花言葉

吾亦紅(ワレモコウ)の花言葉の由来・意味・誕生花

夏から秋にかけて、高原に小さな赤紫の彩りを加える吾亦紅(ワレモコウ)。

決して目立つ花ではありませんが、名前の由来や花言葉に親しみを感じる人、また吾亦紅を求めて高原を訪れる写真愛好者など、根強いファンを誇る山野草です。

ここでは吾亦紅の花言葉や名前の由来、ガーデンニングにピッタリな吾亦紅の品種、また育て方など吾亦紅の魅力をたっぷりとお伝えします。

吾亦紅(ワレモコウ)の花言葉

まずは吾亦紅の花言葉と、花の特徴を紹介していきます。

吾亦紅の花言葉

吾亦紅の花言葉 感謝、物思い、愛慕、移り行く日々、明日への期待

華やかな色合いや特徴のある葉を持つことが無く、周りの風景に溶け込んでいる吾亦紅。花言葉にも、吾亦紅らしい控えめな言葉が並んでいますね。

風に揺れる吾亦紅はどこか物悲しさや孤独さがあり、また周りに流されることなく自然に感謝し、移ろう時を眺めているように見えます

その様子が花言葉として表現されているようです。

吾亦紅の花はどんな花?色や葉っぱは?

吾亦紅は北海道から九州まで幅広く分布しており、環境を選ぶことなく自生しています。

花は赤紫~茶系の色をしており、花びらはありません。細長い茎の先に極小さな花を密集して咲かせる姿は、マッチ棒にも例えられます。

葉っぱは小判のような楕円形で、縁がギザギザしているのが特徴です。

オリジナルキャッチコピー

景色に溶け込み 秋風に揺られながら時を眺める

類似の花言葉を持つ花はこちら

10月/10月12日/10月28日/10月30日/11月/11月19日/11月7日/8月/8月23日/8月25日/9月/9月22日/9月24日/9月30日/「愛」を意味する花言葉を持つ花/「感謝」を意味する花言葉を持つ花/ガーデニングに使いたい花/赤い花の花言葉/野原で観察したい花/

花言葉に関する逸話「吾亦紅と源氏物語・短歌・句」

落ち着いた花色、細長い茎、小さな花穂…吾亦紅には「孤独」「寂し気」という印象があるようです。花言葉にもこれといって目立った表現はないのは、花の容姿も関係しているようです。

源氏物語にも登場する吾亦紅

「老いを忘るる菊 衰えいくフジバカマ ものげなきワレモコウ」

源氏物語にはこのような一説があります。

「老いを知らない菊 衰えていく藤袴 見栄えせぬ吾亦紅」といった意味があり、あまり良い意味としては使われていません。

しかし源氏物語のような文献に登場すること自体が、吾亦紅の素晴らしさとも言えます。吾亦紅に惹かれるのは、主張しすぎない存在感という魅力があるからなのかもしれません。

中秋の季語として用いられる吾亦紅

吾亦紅は梅雨時から開花しますが、色が長く残るため秋のイメージが強いようです。

中秋の季語としても用いられ、昔から多くの歌人や俳人が吾亦紅にちなんだ句や短歌を詠んでいます。

  • 此秋も 吾亦紅よと 見て過ぎぬ(加舎白雄)
  • ばらばらに 紅し風の子 吾亦紅(高橋淡路女)
  • 吾亦紅 すすきかるかや秋草の さびしききはみ 君におくらむ(若山牧水)
  • 何ともな 芒(すすき)がもとの 吾亦紅(正岡子規)

また、吾亦紅が静かに咲いている様子を呼んだ句もあるようです。

  • 吾亦紅 さし出て花の つもりかな (小林一茶)
  • 吾も亦(われもまた) 紅なりと ひそやかに (高浜虚子)
  • さしそえて 淋しき花の 吾亦紅(三橋鷹女)

派手な花ではないにしろ、文献や句、短歌にも登場することが多い吾亦紅。深い歴史を持った花といっても過言ではないようです。

陰の立役者!シーンで選ぶ吾亦紅(ワレモコウ)

花壇や高原に咲いていても、あまり目立つことのない吾亦紅。自己主張しない花だからこそ、全体を引き締める役割を担う存在として重宝されています。

花束や生け花に

吾亦紅は、花束や生け花のワンポイントとして用いられています。吾亦紅を加えることでナチュラル感や色合いのバランスが生まれます。

中秋の名月に

中秋の名月の演出に、ススキと一緒に活けられることが多いのも吾亦紅。秋の風物詩をより趣のあるものに仕上げてくれます。

秋の花壇の名脇役に

秋の花壇にも大活躍の吾亦紅。特に雑草感を感じさせない姫吾亦紅(ヒメワレモコウ)は、ナチュラルガーデンを愛する人にとって欠かすことが出来ない存在となっています。

吾亦紅(ワレモコウ)の種類にはどんなものがある?

