花言葉

ヒナゲシ(雛芥子)の花言葉の由来・意味・誕生花

薄い和紙で作られたような趣のある花、ヒナゲシ(雛芥子)。群生して風に揺れる風景は風情があり、ずっと見ていられるような癒しの空間を作り出してくれます。

優しい雰囲気を持つヒナゲシの花ですが、一方で「大麻の材料」「毒性がある」との噂も。残念ながら花言葉もまた、噂に関連した言葉が付けられているんですよ。

ここではヒナゲシの花言葉とその由来となった逸話、人気の品種や毒性の有無、育て方などを紹介していきます。

ヒナゲシ(雛芥子)の花言葉

まずは、ヒナゲシの花言葉から紹介します。

色別!ヒナゲシの花言葉

ヒナゲシ全体の花言葉 慰め、心の平静、別れの悲しみ、陽気、思いやり、恋の予感
赤いヒナゲシの花言葉 慰め、感謝
白いヒナゲシの花言葉 忘却、眠り

ヒナゲシの花言葉は、全体の花言葉色別の花言葉に分かれており、さらにポジティブなものとネガティブなものとに分かれています。

それぞれの花言葉の背景には「ギリシャ神話」「中国の伝説」が関係しているのですが、この話は「花言葉に関する逸話」で詳しく紹介しますね。まずは、ヒナゲシの特徴を見ていきましょう。

ヒナゲシはどんな花?季節はいつ?

ヒナゲシの花は、4月~7月に開花する一年草です。花色はピンクや赤、白や複色があり、咲き方も一重咲きと八重咲とバリエーションに富んでいます。

草丈は70cm~100cmほどになりますが、茎はそよ風に揺れるほどに細い1本立ち。花径は5cm~8cmほどになり、花びらは薄い和紙で作られたような触感で紙風船に似た趣を持っています。

おすすめの育て方は?

ヒナゲシは鉢に1本で植えるよりも、プランターや花壇に群生して育てた方が見ごたえがあります。

和風の庭にも洋風の庭にも合い、主役にも脇役にもなれるヒナゲシ。春から初夏のガーデニングにおすすめですよ。

オリジナルキャッチコピー

紙風船で遊んだ懐かしい記憶 雛芥子の花と共に蘇る

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花言葉に関する逸話「ギリシャ神話と中国の伝説」

ヒナゲシの花言葉の由来は、ギリシャ神話と中国の伝説が関係しています。ひとつずつ見ていきましょう。

ギリシャ神話「デメテルの悲しみ」

豊穣の女神・デメテルには、ペルセポネというとても美しい娘がいました。その美しさが冥界の王・ハデスの目に留まり、ペルセポネはハデスに連れ去られてしまいます。

悲しみにくれ不眠に陥ったデメテルに救いの手を差し伸べたのが、眠りの神・ヒュプノス。デネテルに癒しと睡眠をもたらすケシの実を与え、そのおかげでデメテルはやっと眠りにつくことが出来たのでした。

デメテルの「別れの悲しみ」をヒュプノスが「慰め」、デメテルは「感謝」したのち「心の平安」「忘却」「眠り」を得ることが出来ました。

この神話からは花言葉の由来だけでなく、ヒナゲシに囁かれる良からぬ噂の原点が見え隠れしていますね。

中国の伝説「虞美人草」

劉邦と覇権争いをしていた楚の武将・項羽。しかし劉邦の勢力に敗北を悟った項羽は、最後に宴を開きます。そこで愛妃・虞姫(虞美人)「垓下(がいか)の歌」という別れの歌を贈りました。

虞美人は歌に合わせて舞い、最期の戦いの足かせにならぬよう自決の道を選んだのでした。

その後、虞美人の墓の傍に真っ赤な花(ヒナゲシ)が咲きます。人々は虞美人の生まれ変わりとして「虞美人草」と名付けたのでした。

項羽との「別れの悲しみ」を思いながらも、最後の宴は「陽気」に舞い、「思いやり」から自ら命を絶った虞美人。「恋の予感」は、生まれ変わった虞美人(赤い花)に授けられた言葉だといえるでしょう。

ヒナゲシとポピーの違いとは?

ヒナゲシとポピーは同じものだと思っている人も多いかもしれませんが、そうではありません。その違いを解説します。

ヒナゲシとポピーは同じではない?

