猛暑の日差しの中、燃える炎のような情熱的な花を咲かせるカンナ(ダンドク)。名前は知らなくても、夏花壇や公園、街路などで見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
世界各地で栽培され、愛されているカンナですが、これには探検家・コロンブスの偉業が関係していることを知っていますか?花言葉にも、コロンブスにちなんだ言葉がつけられているんですよ。
ここではカンナの花言葉とその由来、コロンブスとの関係、おすすめの品種や育て方など、カンナの魅力をたっぷりとお伝えします。
カンナ(ダンドク)の花言葉
それではさっそく、カンアの花言葉を見ていきましょう。
花色で異なるカンナの花言葉
カンナ・全体の花言葉 | 情熱、快活、若い恋人同士のように、永遠、妄想、堅実な未来 |
赤いカンナの花言葉 | 堅実な最期、堅実な末路 |
黄色のカンナの花言葉 | 永遠、永続 |
カンナの花言葉は、全体の花言葉と色別の花言葉に分かれています。「情熱」という花言葉は、カンナを発見し、世界各地へ広めた探検家・コロンブスを表現した言葉。
また、情熱的な花の姿からは「快活」「若い恋人同士のように」、花全体が幻想的な雰囲気を持っていることから「妄想」という花言葉が付けられています。
「永遠」「堅実な最期」「堅実な末路」「永続」は、仏教の悟りを開いた仏陀が関係しているようですよ。詳しくは「花言葉に関する逸話」で紹介しますね。
カンナはどんな花?原産は?
カンナは夏に咲く多年草で、原産地は熱帯アメリカ。赤やオレンジ、ピンクや黄色の個性的な花を咲かせます。草丈は100cm~150cmのものが多く、中には人の背丈を軽々と超えてしまうものもあるんですよ。
1492年にコロンブスがアメリカ大陸を発見した際、カンナを含む様々な植物をヨーロッパへ持ち帰り、そこで栽培されたのちに世界各地へと広がったと言われています。
オリジナルキャッチコピー
新大陸で発見された情熱の花 世界各地に火を灯す
類似の花言葉を持つ花はこちら
6月/6月30日/8月/8月13日/8月19日/8月2日/8月30日/8月3日/9月/9月13日/9月21日/「健康」を意味する花言葉を持つ花/「元気」を意味する花言葉を持つ花/「尊敬」を意味する花言葉を持つ花/「永遠」を意味する花言葉を持つ花/オレンジの花の花言葉/ガーデニングに使いたい花/ピンク色の花言葉/友人の日頃のプレゼントに贈りたい花/恋人やパートナーに贈りたい花/演奏会や発表会に贈りたい花/白い花の花言葉/誕生日のお祝いにピッタリな花/赤い花の花言葉/野原で観察したい花/
花言葉に関する逸話「カンナと仏陀の伝説」
カンナの花言葉、「永遠」「堅実な最期」「堅実な末路」「永続」には、仏陀の伝説が関係しているようです。
昔、仏陀の存在を疎ましく思った悪魔がいました。悪魔は仏陀を待ち伏せし、通りかかった仏陀に大きな岩を投げつけます。しかし、岩は仏陀に当たらず、粉々に砕けてしまいました。
飛び散った破片が仏陀の足に当たり、仏陀は負傷。その傷から流れ出た血が大地に浸み込み、怒った大地が悪魔を飲み込んでしまいました。
血が浸み込んだ場所からは美しい花が咲き、のちにカンナと名付けられました。
仏陀の霊力から「永遠」「永続」、悪魔が大地に飲み込まれたことから「堅実な最期」「堅実な末路」という花言葉が付けられたようです。
残る一つの花言葉「堅実な未来」の由来はハッキリとは分かっていませんが、実はこの花言葉に相応しい活動が広がっているようです。
カンナと被爆地・広島
原爆が投下された1カ月後、惨禍の広島の地に最初に咲いた花がカンナだと言われています。広島では、2008年以降「平和運動」の一環として、カンナを育てる取り組みが始まりました。
この取り組みは広島以外の都道府県や、広島の観光友好都市であるフランス・モンサンミッシェル市にも広がっています。
平和を永遠のものにし(永続し)、「堅実な未来」に繋げるよう広がるカンナ。この活動は、まだまだ大きく広がりそうです。
カンナの種類にはどんなものがある?
