秋の山や高原に咲く半円球の花・スカビオサ。日本ではセイヨウマツムシソウ(西洋松虫草)とも呼ばれており、春や秋のガーデニングにも大活躍する山野草です。
とてもきれいな花を咲かせるのですが、スカビオサの花言葉は「怖い」「ネガティブ」「贈り物には不向き」と低評価。それには、ある理由が関係しているようです。
ここではスカビオサの怖くてネガティブな花言葉とその由来、ガーデニングに人気の品種や育て方などを紹介します。
スカビオサ(セイヨウマツムシソウ)の花言葉
まず初めに、スカビオサの花言葉を紹介します。
怖い!ネガティブ!スカビオサの花言葉
スカビオサの花言葉 | 恵まれぬ恋、不幸な恋、私は全てを失った、未亡人、喪失、哀しみの花嫁、失恋の痛手、不幸な愛情、悲哀の心 |
スカビオサの花言葉は「恵まれぬ恋」「不幸な恋」「私は全てを失った」「未亡人」「喪失」「哀しみの花嫁」「失恋の痛手」「不幸な愛情」「悲哀の心」です。
読むだけで悲しくなるような怖くてネガティブな言葉が並んでいますが、なぜこのような花言葉が付いているのでしょうか。
紫色は悲しみの色
実は海外では、紫色は「不幸の色」「悲しみを表す色」とされており、紫や青の花を咲かせる花にはネガティブな花言葉をつける傾向にあるようです。
スカビオサも例外ではなく、上記のようなネガティブな花言葉が付けられてしまいました。とてもきれいな花を咲かせるのに、なんだか残念ですね。
スカビオサはどんな花?花持ちはいい?
スカビオサは、秋の山や高原、公園などに咲く山野草です。秋花壇に映えることから、ガーデニングにも多く使用されています。花色は青、紫、白、ピンク、赤、黄と、とても豊富。
カラーバリエーションだけでなく、咲き方や草丈など、特徴が違う種類がたくさん揃っています。
【スカビオサの種類】
- 一年草・二年草・多年草
- 春咲き・秋咲き・四季咲き
- 草丈10cm~100cm
好みに合わせて種類を選べるのも、スカビオサの魅力と言えるでしょう。花の持ちも7日間~10日間と長く、ガーデニングだけでなく切り花やドライフラワーにしても楽しめます。
オリジナルキャッチコピー
秋風に揺れ 美しく微笑む悲しみの花束
類似の花言葉を持つ花はこちら
10月/10月1日/1月/1月5日/4月/4月12日/4月26日/5月/5月2日/6月/6月16日/6月28日/6月2日/6月30日/7月/7月30日/8月/8月13日/8月23日/8月26日/8月3日/8月5日/「切ない」意味の花言葉を持つ花/「別れ」を意味する花言葉を持つ花/「失恋」を意味する花言葉を持つ花/「怖い」意味の花言葉を持つ花/「恋」を意味する花言葉を持つ花/「悲しい」意味の花言葉を持つ花/「愛」を意味する花言葉を持つ花/ガーデニングに使いたい花/ピンク色の花言葉/嫌いな人やライバルにこっそり贈りたい花/白い花の花言葉/赤い花の花言葉/野原で観察したい花/青い花の花言葉/
花言葉に関する逸話「紫の花と花言葉」
海外では紫色の花に良いイメージが無く、怖い花言葉やネガティブな花言葉が付けられているものが多く存在しています。それには、あるギリシャ神話が関係しているようです。
ヒュアキントスの悲劇
ギリシャ神話に登場する美少年・ヒュアキントスは、太陽神・アポロンと風を司る神・ゼフィロスのお気に入り。
ある日、ヒュアキントスとアポロンが円盤投げをして遊んでいたところ、ゼフィロスが邪魔に入ります。風を吹かせ、円盤をあらぬ方向へと飛ばしてしまいました。
不幸なことに円盤はヒュアキントスの頭に当たり、それが原因でヒュアキントスは死んでしまいます。
頭部から流れ出た血は地面に溜まり、そこから紫色の美しい花が咲きました。その花はヒュアキントスの名前にちなみ「ヒヤシンス」と名付けられました。
ヒュアキントスの悲劇から生まれたヒヤシンスには「悲しみ」という花言葉が付けられています。
このヒヤシンスの例のように、紫色の花に怖い花言葉やネガティブな花言葉が付けられるようになった背景には、この神話が原因となっています。
ガーデニングにピッタリ!スカビオサの品種・種類
スカビオサの品種はとても多く、その数は80種類以上ともいわれています。その中から、特にガーデニングに人気の品種や種類を集めてみました。
タカネマツムシソウ(高嶺松虫草)
日本原産・マツムシソウの突然変異(高山型変種)として生まれたタカネマツムシソウ(高嶺松虫草)。一年草~二年草で、花の大きさは5cm程度とやや大きめ。紫や白などの花色があります。
タカネマツムシソウは中部地方以北や四国に自生していますが、年々数が減少しています。絶滅の恐れも心配されていますので、見かけても摘まずに見守ってあげてくださいね。
コーカサス・マツムシソウ
コーカサス地方に自生しているコーカサス・マツムシソウ。花色は青で、花径8cm~10cmほどの大輪の花を咲かせます。四季咲きの多年草ですが、耐暑性に弱く夏越しができないこともあるようです。