ポピーはケシ科全体を表す言葉であり、ヒナゲシもその中のひとつ。ガーデニングに人気のアイスランドポピーオリエンタルポピー、カリフォルニアポピーも同じようにポピーの仲間になります。

【それぞれの違い・特徴】

  • ヒナゲシ…4月~7月に開花。ポピーの中では花は小型ですが、草丈は70cm~100cmと大きく育ちます。
  • アイスランドポピー…開花時期は2月~5月とヒナゲシよりも早め。草丈は30cm程度と小柄です。
  • オリエンタルポピー…最大20cmにもなる花を咲かせる大輪種。草丈は70cm~100cm程度で、開花は5月~6月です。
  • カリフォルニアポピー…別名「ハナビシソウ」。4月~6月に開花し、草丈は20cm~60cm、花径は5cm~7cm程度になります。

ポピーの仲間たちはどれも花の姿が似ています。花径の大きさや草丈、開花時期が判断材料に見分けてくださいね。

ポピーの中には毒性を持つものも

ポピーの仲間のひとつにケシ(芥子)があります。ここで多くの人が思い浮かべるのが、麻薬の一種・アヘンではないでしょうか。日本の認識では、

  • ケシ…アヘンの原料になる栽培禁止の花
  • ポピー…ガーデニングに使う花

こうなりますが、ヒナゲシに「ケシ(芥子)」という名前がついているので「毒性がある」と噂されてしまうようです。

もちろんアヘンの原料であるケシは、一般市場で種も苗も出回っていません。現在販売されているヒナゲシ含むポピーの仲間に毒性はありませんので、安心してくださいね。

ヒナゲシの品種・種類はある?

ヒナゲシの種類はさほど多くなく、現在流通している種のほとんどがシャーレーポピーになります。

シャーレーポピー

八重咲きのヒナゲシで、花付きが良いのが特徴です。イギリスのシャーレー地方に住む牧師が改良したことから、シャーレーポピーと名付けられました。花色がミックスされた「ミックス種」が人気です。

リシリヒナゲシ(利尻雛芥子)

北海道・利尻島の固有種で、半透明の黄色い花びらが美しいリシリヒナゲシ(利尻雛芥子)山野草に分類され、種や苗はあまり出回っていません。

ヒナゲシは英語で「Corn poppy(コーンポピー)」。国によってヒナゲシは「コーン畑に生える雑草」と認識されています。

雑草に紛れて咲く「ナガミヒナゲシ」に注意!

草原や道ばたで、ヒナゲシにそっくりなオレンジ色の花を見かけたことはありませんか?それはナガミヒナゲシという種類で、大変危険な花です。

ナガミヒナゲシは、成育が旺盛でどんどん増える性質があるうえ、根や葉からは他の植物の生育を阻害する物質を出しています。

他の花や作物が育たなくなってしまう恐れがあるので、絶対に持って帰らないようにしましょう。

ナガミヒナゲシの花言葉は?

ナガミヒナゲシの花言葉も、ヒナゲシと同じ「慰め」「心の平静」になります。しかし、自宅の庭で見かけたら「心の平静」どころではありません。さっさと除去し、種を残さないようにしましょう。

ヒナゲシの育て方・水やり・管理方法

それでは、ヒナゲシの育て方に移りましょう。丈夫に育てるために必要なポイントを紹介しますので、参考にしてくださいね。

ヒナゲシの植え方・水やり

ヒナゲシの種撒きは、9月~10月に行います。日当たり・水はけ・風通しが良い場所苦土石灰を撒き、土壌を中和してから撒きましょう。覆土は必要ありません。

鉢植えで育てる場合は草花専用の培養土を使用し、日当たりが良い場所で管理してください。

ヒナゲシは、過湿を嫌います。鉢植えの場合は、土が乾いてからたっぷりと与えましょう。庭植えの場合は水やりは不要です。

ヒナゲシの花が咲き終わったら

花が終わると、種が出来ます。翌年以降はこぼれ種で発芽することもありますが、「好みの土壌でないと芽を出さない」という頑固な部分もあるヒナゲシ。「こぼれ種で増える」とは一概に言い難いものがあります。

逆にこぼれ種から発芽させたくない場合は、花が終わったら付け根の部分から切り落とし、種が出来るのを防ぎましょう。

ヒナゲシの特徴・名前の由来・誕生花

最後は、ヒナゲシの基本情報です。英語名、誕生花、名前の由来なども紹介してきます。

ヒナゲシの基本情報・英語名

目・科・属 キンポウゲ目・ケシ科・ケシ属
和名・英語名 ヒナゲシ(雛芥子)・Corn poppy
別名 虞美人草(グビジンソウ)、コクリコ(Coquelicot)、シャーレイポピー
開花時期 4月~7月
花色 赤、白、ピンク、複色など
原産国 ヨーロッパ

参照:Wikipedia ヒナゲシより

ヒナゲシはいつの誕生花?

ヒナゲシが誕生花に当てられている日にちは、2月23日、5月29日、6月15日、8月3日です。これとは別に、ピンク色のヒナゲシは6月15日の誕生花に当てられています。

ヒナゲシ(雛芥子)の名前の由来は?

ヒナゲシの花の大きさがケシ属の中でも比較的小さいことから、“小さくて可愛い”という意味がある「雛」が付けられ、ヒナゲシ(雛芥子)と名付けられました。

また、英語名「Corn poppy(コーンポピー)」ヒナゲシがコーン畑に生えていることが語源となっており、別名「虞美人草」中国の伝説が由来となっています(本文記載)。

市場に多く出回っているヒナゲシの品種名「シャーレーポピー」であり、ヒナゲシの代名詞ともいえるでしょう。「Coquelicot(コクリコ)」フランスでの呼び名になります。