今や数が激減し「幻の花」とも呼ばれている月見草。名前の通り、夜にひっそりと開花し、朝方にはしぼんでしまう希な性質を持っています。
そんな月見草の花言葉は「臆病」かつ「大胆」。花の性質同様、珍しい花言葉が付けられているんですよ。
現在、園芸店で販売されている「月見草」は、実は本物の月見草ではありません。では一体、何の花が販売されているのでしょうか。
ここでは月見草の花言葉とその由来、園芸店で販売されている「謎の月見草」の正体など、月見草にまつわる情報をたっぷりとお届けします。
月見草の花言葉
それではさっそく、月見草の花言葉を見ていきましょう。
臆病だけど大胆?月見草の花言葉
月見草の花言葉 | 打ち明けられない恋 無言の恋 密やかな恋 うつろな愛 移り気 自由な心 湯上がりの美人 |
月見草の花言葉は、「打ち明けられない恋」「無言の恋」「密やかな恋」「うつろな愛」といった臆病な言葉が並ぶ一方で、「移り気」「自由な心」「湯上りの美人」という大胆な言葉も並んでいます。
それぞれの花言葉は、後述する「花言葉に関する逸話」で解説するとして、まずは月見草の特徴や生態から紹介していきます。
月見草はどんな花?待宵草との違いは?
月見草は春から秋の夜に開花し、朝方にはしぼんでしまう珍しい花です。
開花時間に加え、花色が変わるという不思議な生態を持っており、咲き始めは白かった花も、花が終わるにつれて次第にピンク~紅色になっていきます。
原産はメキシコや北アメリカで、日本には江戸時代頃に渡ってきました。しかし環境が適応しなかったのか、徐々に数が激減し、現在では絶滅寸前とも言われています。
園芸店で販売されている「月見草」とは?
現在、園芸店で販売されている「月見草」のほとんどは、月見草と同じマツヨイグサ属の仲間である待宵草(マツヨイグサ)や昼咲き月見草(ヒルザキツキミソウ)です。
待宵草は黄色、昼咲き月見草は白~ピンク色の花を昼間に咲かせます。本来の月見草ではありませんが、どちらも素朴できれいな花を咲かせます。
オリジナルキャッチコピー
宵の密会 月光に照らされ妖艶さを増す
類似の花言葉を持つ花はこちら
6月/6月19日/6月21日/8月/8月30日/「好き」という意味の花言葉を持つ花/「恋」を意味する花言葉を持つ花/「愛」を意味する花言葉を持つ花/「片思い」を意味する花言葉を持つ花/「自由」を意味する花言葉を持つ花/ガーデニングに使いたい花/ピンク色の花言葉/創作などのキャラクターに使いやすい花/白い花の花言葉/野原で観察したい花/
月見草の花言葉に関する逸話「花言葉の由来・意味」
月見草の花言葉、「打ち明けられない恋」「無言の恋」「密やかな恋」「うつろな愛」「移り気」「自由な心」「湯上りの美人」。それぞれの由来を、花の姿や生態とともに紹介していきます。
月見草の花言葉①打ち明けられない恋・無言の恋・密やかな恋・うつろな愛の由来
月見草は一日花(花の命が1日のみ)で、しかも夜にしか開花しません。人目につかず花を咲かせ、そのまま花を終わらせる姿は、まるで思いを告げられず心にしまい込む恋のよう。
花言葉「打ち明けられない恋」「無言の恋」「密やかな恋」「うつろな愛」は、ひっそりと終わらせる短い花の命が由来となっています。
月見草の花言葉②移り気・自由な心の由来
開花したばかりの月見草の花色は白色ですが、花が終わるにつれて薄ピンク~紅色に染まっていきます。開花の途中で色を変える生態から「移り気」「自由な心」という花言葉がつけられました。
月見草の花言葉③湯上がりの美人
こちらも花色が変わる生態が由来となった花言葉です。白から紅色に変わる花が、湯上りの肌がピンク色に染まることに例え「湯上りの美人」という花言葉が付けられました。
マツヨイグサ属にはどんな花がある?
