公園や庭の木陰などで見かけることが多いドクダミ。春になると白く可愛らしい花を咲かせ、木陰を優しく彩ってくれます。
一方で、「匂いがきつい」「頑固な雑草」として煙たがられる一面もあり、花言葉もその生態にまつわるものが付けられているんですよ。
ここではドクダミの花言葉とその由来、見方が変わる「観賞用ドクダミ」の種類と育て方、また増えすぎて困った時の対処法など、ドクダミの世界をたっぷりとお届けします。
ドクダミの花言葉
それではさっそく、ドクダミの花言葉をみていきましょう。
ドクダミの花言葉
ドクダミの花言葉 | 野生・白い追憶・自己犠牲 |
ドクダミの花言葉は「野生」「白い追憶」、そして「自己犠牲」です。それぞれの由来は後述する「花言葉に関する逸話」で紹介しますね。
花色は?ピンクはある?
ドクダミの花色は、白い方と黄色の花穂だけであり、ピンクや赤などといった花色はありません。ハートの形をした葉は深緑~黄緑で、ツタは緑~赤紫色。良く見るととてもきれいな色彩を持っているんですよ。
ドクダミの利用法は?毒性はある?
ドクダミは花や葉を観賞するほかにも、様々な利用方法があります。
- 葉を乾燥させ、煎じてドクダミ茶に
- お風呂に浮かべてドクダミ風呂に
- グリセリンなどと合わせて化粧水に
- 葉を天ぷらに調理
「ドク(毒)ダミ」という名前が付いていますが、ドクダミ自体に毒性はありません。名前の由来は、後半の「ドクダミの特徴・名前の由来・誕生花」で紹介します。
ドクダミには10種類の薬効があるといわれ、「十薬」という別名も付けられています。ただし、体質に合わないこともありますので充分注意しましょう。
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日陰の立役者 能ある花は爪を隠す
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花言葉に関する逸話「ドクダミの花言葉の由来」
それでは、花言葉の由来に移りましょう。ドクダミの花言葉は3種類。「野生」「白い追憶」「自己犠牲」、それぞれの由来を解説していきます。
ドクダミの花言葉①「野生」
ドクダミはとても繁殖力が強く、地下茎でどんどん仲間を増やします。草取りをしても、根が一部でも残っていたら再び繁殖。この旺盛な生命力が由来となり「野生」という花言葉が付けられました。
ドクダミの花言葉②「白い追憶」
「追憶」とは、過去を思い出して懐かしむことを意味します。ドクダミが咲いている公園で遊んだ、独特の香りが忘れられない…など、印象に残る容姿や生態を持つことから「白い追憶」という花言葉が付けられています。
ドクダミの花言葉③「自己犠牲」
ドクダミは「十薬」とも呼ばれ、10種類の薬効があるといわれています。自己の命を犠牲にして人々の役に立つ姿から付いた花言葉が「自己犠牲」になります。
観賞用も!ドクダミの種類
雑草としては煙たがられがちですが、ドクダミの種類には観賞価値の高いものもあるんですよ。
八重咲きドクダミ
苞が幾重にも重なり、立体的な三角形になる八重咲きドクダミ。その姿はドレスのようにもピラミッドのようにも見え、ガーデニングにも取り入れられています。
五色ドクダミ(カメレオン)
白や赤、緑や紫など、葉に様々な色が入る五色ドクダミ。別名は「カメレオン」です。花壇を彩るカラーリーフとして人気があります。
三色斑ドクダミ
葉の縁がピンクや白になる三色斑ドクダミ。五色ドクダミと同様カラーリーフとして人気がありますが、流通量が少なく園芸店舗に置いていないことも多いようです。
ドクダミを育てる前に注意して欲しいこと
乾燥させてドクダミ茶に、お風呂に入れてドクダミ風呂に、自分で育てたドクダミは安心して利用できるメリットがあります。
一方で、注意しておきたいポイントもありますので、ドクダミを育てる前に必ず一読してくださいね。
酸性土壌を好むドクダミ。増えすぎに注意!