ステルンクーゲル
ステルンクーゲルはドイツ語で「星の球」という意味があります。花ではなく結実状態を観賞する珍しいスカビオサで、カサカサした触感が人気です。状態によって色が異なりますが、白・緑・茶などが多く見られます。
アトロプルプレア
春咲きの一年草~二年草で、カラーバリエーションが豊富なアトロプルプレア。アトロプルプレアの中にも様々な種類があり、茎の長さや花径は様々。新しい花がどんどん咲くので、長期間花が楽しめます。
オクロレウカ
秋に開花する多年草のスカビオサ・オクロレウカ。花色は白~クリーム色で花径は2cm~3cmと小さめ。雪の結晶のようなロマンティックな花を咲かせます。
スカビオサの他にも!怖い花言葉を持つ花
スカビオサ以外にも、怖い花言葉やネガティブな花言葉を持つ花は多数存在します。その一部を紹介しましょう。
花言葉「絶望の恋」コリウス
カラーリーフの代表格・コリウス。花言葉は「絶望の恋」です。花が咲くと葉の色が悪くなるため、花を咲かせても摘み取られてしまうことから、このような花言葉が付けられました。
花言葉は「苦痛」アロエ
観葉植物、食材、民間薬など利用価値が高いアロエ。刺さると痛いトゲを持つことが由来し、「苦痛」というネガティブな花言葉が付けられています。
花言葉は「無限の悲しみ」アリウム
ボンボンのような丸い球体の花が魅力のアリウム。花言葉は「無限の悲しみ」です。花から茎にかけてのフォルムが「悲しみに暮れて呆然と立ち尽くす人」のように見えることが由来となっているようです。
花言葉は「孤独な固まり」プルモナリア
耐陰性に強く、鮮やかな花色で日陰を彩るプルモナリア。肺の伝染病の治療薬に使われていたことがあることから、隔離を表現した「孤独な固まり」という花言葉が付けられています。
スカビオサを育てる前に知っておきたいこと
秋の山や高原などに咲くスカビオサは、耐寒性には強く高温多湿な気候には弱い性質を持っています。
特に西日本など温暖な地域では、梅雨や夏に耐えられず枯れてしまうこともあるようです。
出来れば鉢植えで育て、梅雨の時期や夏場は涼しい場所で管理することをおすすめします(詳しくは次章「スカビオサの育て方」を参考にしてください)。
スカビオサの育て方・水やり・管理
スカビオサは種から育てることもできますが、ここでは比較的根づきやすい扱いやすい「苗からの育て方」を紹介していきます。
スカビオサの植え付け期・植え方
スカビオサの苗の植え付けは3月~4月、または9月~10月が適期です。鉢植えで育てる場合は、山野草用培養土か草花用培養土を使用します。
地植え(庭植え)の場合は日当たりと水はけが良い場所を選び、事前に苦土石灰を蒔いて土壌をアルカリ性にしておきましょう。
スカビオサの水やり
スカビオサは多湿を嫌います。地植えの場合、根付いたあとは降雨だけで育ちますが、乾燥が続いた時には水やりを行ってください。鉢植えの場合は土が乾いたらたっぷりと与えましょう。
スカビオサの夏越し
冷涼な環境を好むスカビオサは、高温多湿が苦手です。梅雨の時期や夏は直射日光を避け、涼しい環境を作ってあげましょう。
鉢植えの場合は風通しの良い明るい日陰へ移動させ、地植えの場合は遮光ネットなどを用いて日光を避ける、または腐葉土などでマルチングして地表の温度を抑えましょう。
品種によっては、ここで紹介した育て方に当てはまらないものもあります。苗ラベルを見て、品種に合った育て方を心掛けてください。
スカビオサの特徴・名前の由来・誕生花
最後はスカビオサの基本情報です。英語名や誕生花、名前の由来などを紹介します。
スカビオサの基本情報・英語名
目・科・属 | マツムシソウ目・マツムシソウ科・マツムシソウ属 |
和名 | スカビオサ、マツムシソウ(松虫草)、セイヨウマツムシソウ(西洋松虫草) |
英語名 | Pincushion flower,、Sweet scabious |
開花時期 | 春咲きは4月~6月、秋咲きは9月~10月など。品種によって異なる。 |
原産国 | ヨーロッパ、ユーラシア、南アフリカなど。マツムシソウは日本原産 |
スカビオサはいつの誕生花?
スカビオサが誕生花に当てられている日にちは、1月5日、4月12日、4月26日、5月2日、6月2日、6月16日、6月28日、6月30日、7月30日、8月3日、8月5日、8月13日、8月23日、8月26日、10月1日、10月5日です。
スカビオサ・マツムシソウの名前の由来は?
スカビオサ・マツムシソウの名前は、次のようになります。
【スカビオサ(Scabiosa)の名前の由来】
- 皮膚の病気「疥癬(かいせん)」を意味するラテン語「scabiea」が語源。スカビオサが疥癬を治す薬草として使われていたことが由来。
【マツムシソウ(松虫草)の名前の由来(諸説あり)】
- マツムシが鳴く頃に花が咲くことが由来
- 花が終わった後の姿が、仏具の松虫鉦(マツムシガネ)に似ていることが由来