月見草が属しているマツヨイグサ属。「月見草」という名前で販売されることが多い待宵草や昼咲月見草も、この仲間です。
この2種を始め、他にはどんな植物があるのか、花の名前と特徴を紹介していきます。
花言葉は「温和」待宵草(マツヨイグサ)
夏場の夕方~夜にかけて黄色い花を咲かせる待宵草(マツヨイソウ)。「月見草」として販売されることも多いようですが、月見草とは別の植物です。花言葉は「温和」「協調」「魔法」になります。
花言葉は「協調」大待宵草(オオマツヨイグサ)
待宵草と同じく、夏の夕方~夜にかけて黄色い花を咲かせますが、花が大きめなのが大待宵草(オオマツヨイグサ)になります。花言葉は「温和」「協調」「魔法」。松宵草と同じ花言葉です。
花言葉は「恋に恋するお年頃」雌待宵草(メマツヨイグサ)
待宵草とよく似た黄色い花を咲かせる雌待宵草(メマツヨイグサ)。荒地でも開花することから荒地待宵草(アレチマツヨイグサ)とも呼ばれています。花言葉は「恋に恋するお年頃」です。
花言葉は「固く結ばれた愛」昼咲き月見草(ヒルザキツキミソウ)
月見草が夜に開花するのに対し、昼間に花を咲かせるのが昼咲き月見草(ヒルザキツキミソウ)。花色は白~ピンク色、花の姿は月見草とそっくりです。花言葉は「固く結ばれた愛」になります。
待宵草、大待宵草、雌待宵草、違いや見分け方は?
マツヨイグサ属の仲間で、黄色のそっくりな花を咲かせる待宵草、大待宵草、雌待宵草。それぞれの違いは、次のようになります。
花の名前 | 花の大きさ
(花径) |
葉や茎の様子 |
待宵草
(マツヨイグサ) |
2cm~3cm
花はしぼむと赤くなる。 |
葉は濃い緑で細長い。葉の中心に白い線が入っている。草丈は10cm~30cm。 |
大待宵草
(オオマツヨイグサ) |
6cm~8cm | 葉は黄緑色。茎に赤い斑点がある。草丈は80cm~150cm。 |
雌待宵草
(メマツヨイグサ) |
2cm~3cm | 葉は黄緑色。草丈は40cm~100cm。 |
昼咲き月見草(ヒルザキツキミソウ)の育て方・水やり・管理方法
月見草は種・苗ともにほとんど流通していません。ごく一部の専門店では苗の購入が出来るようですが、ほとんどの園芸店で販売されているものは待宵草や昼咲き月見草(ヒルザキツキミソウ)になります。
ここでは、一般的に購入しやすい昼咲き月見草の育て方を紹介します。
昼咲き月見草の苗の植え付け時期・植え方
昼咲き月見草の苗の植え付け時期は、4月~5月です。鉢植えで育てる場合は、草花専用の培養土を使用し、日当たりが良い場所で管理してください。庭植えで育てる場合は、日当たりと水はけが良い場所を選びましょう。
昼咲き月見草の水やりと肥料
鉢植えの場合は、表面の土が乾いてからたっぷりと与えます。夏場は水を吸い上げる力が強くなるので、水枯れに注意してください。
庭植えの場合は、植え付けてからしばらくは毎日水を与えましょう。根づいた後の水やりは不要ですが、晴天が続くような時は水やりを行ってください。
鉢植え、庭植え共に肥料は特に必要ありません。栄養過多だと枯れてしまう恐れがあるので注意しましょう。
月見草の特徴・名前の由来・誕生花
最後は、月見草の基本情報です。英語名や誕生花、月見草や待宵草の名前の由来などを紹介します。
月見草の基本情報・英語名
目・科・属 | フトモモ目・アカバナ科・マツヨイグサ属 |
和名・英語名 | 月見草、ツキミソウ・Evening Primrose |
別名 | シロバナヨルザキツキミソウ(白花夜咲月見草)、 |
開花時期 | 5月~9月 |
原産国 | メキシコ、北アメリカ |
月見草はいつの誕生花?
月見草が誕生花に当てられている日にちは、6月19日、6月21日、8月30日です。
月見草・待宵草・英語名の名前の由来は?
月見草という名前は、夜に咲く花の生態=月を見る花を由来としています。待宵草も、宵(夜)を待ってから花を咲かせることが由来です。
英語名「Evening Primrose」は、Evening=夜、Primrose=プリムラという意味があり、「夜に咲くプリムラ(に似た)花」から名付けられました。