夏の風物詩のひとつである鬼灯(ほおずき)。ふっくらと風船のように膨らんだ赤い実はとても風情がありますね。
日本人にとって馴染みの深い鬼灯ですが、実が実る前に小さな花を咲かせることはあまり知られていません。
とても可愛らしいはなですが、なぜか怖くてネガティブな印象を受ける花言葉が揃っています。なぜそのような花言葉がついたのでしょうか?
ここでは鬼灯の花の花言葉やその由来、あわせて育て方や人気の品種などを紹介していきます。
鬼灯(ほおずき)の花言葉
まずは怖くてネガティブな鬼灯の花言葉をご覧ください。
怖い?ネガティブ?鬼灯(ほおずき)の花言葉
鬼灯の花言葉 | 偽り、ごまかし、欺瞞(ぎまん・人を騙したりごまかしたりする意味)、浮気、半信半疑、不思議、自然美、心の平安、私を誘って、私を誘惑して |
鬼灯の花言葉には「偽り」「ごまかし」「欺瞞」「浮気」「半信半疑」など、あまり良い意味ではない怖くてネガティブな印象を受けるものがあります。
また「私を誘って」「私を誘惑して」という花言葉には妖艶なイメージがありますね。
一方で「不思議」「自然美」「心の平安」は、ごく普通の花言葉です。多方面の意味を持つ花言葉の由来については、のちほど詳しく解説していきます。
鬼灯(ほおずき)の花の特徴
まずは、あまり知られていない鬼灯の花の特徴を紹介しましょう。鬼灯は6月~7月に白~クリーム色の小さな花を咲かせます。
この花が咲き終わると萼(がく)が発達して提灯(ちょうちん)のように膨らみ、お馴染みの鬼灯の形へと変わります。
オリジナルキャッチコピー
花一時、あとに残るは鬼の灯
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鬼灯(ほおずき)の花言葉に関する逸話・由来
それでは、鬼灯が持つ花言葉の由来について、逸話などを含めて解説していきます。
鬼灯の花言葉1.「偽り・ごまかし・欺瞞」
まずは、「偽り」「ごまかし」「欺瞞」の花言葉の由来ですが、これは鬼灯の実の特徴にちなんでいます。
鬼灯の実は、風船のように膨らんだ萼の中に入っているのですが、萼の中はほとんど空洞で実の部分はほんの少しだけ。
「見かけは大きいのに、実際の実は小さい」という様子が、「偽り」「ごまかし」「欺瞞」という花言葉の由来となりました。
鬼灯の花言葉2.「浮気」
食用の鬼灯は無害ですが、観賞用の鬼灯は毒を含んでいます。
江戸時代の堕胎方法のひとつに「鬼灯の実を食べる」というものがあり、浮気をした女性が相手の子を身ごもった時、鬼灯を食べて堕胎していたことが「浮気」という花言葉の語源となったそうです。
鬼灯の花言葉3.「半信半疑」「不思議」「自然美」「心の平安」
毒性がある一方で、鬼灯の茎根は茎根は民間薬として用いられています。
毒性もあり、また薬としても扱われる鬼灯。「半信半疑」「不思議」「自然の美しさ」の花言葉は鬼灯の生態から、「心の平安」は、酸漿根の効能を心の拠り所としていた人の心情が由来のようです。
鬼灯の花言葉4.「私を誘って」「私を誘惑して」
最後は「私を誘って」「私を誘惑して」。
一見刺激的な花言葉に思えますが、実際は鬼灯の赤い萼や実を女性の頬に例え、頬を赤らめながら男性に恋心を打ち明ける様子を表しています。
その背景を知ると、鬼灯が可愛らしく思えてきますね。
使う?贈る?鬼灯(ほおずき)の利用法
鬼灯の花ことばの由来や逸話を知ったところで、次は鬼灯の利用法についてです。「飾る」以外にどのような使い方があるのか、代表的な利用法を取り上げてみました。
お墓や仏壇に。鬼灯(ほおずき)を仏花に
お盆の時期、お墓や仏壇に赤く色づいた鬼灯が供えられているのを見かけたことはありませんか?これは迎え火の代用です。
鬼灯を飾り、あちらの世界から戻ってこられるご先祖様をお迎えしましょう。
鬼灯(ほおずき)を玄関に飾って魔除けに
地方によっては、鬼灯を魔除け代わりに玄関に飾るところもあります。鬼が守っている証に見立てることで、悪い霊や邪気を追い払うことができるという謂れがあるようです。
花束や切り花にもなる鬼灯(ほおずき)
鬼灯は花束の花材としても利用できます。赤くて丸い鬼灯の形は良いアクセントになり、花束にとても良く映えるんですよ。
花束の他にも切り花やアレンジ、生け花にも使えますので、ぜひ積極的に取り入れてくださいね。
観賞用?食用?鬼灯(ほおずき)の人気の種類
鬼灯には様々な種類がありますが、大きく分けると観賞用と食用に分けることができます。その中から特に人気がある品種を5つ紹介します。
実の大きさNo1!丹羽鬼灯(タンバホオズキ)
通常の鬼灯よりも実が大きい丹羽鬼灯。観賞用として見ごたえがあり、鉢植えや切り花として人気の高い品種です。
萼が膨らまない瓔珞鬼灯(ヨウラクホオズキ)
鬼灯といえば赤く膨らんだ萼が特徴的ですが、瓔珞鬼灯は萼が膨らまず唐辛子のような形になります。
