初夏に白い花を、秋には紅葉を、そして冬には果実が楽しめるガマズミ。山などに自生していますが、観賞用の庭木としても大変人気があります。
しかし、ガマズミの花言葉は「怖い」「意味深」、また「贈り物には不向き」との声もあるようです。いったいどんな花言葉を持っているのでしょうか?
ここではガマズミの花言葉やその由来、育て方などを解説します。あわせて「ギフトに相応しくない怖い花言葉を持つ植物」も紹介しますので、ぜひ覗いてみてくださいね。
ガマズミの花言葉
まずはガマズミの花言葉をご覧ください。
怖い?意味深?ガマズミの花言葉
ガマズミの花言葉 | 結合、恋の焦り、愛は強し、私を無視しないで |
ガマズミの花言葉は「結合」「恋の焦り」「愛は強し」、そして「私を無視しないで」。確かに意味深で怖い印象を受けます。ひとつずつ意味を確認していきましょう。
「結合」「愛は強し」は、ガマズミの蕾(つぼみ)と花の様子を表しています。丸い粒のような蕾が群生し、小さくて可憐な白い花がまとまって咲く姿から、このような花言葉がついたようです。
「恋の焦り」は、ガマズミの1年間の生態が関係しているようです。
新緑、開花、紅葉、結実と、1年を通して表情を変えるガマズミはアピール上手な植物ともいえます。まるで恋愛を焦っているようにも見えることが花言葉の由来となっています。
では、1番怖い花言葉「私を無視しないで」にはどのような由来があるのでしょうか。これには諸説あるようなので、次章「ガマズミの花言葉に関する逸話」で詳しく紹介します。
オリジナルキャッチコピー
新緑、白い花、紅葉、赤い実。こんな私を無視できる?
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ガマズミの花言葉に関する逸話「白い花と赤い実の魅力」
ガマズミの花言葉のひとつ「私を無視しないで」。どうしてこのような花言葉がついたのでしょうか。いくつかの説を紹介します。
自分の魅力を見て欲しい
まず最初の説は「自分の魅力をアピールしている」説です。前述しましたが、ガマズミは1年を通して様々な表情を魅せてくれます。
「これだけ楽しませているんだから、しっかりと私を見て!」と言わんばかりの様子が花言葉になったという説があります。
子孫を残したい
次は「子孫を残したい」説。もともとガマズミは山に自生している植物です。
子孫を残すためには、鳥に実を食べてもらい、その種をあちこちに運んでもらわなければなりません。そのためには美味しそうに見える実をつけることが重要です。
しかし、山には赤い実がたくさんあります。鳥が他の実を食べる様子を見たガマズミはきっと「無視しないで!こっちの実も食べて!」と思っているでしょう。
この気持ちが花言葉になった、との説もあるようです。
自分を見つけて欲しい
最後は「自分を見つけて欲しい」説です。ガマズミの赤い実は栄養が豊富で、別名「神の実」とも呼ばれています。
特に、何日も山の中で過ごす猟師たちにとっては良い栄養源になっていたそうです。
しかしながら、たくさんの木々がある山の中で、ガマズミは特別目立つ存在ではありません。自分の赤い実を見つけて欲しい、猟師に栄養を届けたい、そんな思いが花言葉の由来となったようです。
花言葉に要注意!ガマズミを贈ってはいけない人
ガマズミはとてもきれな花ですが、花言葉は意味深で怖いイメージがあります。ギフトとして贈る際には、相手を選んだ方が良さそうです。
結婚願望が強い人、花言葉に詳しい人に贈ってしまうと、もしかしたら不快な思いをさせてしまうかもしれません。プレゼントする時には充分気を付けてください。
逆に、贈っても良い相手もいます。大事なパートナーや、夫婦間のプレゼントに「愛は強し」という花言葉を添えて贈ってみてはいかがですか?より気持ちが深まり、愛が育めるかもしれません。
1年中楽しめる!ガマズミの四季
ガマズミは1年を通してずっと楽しめるため、観賞用の庭木植物として人気があります。ガマズミの四季を見ていきましょう。
ガマズミの春~蕾(つぼみ)期~
春は新緑と蕾が楽しめます。アジサイに似た丸くてギザギザしている葉は美しい黄緑~深緑色をしており、春の景色に良く映えます。
また、ふっくらとした丸い蕾は群をなしており、趣があることから花束や生け花の花材としても使われています。
ガマズミの初夏~開花期~
開花期は初夏~夏です。小さな白い花が数十個まとまって咲き、そのまとまりがひとつの花のようになり、そのまとまった花が点在して迫力をなしとても見ごたえがある姿になります。