カンナには原種や園芸品種含め、様々な種類があります。有名な種類や、一般的に入手しやすい種類をピックアップし、紹介します。
ストリアタ・グループ
葉に鮮やかな黄色の斑が入り、カラーリーフとしても楽しめるストリアタ・グループ。花はオレンジ色で、茎は赤紫色。芸術性のあるアート作品のような雰囲気を持つ品種です。
トロピカル・シリーズ
カンナの中でも比較的コンパクトな実生系品種トロピカル・シリーズ。草丈が50cmと大きくならないので、スペースのない庭や鉢植えでの栽培におすすめです。
アメリカン・レッドクロス
燃えるような赤い大輪の花を咲かせるアメリカン・レッドクロス。1本でも充分きれいなのですが、群生させると存在感抜群。夏花壇の主役におすすめの品種です。
ダーバン
緑、赤、ブロンズなど、複雑な葉色が特徴的な品種・ダーバン。オレンジ色の花を開花させます。全体的にアジアンテイスト風なので、お庭に植えるとリゾート感が楽しめますよ。
カンナと一緒に植えたい!人気の夏の花と花言葉
カンアと相性の良い、夏の花と花言葉を紹介します。暑さにも負けず元気に咲く花々を、ぜひ自宅のお庭に迎えてあげてくださいね。
花言葉は「憧れ」ひまわり
夏の花の代表格といえば、やっぱりひまわり(向日葵)。満開のひまわりを見ると、なぜか元気になりますよね。愛おしそうに太陽を見つめる姿から「憧れ」という花言葉が付けられています。
花言葉は「華麗」ダリア
バラに負けずとも劣らない、とても華やかな花を咲かせるダリア。見た目通り「華麗」という花言葉が付いています。パッと目を惹く美しさは、夏の庭の主役になること間違いなしです。
花言葉は「注意」アキノキリンソウ(秋の麒麟草)
黄金色(黄色)の花を茎いっぱいに咲かせる山野草・アキノキリンソウ(秋の麒麟草)。名前に「秋」が付いていますが、7月~11月に開花します。花言葉は「注意」です。
花言葉は「強い個性」インパチェンス
赤や白、ピンクやオレンジなど、鮮やかな色で夏花壇を飾るインパチェンス。花言葉は「強い個性」です。半日陰や直射日光が当たる場所でも元気に咲いてくれます。
カンナの育て方・水やり・管理方法
それでは、カンナの育て方に移りましょう。上手に育てれば、毎年元気に花を咲かせてくれますよ。
カンナの球根の植え付け期・植え方
カンナの球根は、4月中旬~5月下旬に植え付けます。
【鉢植えの場合】
- 培養土は草花専用のものを、元肥は緩効性肥料を使用してください。
- 鉢の大きさは、8号~10号鉢が良いでしょう。
- 芽を上向きにし、球根を寝かせるように植えましょう。
- 日当たりの良い場所で管理してください。
【庭植えの場合】
- 日当たり・水はけが良い場所を選びます。
- 植えこむ前に、腐葉土やたい肥などを混ぜ込みましょう。
- 元肥は緩効性肥料を使用します。
- 鉢植えと同様、目を上向きにして球根を寝かせるように植えてください
- いくつかの球根を植える場合、球根と球根の間隔を40cm~50cmほど空けましょう。
カンナの水やり・肥料
庭植えの場合は、雨の水だけで育ちます。鉢植えの場合は、土が乾いたらたっぷりと与えてください。猛暑期は、バケツなどに水を張って鉢を漬ける方法(腰水灌水)でも大丈夫です。
追肥として、7月頃に三要素等量肥料を置き肥、または液体肥料を与えましょう。
カンナの越冬方法
花が終わり、葉が完全に枯れたら地表の際で刈り取ります。鉢植えの場合は屋内や軒下など、雪・霜を避けられる場所に移動させましょう。庭植えの場合は、下記いずれかの方法で越冬させてください。
- 盛り土…球根の上に10cmほど盛り土し、霜や雪によって球根が凍るのを防ぐ方法。
- 掘り上げ…球根を掘り上げる方法。保温できる容器(発泡スチロールの箱など)に入れ、乾かさないように管理してください。
鉢植えや掘り上げた球根を屋内で管理した場合、室温が高いと発芽する可能性があります。冬の間は、温度が上がらない場所で管理しましょう。
カンナの特徴・名前の由来・誕生花
最後は、カンナの基本情報です。英語名や誕生花、名前の由来などを紹介します。
カンナの基本情報・英語名
目・科・属 | ショウガ目・カンナ科・カンナ属 |
和名・英語名 | カンナ、ダンドク、ハナカンナ・ |
開花時期 | 6月~10月 |
花色 | 赤、ピンク、白、黄色、オレンジ、複色など |
原産国 | 熱帯アメリカ |
カンナはいつの誕生花?
カンナが誕生花に当てられている日にちは、6月30日、8月2日、8月3日、8月13日、8月19日、8月30日、9月13日、9月21日です。
カンナ・ダンドクの名前の由来は?
カンナ(canna)という名前の由来には諸説あり、次の3つの説が濃厚といわれています。
- ラテン語で葦(アシ)を意味するkannaが語源
- ケルト語で葦を意味するcanが語源
- ケルト語で杖を意味するcanaが語源
また、別名:ダンドク(檀特)はガンダーラ地方の「檀特山」が語源です。檀特山は、釈迦の前身・須大孥太子(シュタヌタイシ)が修行をした山といわれており、カンナと仏陀の伝説が由来となっているようです。