の少ない肥料を選ぶようにしましょう。
キンセンカの花後の管理
キンセンカは風通しの悪い場所だと、病気が発生することがあります。株間が狭すぎる場合は出来るだけ開けるようにしましょう。
また、花が終わった後の花がらは丁寧に摘み取ることで、長く花を楽しむことが出来ます。
キンセンカの特徴や花の名前の意味・由来
それでは最後に、キンセンカの基本情報と誕生花、花の名前の意味や由来などをご紹介します。
キンセンカの基本情報
目・科・属 | キク目・キク科・キンセンカ属 |
和名・洋名 | 金盞花(キンセンカ)、Calendula、Pot marigold |
開花時期 | 12月~5月 |
原産地 | 地中海沿岸、北・中央アメリカ、南ヨーロッパなど |
キンセンカが誕生花となっているのはいつ?
キンセンカの誕生花にあてられている日付は、1月12日、1月20日、1月29日、2月8日、2月9日、2月13日、2月26日、3月9日、3月16日、3月26日、4月2日、8月8日、8月24日、8月29日、11月7日、12月15日になります。
キンセンカの花の名前の由来は?
黄色やオレンジの花を咲かせるキンセンカの花色は、黄金色に例えられることが多く、花の形が盃に似ていることから「金盞花」と名付けられました。
その他にも、英名を元にした花の名前の由来もあります。
キンセンカの英名「Calendula(カレンデュラ)」は、ラテン語で1ヶ月という意味の「カレンダー」が語源となっています。
これは、キンセンカの花の開花時期が長く、1ヶ月ほど咲かせることから由来しています。