菊は秋を代表する花で、天皇家の紋章にも使われていることで有名です。10月には全国各地で菊花展、菊祭りや菊人形展など、多くの催し物が開催されますね。
古くから日本人に愛されてきた菊の花ですが、花の色ごとにそれぞれ違った花言葉があることをご存知ですか?
ここでは、菊の花言葉とともに、購入時のポイントや菊の名前の由来などをご紹介します。
菊の花言葉
それでは早速、菊の花の花言葉を見ていきましょう。
菊の花言葉の意味
菊の花全体の花言葉 | 高潔・高貴・高尚 |
白い菊の花言葉 | 真実 |
赤い菊の花言葉 | あなたを愛しています |
黄色い菊の花言葉 | 破れた恋 |
菊の花言葉である「高潔」「高貴」「高尚」は、気品あるれる菊の花の姿に由来していると言われています。
菊といえば一本の茎に大輪を咲かせる大菊のイメージを持つ方が多いと思いますが、その姿はやはり花言葉の通り、凛と気高い雰囲気を持っていますね。
野菊の花言葉
野菊の花言葉は「清爽」で、非常に爽やかな感じがしますね。花言葉はこのひとつのみ。野生に群生している野菊のその清廉な印象を、そのまま反映した言葉が花言葉になりました。
嵯峨菊の花言葉
古く京都の嵯峨を発祥地とする嵯峨菊の原種は、大覚寺大沢の池に自生をしていたと言われています。花言葉は「高潔」「貞節」「清浄」「高貴」「僅かな恋」となっています。
ポンポン菊の花言葉
ポンポン菊の名前の由来は、玉房状の飾りからきています。可愛らしい名前ですね。花言葉はたくさんあって「高潔」「高貴」「高尚」「君を愛す」と菊と同じ花言葉の他に
「私を信じてください」「女性的な愛情」「うれしい夢」とポンポン菊固有の花言葉があります。
オリジナルキャッチコピー
高貴なるかたちに瞳を奪われて 想いを馳せる秋の空
類似の花言葉を持つ花はこちら
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菊の花言葉に関する逸話『重陽の節句』
9月9日は「十陽の節句」です。古くから中国では奇数は「陽の数」で縁起が良い数とされていて、9月9日は陽の数のうち最も大きな数が重なったおめでたい日「十陽の節句」と定めていました。
中国から日本へと伝わった催しが、私たちの文化や風習と混ざり合い「節句」と定められた日付が5日あります。
- 1月7日 人日の節句(七草)
- 3月3日 上巳の節句(桃の節句)
- 5月5日 端午の節句(菖蒲の節句)
- 7月7日 竹の節句(七夕)
- 9月9日 十陽の節句(菊の節句)
古代中国では、菊は不老長寿の霊薬と信じられていました。
この節句の日に強い香りのする木の実を身につけて山へと登り、山上で菊の花びたを浮かした菊酒を酌み交わしながら、長寿・無病息災を願うという習慣がありました。
平安時代にそのことが日本へと伝わると、十陽節として宮中で大切な行事の一つとなりました。
菊の花を贈る時に気をつけたいこと
大切な方に菊の花を贈る際、気をつけたいことはあるのでしょうか。
菊の花言葉は怖い?