これが瓔珞(仏具、仏像の飾りもの)のように見えるので瓔珞鬼灯と呼ばれています。また、実を付けないのも大きな特徴です。
赤くならない!千成鬼灯(センナリホオズキ)
萼が発達しても赤くならず、緑のままの姿を保つ千成鬼灯。実は直径1cm~2cmで小さく、食用として楽しめます。
実付きが良く、小さな実を鈴なりにつける姿から「千(個)成(る)」という名前がつけられました。
サラダにどうぞ!ストロベリートマト
食用鬼灯の代表格ともいえるストロベリートマト。ストロベリーやトマトという名前がつけられていますが、実は赤くありません。
ミニトマトのような感覚で楽しめますので、サラダや付け合わせにピッタリの鬼灯です。
マンゴーの香りが楽しめるキャンディーランタン
マンゴーのような濃厚な香りが人気の食用鬼灯、キャンディーランタン。黄色のミニトマトのような実は甘酸っぱく、そのままでも製菓の材料としても使用できます。
鬼灯(ほおずき)を購入する時に注意したいこと
鬼灯が色づく時期に合わせ、鬼灯市を開催する地域もありますね。特に浅草の鬼灯市は歴史があり、毎年多くの人出で賑わいます。
素敵な鬼灯を見るとついつい欲しくなってしまいますが、しっかり考えて購入しないと後で後悔することもあるんですよ。
ここでは鬼灯を購入する時の注意点について説明していきます。
観賞用?食用?鬼灯の種類を決める
上記で紹介したように、鬼灯には観賞用のものと食用のものがあります。まずは鬼灯を購入する目的を定め、観賞用と食用どちらにするのか考えておきましょう。
鉢植え?庭植え?スペースを考える
購入した鬼灯は、鉢で育てますか?庭で育てますか?鉢で育てるのであれば置き場所を、庭で育てるのであれば植える場所の確保が必要条件です。
鬼灯は日当たりと水はけが良い場所を好みます。育てる場所が確保できるか、じっくり考えてみましょう。
鬼灯(ほおずき)を種から育てる方法
鬼灯を種から育てるのは、意外と容易なんですよ。ここでは園芸初心者にもチャレンジしやすい「観賞用の鬼灯」を「鉢植え」で育てる方法を紹介します。
準備と種の植え付け
まずは準備物を確認しましょう。
- 鉢…プラスチック製の鉢ではなく素焼きの鉢を、サイズは1株あたり6号~7号が良いでしょう。
- 用土…花と野菜用の培養土を用意してください。
種は、霜の心配がなくなった4月~5月に撒きましょう。1つの鉢に10粒~15粒程度撒き、上から土をごく薄く、種が隠れる程度にかけます。
2~3週間すると発芽しますので、元気な芽を4~5本残して間引きしておきます。
これからどんどん成長していきますので、なるべく早い段階で支柱を立てておきましょう。
鬼灯の水やり
水やりは毎日行ってください。鬼灯は水はけが良い場所を好みますが、乾燥を嫌います。特に夏の暑い日は水枯れする恐れがありますので、朝夕2回の水やりをおすすめします。
緩効性肥料を定期的に与えると株が元気になり、花付きが良くなります。
鬼灯の楽しみ 透かし鬼灯(ドライフラワー)
鬼灯が赤くなったら、観賞用として楽しみましょう。
鉢花として、また切り花や生け花としても楽しめますが、葉脈と実だけの状態にする「透かし鬼灯(ドライフラワー)」を作ってみませんか?簡単な作り方を説明します。
- 赤くなった鬼灯を水に漬けます。バケツや瓶など、鬼灯が入る大きさのものなら何でも大丈夫です。実が完全に浸かる状態まで水を入れましょう。
- そのまま10日ほど放置しておくと、葉の部分が腐ってきます。そっと取り出し、葉の部分だけ洗い流す(もしくは優しく撫でるようにそぎ落とす)
- 葉脈と実だけの状態になったら、あとはしっかり乾燥させるだけです。
2年目からは連作障害に注意
鬼灯は連作障害(土のバランスが悪くなるために起こる生育不良)を起こしやすいため、毎年の植え替えが必要です。
3~4月になったら株を取り出し、土を落として新しい用土に植え替えます。この時、一回り大きな鉢に植え替えるとより元気に育ちますよ。
鬼灯(ほおずき)の特徴・名前の由来・誕生花
目・科・属 | ナス目・ナス科・ホオズキ属 |
和名 | 鬼灯(ほおずき)、輝血(カガチ)、酸漿(サンショウ)ヌカヅキ |
英語名 | Chinese Lantern Plant , Winter Cherry , Grand Cherry |
開花期 | 6月~7月 |
原産地 | 東南アジア |
鬼灯(ほおずき)はいつの誕生花?
鬼灯が誕生花として当てられている日にちは、次の通りです。
- 7月7日、8日、9日
- 8月12日、14日、27日
- 11月12日
- 12月22日,29日
鬼灯(ほおずき)の名前の由来
鬼灯の名前の由来には様々な説がありますが、以下の3つの説が濃厚のようです。
- 実が赤く、怪しげな灯に見えることが由来
- 実の皮部分だけを口に含み、音を鳴らす遊びの様子(頬突き)が由来
- ホホ(カメムシ類)が付くことが由来