吾亦紅にはいくつかの品種がありますが、あまり大きな個体差はありません。とはいえ、少しずつ特徴が異なります。

屋久島吾亦紅(ヤクシマワレモコウ)

純な吾亦紅よりも草丈が小さく、20cm程度にまでしか成長しない屋久島吾亦紅(ヤクシマワレモコウ)ガーデニングに使われることが多い品種です。

オランダワレモコウ(サラダバーネット)

食用の吾亦紅として流通しているオランダワレモコウハーブとして扱われることも多く、別名・サラダバーネットとも呼ばれています。

長穂白花吾亦紅(ナガボノシロバナワレモコウ)

花の部分(花穂)が長く、白い花を咲かせる長穂白花吾亦紅(ナガボノシロバナワレモコ。成長すると草丈が100cmを超える比較的大きな品種です。

吾亦紅(ワレモコウ)に似た花にはどんなものがある?

吾亦紅のように、穂先に少しだけ花を咲かせる野生草は意外と多いものです。特に吾亦紅と間違われやすいのは、次の2種ではないでしょうか。

伊吹虎ノ尾(イブキトラノオ)

吾亦紅とそっくりな花穂をしている伊吹虎ノ尾(イブキトラノオ)花色は白~ピンク色で、北海道から九州まで広く分布しています。

唐糸草(カライトソウ)

唐糸(絹)のような繊細な花糸を穂のように咲かせる唐糸草(カライトソウ)。色はピンク~紅色で、本州の高原を中心に分布しています。

吾亦紅(ワレモコウ)の購入時に留意したいこと

 

吾亦紅は耐寒性・耐暑性ともに優れており、園芸初心者にもおすすめです。吾亦紅の購入にあたり、留意しておきたいことは次のようになります。

吾亦紅の種と苗、どちらの購入がおすすめ?

吾亦紅は種からも育てられますが、苗から育てるのが一般的です。多年草ですので、一度植えれば毎年咲き続けます。

吾亦紅の出回り時期

2月~3月の植え付け時期に多く出回りますが、通年販売している園芸店も多いようです。

吾亦紅(ワレモコウ)の育て方・水やり

吾亦紅は鉢でも庭植えでも育てられます。それぞれの育て方を紹介します。

鉢植えでの育て方・水やり

花苗用の培養土を使用し、ポット苗から鉢に植え替えます。植え替えた後は、日当たりが良い場所へ置きましょう。

水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと与えてください。特に夏は水枯れしやすいので、1日に2回(朝と夕)に与えるようにしましょう。

庭うえでの育て方・水やり

植え付けは2月~3月に行います。日当たりが良く、土が柔らかい場所がおすすめです。

水やりは特に必要なく、雨の水分だけで育ちます。ただし、日照りが続き雨が少ない時期は、たっぷりと水を与えてください。

吾亦紅(ワレモコウ)の特徴・誕生花・名前の由来

最後に、吾亦紅の特徴、名前の由来、誕生花などを紹介します。

吾亦紅の基本情報

目・科・属 バラ目・バラ科・ワレモコウ属
和名・別名 吾亦紅、ワレモコウ、吾木香、割木瓜・胡瓜草、地揄
英語名 Great Burnet、Garden Burnet、Great Bloodwor
開花期 6月~10月
原産地 日本、シベリア、朝鮮半島、中国

参照:Wikipedia ワレモコウより

吾亦紅(ワレモコウ)はいつの誕生花?

吾亦紅が誕生花として当てられている日にちは、8月23日、8月25日、9月22日、9月24日、9月30日、10月12日、10月28日、10月30日、11月7日、11月19日です。

吾亦紅(ワレモコウ)の名前の由来は?

吾亦紅の名前の由来には、次のような説があります。

  • 吾亦紅の蕾が木瓜文(もっこうもん・家紋のひとつ)を割ったような容姿をしているため。割れ木瓜文(ワレモッコウモン)が由来。
  • 日本独自の木の香りがするため。吾木香(ワレモッコウ)が由来。
  • 花色が茶色や黒にも見えるが、よく見ると紅色をしている容姿。「吾も亦(また)紅」が由来。
  • 「我もこうありたい」が語源。「吾亦紅のように慎ましくありたい」といった意味のほか、地味な吾亦紅が他の花を見て羨ましがっている様子。