仏壇などにお供えする花としての印象が強い菊ですが、ブーケやお祝いの花として贈る花束に使っても、全く問題のない縁起の良い花です。
花言葉に関しても、菊の花言葉に怖い意味を持った花言葉は存在しません。ですから、何の気兼ねもなくプレゼントとして贈ることができます。
仏花としての菊
仏花として葬儀や仏事でお供えするときに使う菊は、一般的には白い菊が良いとされています。
白い菊の花言葉は「真実」で、死と向き合うという役割があるとされていて、邪気を払う香りがするとも言われています。
菊の花を仏花としてお供えするときには、宗派によってそれぞれに決まりごとがありますので、それを第一に尊重して選ぶようにしましょう。
贈り物としての菊
贈り物として菊を選ぶ際は、色の鮮やかなものを選ぶと良いでしょう。最近ではたくさんの種類の洋菊も出回っていますので、大ぶりなものから小ぶりなものまで、イメージにぴったりのものが見つけられるはずです。
仏花のイメージが付きまとってしまうお花ですので、菊だけのブーケよりはその他のお花も混ぜてアレンジメントにすると贈りやすいですね。
寒菊の花言葉
実は「寒菊」という名前の菊はなく、冬季に花を咲かせる菊全体を寒菊と呼びます。寒菊の花言葉は「けなげな姿」「繊細」「真の強さ」「忍ぶ恋」です。
プレゼントとして贈る際に気をつけたい花言葉は「忍ぶ恋」で、異性の方に贈る時には、不必要な誤解を招かないようにする必要があるかもしれません。
菊の花の購入時に留意したいこと
お花を誰かに贈るときは、思った通りの物を差し上げたいですよね。ここでは、菊の花を購入する際のポイントをご紹介します。
取り扱っている時期
切り花として日本での流通量がトップである菊の花は、通年流通しています。一年中出回ってはいますが、菊の旬は秋で、9月10月が最盛期となります。
その時期になると、どのフラワーショップや小さなお花屋さんも、たくさんの菊の花を取り揃えています。秋の菊は種類が豊富で、色のノリも一段と綺麗で美しいです。
菊の花の種類
和菊の種類には、江戸時代に造りだされた「古典菊」というものと、花びらの大きさごとに「大菊」「中菊」「小菊」というものがあります。
古典菊の代表的な品種は「江戸菊」で、江戸時代には「中菊」と言えばこれを指すほど庶民に親しまれていました。
現在では、一般的な一輪咲きタイプの菊を「輪菊」、小さな花がいくつも咲くスプレータイプの菊を「小菊」と呼びます。
市場には多くの洋菊も出回っていて、その中でも一輪咲きタイプを「ディスバッドマム」または「マム」と言い、スプレータイプを「スプレーマム」と言います。
購入の手順
特定の品種の菊の花を購入したい場合は、近くのお店に在庫があるか連絡をしてから出かけましょう。
ブーケ(花束)にするかアレンジメントにするかを、まずは店員の方に伝えます。菊の花の他にも入れてもらいたい花と、ラッピング用の包装紙やリボンなどの素材を選びます。
大抵のお店には、ラッピング用素材のサンプルが置いてあるので、その中から選んで決めましょう。
もしも、自分でなかなか決めることができない時は、店員の方に相談をして一緒に決めてもらうとスムーズに完成しますよ。
菊の保管方法
プレゼントとしていただいた菊の花は、どのように保管しておけば長く楽しめるのでしょうか。
菊の花束(ブーケ)
お花をいただいたら、まずは包装紙などのラッピング素材をすべて外します。悪くなってきているお花があればそれも省いてください。
菊の切り花はとても日持ちが良く、真夏等のとても暑い時期でない限りは、2〜3週間は綺麗なままでいます。
菊を活ける時には、花瓶の中で水についてしまう葉を取り除きます。脇芽のように見える小さな葉も、取り除かないと水中で腐ってしまい、水を濁らす原因になります。
茎はハサミでは切らず手で折って、繊維が残るような感じにすると、水あげが良くなり長持ちます。
水は出来れば毎日変えて、茎の折れ口が痛んできたら、その都度手で折ってあげてください。
菊の鉢植え
いただいた鉢植えは、そのままではよく育ちませんので、一回り大きな鉢に植え替えます。
その際、土は水はけの良い土を使いましょう。花つきを良くするために、9月上旬までは15日〜20日に1度、リン酸成分の多い肥料をあげます。
水やりは、やり過ぎてしまうと根腐れをしてしまうので、鉢植えの土の表面が完全に乾いてから水をあげてください。夏には朝夕の1日2回、冬には冬眠期に入るので週1回が水やりの目安です。
菊の特徴や花の名の由来
菊の基本情報がこちらになります。
基本情報
目・科・属 | キク目・キク科・キク属 |
和名・洋名 | イエギク・florists’ daisy |
開花時期 | 5月〜1月 |
原産地 | 中国 |
参考 : Wikipedia キク より
菊の花の誕生花と名前の由来
菊の花が誕生花とされている日付は次の通りです。
9月8日、9日
10月1日、14日、27日
11月3日、27日
12月9日、13日の誕生花
出典 : Chills Laboratory
名前の由来
菊の花の名前の由来には、二つの説があります。ひとつは中国から渡来した際に菊が「kuk(クク)」と呼ばれており、それが日本語になった時に「キク」というようになったという説。
もうひとつは、「窮(きわ)まる」がその語源で、菊が一年の最後に咲く事に由来しているという説です。