ガマズミの秋~紅葉~
秋になると葉が紅葉します。葉は黄~オレンジ~赤のグラデーションになり、赤く色づき始めた実とのコントラストがとてもきれいです。紅葉した後は落葉し、赤い実だけが残ります。
ガマズミの冬~収穫期~
冬は実の収穫期です。秋には酸味と苦みしかなかった実は、冬には甘酸っぱい実へと変わります。生食、果実酒、ジャムなど色々な楽しみ方が出来ますよ。
ガマズミの他にも!花言葉が怖い植物
ガマズミ以外にも、花言葉が怖い植物や、切ない植物はたくさんあります。その一部をご紹介しましょう。
クロッカスの花言葉は「裏切らないで」
春の訪れを告げる花、クロッカス。青く可愛らしい花ですが、花言葉は「裏切らないで」。この他に「青春の喜び」「愛の公開」という花言葉も持っています。
クワ(桑)の花言葉は「共に死のう」
葉はお茶として、実は果実として楽しめるクワ。花言葉は「共に死のう」です。「彼女の全てが好き」という男性の強い愛を示す花言葉も併せ持っています。
リンドウの花言葉は「悲しんでいるあなたを愛する」
野山に紫色のアクセントを彩る花、リンドウ。花言葉は「悲しんでいるあなたを愛する」。群生して咲かないリンドウの特徴が表現された花言葉ですね。
「勝利」「正義感」という立派な花言葉も持っていますよ。
スカビオサ(マツムシソウ)の花言葉は「私は全てを失った」
青紫の美しい色が人気のスカビオサ(マツムシソウ)。花言葉は「私は全てを失った」「不幸な恋」「未亡人」。なかなか強烈です。残念ながらプレゼントには不向きかもしれませんね。
スノードロップの花言葉は「あなたの死を望む」
うつむき加減に咲く白くて愛らしい花、スノードロップ。花言葉は「あなたの死を望む」。
見た目とのギャップがありますが、「希望」「幸福を呼ぶもの」「逆境の中の望み」という前向きな花言葉も持っていますよ。
チューベローズの花言葉は「危険な快楽」
香水の原料にもなるほど香りが良いチューベローズ。夜になると香りが強くなることから「危険な快楽」「危険な楽しみ」「危険な戯れ」という花言葉がつけられています。
危険という言葉が並びますが、花に毒性はないので安心してくださいね。
この他にも、アネモネには「見放された恋の苦しみ」、クロユリには「呪い」、パセリには「死の前兆」という花言葉があります。花を贈る時には、あらかじめ花言葉を調べた方が良さそうですね。
ガマズミの育て方・管理・水やり方法
ガマズミの育て方や水やり、管理方法を解説します。とても育てやすいので、園芸初心者にもおすすめですよ。
ガマズミの植え付け
ガマズミは野山にも自生している樹木です。耐寒性、耐暑性ともに優れていますが、日当たりや通気性が悪いと花付きや実付きが悪くなることもあります。
日当たりが良く、風通しが良い場所を選んで植えてください。
植え付けは2月下旬~3月中旬、または11月頃に行いましょう。腐葉土や培養土を混ぜ込み、土を柔らかくしておくとより元気に育ちます。
ガマズミの水やり
水やりは植え付け直後は毎日行い、根付いたあとは自然の雨水に任せておいて大丈夫です。とはいえ、猛暑が続くと元気がなくなってしまうこともあります。
弱って来たなと感じたらたっぷりと水を与えてください。
ガマズミの剪定
樹高が気になるときには剪定を行いましょう。剪定時期は花が終わって直ぐの6月~7月がベストですが、剪定をした年は実がならないこともあることので要注意です。
ガマズミの特徴・名前の由来・誕生花
最後に、ガマズミの特徴、名前の由来、誕生花を紹介します。
ガマズミの基本情報・英語名
目・科・属 | マツムシソウ目・レンプクソウ科・ガマズミ属 |
和名・中国名・英語名 | ガマズミ・莢蒾(きょうめい)・Viburnum(ビーバナム) |
開花時期 | 5月~6月 |
原産地 | 日本、中国、朝鮮半島 |
ガマズミはいつの誕生花?
ガマズミが誕生花として当てられている日にちは6月22日、11月24日、11月29日。
6月は開花時期になり、11月下旬は実が熟し始める時期です。誕生花はガマズミの旬の時期ともいえますね。
ガマズミの名前の由来・意味
ガマズミの名前の由来には諸説あります。
- ガマズミの幹がカマ(農具)の柄の原料となっていた
- 実が染料として使われおり、染める→すみる→すみ→ズミになった
- 甘酸っぱいを表した「噛ま酸実」が由来
- 食糧の少ない冬に実を付けることから「神の実」と呼ばれていたことが語源となった