ドクダミは酸性の土壌を好みます。日本の土壌は酸性が多く、ドクダミにとっては最適な環境といえるでしょう。
もともと繁殖旺盛なドクダミが酸性土壌に根付くと、瞬く間に増えてしまいます。増やしたくない場合は鉢植えで育て、根を張らせないよう注意してください。
独特な匂いが苦手な人も
ドクダミの葉やツタ、茎部には独特な匂いがあり、海外では「魚のような生臭さ」と言われることも。心配な人は公園などでドクダミを探し、事前に匂いをチェックしてから購入することをおすすめします。
八重咲きドクダミの育て方・水やり
観賞用の山野草として、ドクダミ茶を作る原料として、ドクダミを育てている人は意外と多いんですよ。ここでは観賞用として人気の八重咲きドクダミの育て方を紹介します。
八重咲きドクダミ苗の植え付け期・植え方
ドクダミを育てるのは、とても簡単です。植え付けは4月か10月が適していますが、真冬以外であればだいたい大丈夫です。
鉢で育てる場合は草花専用の培養土を使用します。庭植えであれば日陰~半日陰に鉢や専用シートなどで根域制限をしてから植え付けてください。
八重咲きドクダミの水やり方法・先祖返り
水やりは、土の表面が乾いてから行います。やや湿った土壌を好むので、受け皿の水は破棄せずにそのままで構いません。庭植えの場合、水やりは不要です。
また、八重咲きドクダミの中に一重咲きが咲くケースがあります。それは先祖返りです。
ドクダミに限らず園芸品種に度々起こる症状で、原種に近い状態の花が咲くことを意味します。直ぐに引き抜き、増殖しないよう気を付けましょう。
増えすぎたドクダミを駆除するおすすめの方法
地下茎でどんどん増え続けるドクダミ。庭植えしたドクダミが増えすぎて、困った経験がある人も多いのではないでしょうか。
手作業で抜くと根が残り、そこから再び増えていきます。再発しないよう、なるべく早めに除草剤を蒔きましょう。おすすめは、グリホサート系の除草剤です。
グリホサート系の除草剤
グリホサート系除草剤とは、葉にかけると茎を経由し、根まで枯らしてしまう除草剤です。ドクダミ、ササ、スギナなど頑固な雑草を枯らすのに用いられます。
グリホサート系除草剤のメリットは、土に成分が残らないこと。後に植える植物に影響しないのは嬉しいことですよね。
除草剤を使用する時には、枯らしたくない植物を避け、誤って掛けてしまわないよう充分に気をつけてください。
除草剤を使用しない方法
小さなお子さんがいる、ペットを飼っているなど、何らかの理由で除草剤が使用できない(使用したくない)ご家庭もあるでしょう。
そんな時には、手作業でドクダミを抜いたあとに次のような方法を試してもいいかもしれません。
- 熱湯をかける…熱により、根が枯れてしまいます。
- 苦土石灰を撒く…ドクダミはアルカリ性の土壌に弱い傾向があります。
どちらの方法も、完全に根が死滅するとは限りません。少しでも根が生き残っていると再び発芽しますので、その都度抜いて除去しましょう。
雑草の駆除に塩を撒くのは絶対にNG
よく「塩を撒けば雑草が枯れる」という話を聞きますが、これは絶対にやってはいけない方法です。
【塩を撒くことで考えられるデメリット】
- 塩が土壌に残り、他の植物が育たなくなる
- 雨水などによって敷地外に流れ出ると、隣家や付近の田畑などに影響をもたらす
- 家の基礎(鉄筋など)を酸化させる恐れがある
塩を使用する方法は、除草剤を使うよりも安全に思えるかもしれません。しかし、デメリットが大きく、取り返しが付かなくなる恐れがあります。絶対に止めておきましょう。
ドクダミの特徴・名前の由来・誕生花
最後はドクダミの基本情報です。誕生花や英語名、名前の由来などを紹介していきます。
基本情報・英語名・花の季節
目・科・属 | ドクダミ目・ドクダミ科・ドクダミ属 |
和名・別名 | ドクダミ・十薬 |
英語名 | Fish Mint、Fish Herb、 fishwort |
開花時期 | 5月~7月 |
原産国 | 日本、中国、東アジア、東南アジア |
ドクダミは日本だけでなく、アジア全域に繁殖している落葉性の雑草です。5月から6月にかけて白い花を咲かせますが、花びらに見ているのは苞と呼ばれる葉のようなもの。
本当の花は中心部の黄色い花穂部分なのですが、一般的には白く見える苞の部分が花と認識されています。
ドクダミはいつの誕生花?
ドクダミが誕生花に当てられている日にちは、5月15日です。この日はカーネーションやカンパニュラ、サンダーソニアやワスレナグサの誕生花にも当てられています。
英語名の名前の由来は?
ドクダミの名前の由来は、次のようになります。
- 和名「ドクダミ」…「毒矯み(意味:毒を抑える)」「毒痛み(痛みを和らげる)」「毒を溜めているような香り」など、諸説あり。
- 英語名「Fish Mint」「 Fish Herb」「 fishwort」…ドクダミの匂いが魚に似ていることが由来。
- 中国語「魚腥草」…「腥」は生臭い匂いという意味。英語同様、ドクダミの匂いが由来。